ほくほくしていて甘いかぼちゃ。
旬である秋や冬はもちろんのこと、それ以外の時期に食べても美味しいですよね!
かぼちゃサラダ、かぼちゃスープ、かぼちゃコロッケなどに使えて、オレンジと緑の鮮やかな色は、お弁当に入れても映えます。
今回は、日本で人気のかぼちゃが、ドイツではどのように販売されているのかについてご紹介します。
・今後ドイツに長期滞在予定の方
・ドイツで暮らしていて自炊をしている方
・ドイツの野菜に興味のある方
・かぼちゃが大好物の方
かぼちゃを食べる習慣があまりないドイツ
結論からお伝えすると、ドイツでは、日本のような甘くてねっとりとした濃厚な味わいのかぼちゃはほとんど出回っていません。
また、日本のように、皮が濃い緑色のかぼちゃも見かけません。
日本では大人気のかぼちゃですが、ドイツでは、かぼちゃを食べる習慣が日本ほどなく、かぼちゃを使った料理もそこまで知られていません。
たまにかぼちゃスープを提供しているレストランがあるので、ドイツ人がかぼちゃを消費するとすれば、旬の秋にレストラン等でかぼちゃスープを飲む時ぐらいでしょうか。
ドイツでもかぼちゃのシーズンは秋であるため、秋になると、あちらこちらのスーパーマーケットで複数の種類のかぼちゃが販売されます。
しかし、かぼちゃを手に取るドイツ人をスーパーマーケットなどで見たことは、今のところありません。
ドイツでかぼちゃと言えばHokkaido Kürbis!
Hokkaido Kürbisとは?
複数の種類があるかぼちゃですが、ドイツのスーパーマーケットなどでとりわけよく見かけるのが、Hokkaido Kürbisという名前のかぼちゃです。
直訳すると「北海道かぼちゃ」ですが、日本でそのような名前のかぼちゃを聞いたことがありません。
(筆者が無知なだけかもしれませんが…)
また、販売されているそのHokkaido Kürbisをよく見ると、産地が北海道でないだけでなく、日本でもアジアでもありません。
そして、日本で一般的に食べられているかぼちゃと違って、皮は濃いオレンジであり、中も黄色っぽさのほとんどないオレンジ色です。
それだけではありません。
形も少し違います!
日本のかぼちゃは、横から見ると膨らんでいるところとそうでないところがあり、ある程度でこぼこしています。
また、日本のかぼちゃの場合、上から見た時の真ん中部分(ヘタの部分)が人間のへそのようにへこんでいます。
その一方で、ドイツでよく見かけるHokkaido Kürbisは、側面の凹凸が少なくてより丸みがあり、上のヘタの部分はむしろ飛び出しています。
そして、このHokkaido Kürbisの方が、日本で一般的なかぼちゃよりも一回り小ぶりなことが多いです。
なぜ、北海道産や日本産でなく、また日本のスーパーマーケットでも見かけることがないのに、Hokkaido Kürbisという名前なのでしょうか。
どうやら、昔ドイツに初めて持ち込まれたこの品種の種子が北海道産であったことが関係しているようですが、原産地は北海道ではなく石川県だそうです…。
ただ、このHokkaido Kürbisというかぼちゃの品種のルーツが日本にあることは確かなようです。
ちなみに、ドイツ語での発音は、北海道の「い」の部分にアクセントがあり強調されて発音されるので、これまた日本語の北海道の発音とは違います!ほっかいどう…です(笑)
本当に、知れば知るほど不思議なかぼちゃですよね!
Hokkaido Kürbisの味は?
