ドイツの働き方 Part 1:柔軟な勤務時間と労働時間

皆さんは、日本以外の国で日系でない企業で働いたことはありますか?

留学やワーキングホリデーをして、日本以外の国で短期で働いた経験がある方もいるのではないでしょうか。
また、中には、海外転勤でドイツに駐在員として数年間滞在し就労したことがあるものの、ドイツ企業で働いた経験はないという方もいるのではないでしょうか。

そこで、今回から数回に分けて、ドイツに所在するドイツのローカル企業での働き方について、筆者自らの経験をもとにご紹介したいと思います。
ドイツのローカル企業での働き方と言っても、実際には様々な働き方や社風がありますので、今回お話しするのは一例であるということにご留意ください。

今回1回目は、柔軟な勤務時間と労働時間についてです。

この記事は、こんな人におすすめ!
  • ドイツにて、ドイツのローカル企業で働くことに興味のある方
  • ドイツでの働き方に興味のある方
  • ドイツでの生活に興味のある方
目次

ドイツ企業の柔軟な勤務時間と労働時間

これは、勤務時間帯や一日の労働時間について、労働者側に多くの選択の自由があるということです。

日本でも、一部の会社では、フレックスタイム制が導入されています。

これは、始業時間と終業時間を労働者側が自由に決められるという制度です。
もちろん、フレックスタイム制が導入されている企業でも、コアタイムが設定されている場合、その時間帯は勤務しなければなりません。
ただし、逆に言えば、そのコアタイムの時間帯さえ含んでいれば、始業時間と終業時間を労働者側がある程度自由に設定できることになります。

そして、一度設定した始業時間と終業時間を一定期間継続する必要がないことも多いです。
その場合、日ごとに臨機応変に勤務時間帯を変えることが可能です。

ドイツ博士

例えば、今日は朝早く起きたので7時から16時で勤務、明日は9時に役所に行く必要があるので11時から20時で勤務という働き方が可能だよ!

また、1週間に一定時間働いてさえいれば、1日の労働時間に下限はないという場合もあるかと思います。
例えば、1週間に40時間働きさえすれば、一日の労働時間は必ずしも8時間ぴったりである必要がないということです。

ドイツ博士

例えば、毎週月曜日は10時間勤務する代わりに、毎週金曜日は6時間勤務で早く終わりにするということも可能だよ!

筆者が勤めているドイツ企業でもフレックスタイム制が導入されています。

コアタイムがまったく設けられていないので、始業時間と終業時間を労働者側が自由に決めることができます。
日中に会議が多いので、さすがに15時~24時で勤務するというわけにはいきませんが、私用や体調などに合わせて、非常に自由に勤務時間を決めることができます。
そのため、次の日の仕事のことを考慮して、夜の決まった時間に何が何でも就寝しなければというプレッシャーはほぼありません!

また、フルタイムの場合1週間に40時間勤務しさえすれば良いので、8時間より短く働く日と長く働く日があっても問題ありません。
実際に、筆者の場合、ぴったり8時間勤務している日は、おそらく半分にも満たないと思います(笑)

さらに、筆者の勤める企業では、平均して週40時間勤務していれば問題ありません!
つまり、自分の意思で今週は42時間と長めに勤務して、来週は38時間と短めに勤務するということも認められています。
そして、途中で取る休憩時間の時間帯や長さも、短すぎて法律に違反しない限り自由に決めることができます!

疑問ちゃん

それなら、昼休憩を3時間取って、スポーツジムに行ったり医者に行ったりすることも可能だね!とっても便利!

そして、このような変則的な勤務時間や労働時間について、事前に上司に承認を得たりする必要もありません!
弊社では、全社員が確認できる社内の共有カレンダーを更新するだけでオッケーです。
会議等がなければ、直前に変更したりするのもまったく問題ありません。

そのため、筆者の場合、共有カレンダー上では朝8時半勤務開始予定にしておいて、もし早く起きたら7時や7時半などに勤務を開始し、もし寝そびれたら9時や9時半などに勤務を開始しています。
そして、一日の労働時間が10時間の日もあれば6時間の日もあります。
昼休みを3時間取って私用を済ませる日もありますし、昼休みを30分にしてより早く終業することもあります。
お腹が空いたという理由で、予定していた昼休みを突然1時間前倒しすることもあります。

ドイツ博士

僕は、日本への一時帰国で金曜日19時の飛行機に乗るために、その日は8時から14時半で勤務するということもしたことがあるよ!

疑問ちゃん

同僚や上司からは、文句言われたりしなかったの?

ドイツ博士

まったく!むしろ、「行ってらっしゃい!仕事のことは一旦忘れて楽しんできてね!」と快く送り出してくれたよ!

会議がなければ、上司への事前確認等が不要で自分で臨機応変に決めることができるこの制度は大変便利で、ワークライフバランスの向上に大きく貢献しています
実際、この制度のおかげで、役所等の施設の混雑時間を避けることができたり、日本への一時帰国をより長くより安くしたりすることができました。
小さな子供がいる親であれば、途中で子供を迎えに行ったりすることも可能です。

ただし、ここまで自由に勤務時間や労働時間を決めることができる企業は、ドイツでもそこまで多くありません。

筆者は、仕事柄、様々なドイツ企業の働き方を情報として持っています。
確かに、ドイツでは、フレックスタイム制を導入している企業が多く、筆者の勤める企業と同じぐらい自由な働き方が認められている企業もあります。
しかし、多くの企業ではコアタイムが設定されているため、上司の許可なくフルタイムの社員が14:30に終業したり、昼休みを3時間取ったりできるのは、そこまで一般的ではありません。

ドイツ博士

特に、在独日系企業でここまで自由に働ける企業は、さらに少ないよ!

それでも、労働者側が勤務時間帯や一日の労働時間をある程度自由に決められる企業が、ドイツでは日本よりも圧倒的に多く存在することは経験上確かです。

まとめ

  • 勤務時間帯や一日の労働時間についてドイツの企業は日本の企業よりも、労働者側により多くの選択の自由を与えていることが多い
  • ドイツでは、フレックスタイム制が導入されている企業が多い
  • 昼休憩の時間帯や長さも自由に決められる場合、ワークライフバランスがさらにアップ!
  • ただし、ドイツでもコアタイムが設定されている場合が多い
  • 特に在独日系企業の場合、そこまで柔軟でないことが多い

人材不足が深刻な問題となっている中、柔軟な働き方のできる制度が整っている企業は、求職者側にとっても非常に魅力的です。
筆者もそうですが、一度自由な会社で働くと、それが自分の中での基準になってしまい、転職活動の際にも同じぐらい自由に働ける企業を求めてしまうものです。

人材確保に向けて各企業がどのような戦略を打ち出すのか、今後の動向が気になるところです!

ゆとり
ドイツ生活5年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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