ドイツに所在するドイツのローカル企業での働き方について、筆者自らの経験をもとに数回に分けてご紹介しています。
前回の、柔軟な勤務時間と労働時間に関する記事はいかがでしたでしょうか。
今回2回目は、残業についてです。
※前回同様、ドイツのローカル企業での働き方と言っても、実際には様々な働き方や社風がありますので、今回お話しするのは一例であるということにご留意ください。
- ドイツにて、ドイツのローカル企業で働くことに興味のある方
- ドイツでの働き方に興味のある方
- ドイツでの生活に興味のある方
残業を前提にしないドイツの働き方
日本で、残業がまったくない企業を探すのは非常に大変です。
日本でもいわゆる働き方改革で残業時間が減少傾向にあるものの、それでも1ヶ月の残業時間が0時間という方や10時間以下という方は、まだまだ少数派ではないかと思います。
筆者自身、2017年~2019年に日本で就労したことがありますが、激務と言われるITコンサル業界で働いていたこともあり、一ヶ月の残業時間が90時間を超えることもありました。
一ヶ月の残業時間が100~150時間に達していた同僚も何人もいたので、これでも筆者はまだましな方だったのかもしれません。
実際に、日本のITコンサル業界の月の平均残業時間は、約80時間とも言われているよ!
その一方で、ドイツには、残業がない企業が多くあります!
もちろん、企業や業界、チームによっても違いますし、繁忙期のみ残業があるという企業もあります。
例えば、ITコンサル業界だと、月40時間程度の残業がある方も多いです。
また、経理関連のお仕事をされている方は、例えば決算関連の業務が多い時期が繁忙期にあたるので、その時期は残業されている方も多くいます。
在独日系企業では、ドイツのローカル企業に比べて残業がある可能性が高いです!
(しかし、駐在員として働くか現地採用者として働くかによって、残業時間や残業の有無が大きく変わる可能性が高いです。)
筆者が勤めている企業では、基本的に残業がありません!
確かに、とても忙しい日もあるので、そういう日には自分の意思で残業することがあります。
ただし、これは強制ではなく、上司や同僚からの「残業しろ」圧力も基本ありません。
そして、残業をした場合には、後にその残業時間分休みを取得することで相殺することができます。
筆者が勤めている企業を含め、多くのドイツの企業では残業することを前提としていません。
そのため、2時間長く働いた日があったら、どこかで2時間分短く働いて相殺するのが一般的です。
日本でよくある残業代の支給といったお金による残業時間の清算は、ドイツではほとんどありません!
つまり、残業をして稼ぐという方法も、ドイツでは一般的ではないことになります。
むしろ、残業ばかりしていると、割り当てられたタスクを業務時間内にこなせない人だと思われて、悪い評価につながる可能性すらあるから、注意が必要だよ!
ただし、労働契約書に、基本給に所定労働時間の10%や20%分の残業時間が含まれているといった、いわゆるみなし残業に関する内容が記載されていることが、ドイツでは多くあります。
これは、ドイツの労働契約ではよくあることなので、そこで過度に心配する必要はありません。
実際に、そのみなし残業分の残業をしている社員も、企業によってはいると思います。
しかし、多くの企業では、実際には1時間でも残業をしたら、後に時間調整をして清算することができます。
また、私用があって8時間働けない日が近いうちにある場合、事前に残業をして残業時間を貯めておくということも、企業によっては可能です!
上司との仲や社風等にもよるかと思いますが、ドイツのローカル企業で残業をした場合には、その分を相殺できないか上司に確認してみてください。
また、働き方を工夫しても残業が続いてしまう場合には、上司に相談すると、チーム内等でタスクの再配分をしてくれる可能性も高いです。
ドイツは、言った者勝ち、相談した者勝ちなところが仕事面でもありますので、困った際には、遠慮せずに早めに上司や同僚に相談することをおすすめします。
それが、ドイツのローカル企業でうまくやっていく秘訣の一つだと思います!
まとめ
- ドイツの企業では、一般的に残業することを前提にしていない
- ドイツでは、残業代の支給が一般的でない
- ドイツの企業で残業した場合には、後にその分休むなど、時間での清算が一般的である
- ドイツの企業では、労働契約書にみなし残業に関する規定が記載されていることが多くある
- タスクや残業が多くて困った場合には、遠慮せず早めに上司や同僚に相談する
ドイツの企業では、残業がほとんどないことが一般的なため、日本よりもワークライフバランスを向上させ、仕事後の時間をより充実したものにすることができます。
その一方で、決められた時間内でタスクをこなし成果を出すことが求められるので、日本とは違ったプレッシャーを感じることがあります。
また、残業代が基本的に発生しないので、残業をして稼ぐことができない点について残念に感じる方もいることでしょう。
日本とドイツ、どちらの働き方が良いかは人それぞれかもしれませんが、残業のない生活に一度慣れてしまうと、残業の多い日本のような働き方に戻るのは容易ではありません…。
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