謎の多いHokkaido Kürbisですが、味と食感も、日本のかぼちゃとは違います。
まず、しっとり感やねっとり感がほとんどありません。
じゃがいもに近いような手触りと食感で、日本のかぼちゃよりも水っぽさが少なく、カビが生えにくそうな感じです(笑)
そして、甘みが若干あるのですが、日本のかぼちゃほど強くはなく、全体的に淡泊な味です。
筆者は、このHokkaido Kürbisを使って日本でよくあるかぼちゃのポタージュを作ったことがありますが、日本のかぼちゃで作れるような濃厚で美味しいものはできませんでした。
ねっとり感がないので、かなりさらさらとしたスープになってしまいました。
そして、Hokkaido Kürbisは淡泊な味なので、かぼちゃの味があまり出ませんでした。
Hokkaido Kürbisをもっと入れればもう少しねっとりしてかぼちゃ味も濃くなるかもと思い、レシピの2倍の量のかぼちゃを入れてみましたが、やはりねっとりもしっとりもせず、日本のかぼちゃスープほどかぼちゃの味が濃くはなりませんでした…。
美味しいことは美味しいので飲めなくはなかったのですが、濃厚さを求めてスープにかぼちゃを追加しているうちに、2kg以上のスープが出来上がってしまい、飲み切るのに大変苦労した記憶があります(笑)
ドイツで入手できるその他のかぼちゃ
Hokkaido Kürbis以外のかぼちゃでドイツのスーパーマーケットでよく見かけるものに、Butternut(=バターナッツかぼちゃ)という品種のものがあります。
日本のかぼちゃが基準となっている日本人にとって、このバターナッツかぼちゃは一見かぼちゃには見えませんが、日本でも稀に見かけることがあり、つるつるとしたベージュ色の皮とひょうたんのような形が特徴です。
バターナッツかぼちゃを切ってみると、日本のかぼちゃのように黄色がかったオレンジ色の果肉が現れ、下の膨らんだ部分にワタと種がつまっています。
上半分には果肉が詰まっていて種はないので、なんだかちょっとアンバランスにも見えます。
日本のかぼちゃほどではないですが、Hokkaido Kürbisよりもねっとり感があり、甘みも強いです。
そのため、日本のかぼちゃポタージュの味がドイツで恋しくなったときは、このバターナッツかぼちゃで再現するのがおすすめです!
筆者も、実際にこのバターナッツかぼちゃでかぼちゃのポタージュを作ってみたことがあります。
個人的には、(日本のかぼちゃを使ったものほどではないですが、)Hokkaido Kürbisで作ったものよりも断然美味しいと感じました!
ちなみに、バターナッツかぼちゃには、日本のかぼちゃや芋のようなホクホク感はないので、煮物作りや(日本の)かぼちゃサラダ作りには向いていません。
ポタージュも良いですが、丸ごとのバターナッツかぼちゃの中身をくり抜いて、他の具材と一種にくり抜いた部分に詰めて、チーズをトッピングして焼いたグラタンも非常に美味しいです!
この他にも、日本のかぼちゃのような形をしていて皮がベージュ色のMuskat Kürbisや、まるでマッシュルームヘアを反対にしたような不思議な形のかぼちゃもドイツで見かけることがあります。
まとめ
- ドイツでは、日本ほどかぼちゃを食べる習慣がない
- ドイツで最もよく見かけるかぼちゃは、Hokkaido Kürbis
- Hokkaido Kürbisの味は淡泊で、ねっとり感がない
- 日本のかぼちゃスープを作りたいなら、バターナッツかぼちゃで作るのがおすすめ
- 日本食料品店では、日本のかぼちゃを扱っていることもある
ドイツで日本のかぼちゃ料理を再現するのは難しいですが、ドイツのかぼちゃも、グラタンなど調理法次第では美味しく食べることができます。
もしご自身で調理を試されるのであれば、ドイツのレシピを使うのがおすすめです!
もし、どうしても日本のかぼちゃでなければダメというのであれば、日本食料品店で冷凍のカットかぼちゃが売られていますので、そこに買いに行くという手もあります。
デュッセルドルフなどの一部の日本食料品店では、冷凍されていない生のかぼちゃも販売されていることがあります。
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