玉ねぎほど使い勝手の良い野菜はなかなかなく、日本でもドイツでも、様々な料理で大活躍です。
さすがにデザートにはなかなか合いませんが、生で食べても、煮ても焼いても蒸しても美味しく食べられる野菜で、色々な料理に使われています。
どこのスーパーマーケットでも売られていて、日本ではコンビニなどでも入手することができます。
玉ねぎは、いつも在庫が家にあるという家庭も多いのではないでしょうか。
今回は、そんな使い勝手の良い野菜である玉ねぎについて、ドイツの事情を絡めてお伝えします!
・今後ドイツに長期滞在予定の方
・ドイツで暮らしていて自炊をしている方
・ドイツの野菜に興味のある方
・玉ねぎ愛好家
黄色い玉ねぎ
玉ねぎは、ドイツでもメジャーな野菜であり、どこのスーパーマーケットでも売られています。
ドイツのスーパーマーケットで買えるものとしては、最もよく使われる黄色い玉ねぎ(Gelbe Zwiebeln)に加えて、白い玉ねぎ(Weiße Zwiebeln)と赤い玉ねぎ(Rote Zwiebeln)があります。
玉ねぎといえば、日本でもドイツでも、まず黄色いものをイメージするのではないでしょうか。
ドイツにおいて、スーパーマーケットでよく見かける黄色い玉ねぎには、SpeisezwiebelnとGemüsezwiebelnの2種類があります。
小ぶりで使い勝手の良くないSpeisezwiebeln
黄色い玉ねぎの中でもドイツで最も一般的な玉ねぎは、Speisezwiebelnと呼ばれているかなり小ぶりのものです。
これが、ドイツで最もよく見かける玉ねぎです。
Speisezwiebelnは、日本で一般的な玉ねぎと比較すると、色は同じような感じですが、大きさが1/3~1/5程度しかありません。
重さにすると、1個あたり50g~80g程度です。
日本の玉ねぎ1個が200~250g程なので、ドイツのこのSpeisezwiebelnがいかに小さいかがわかります。
ドイツのスーパーマーケットでは、Speisezwiebelnがネットに1kgもしくは2kg入った状態で売られています。
また、日本で一般的な玉ねぎが楕円形で横に膨らみがあるのに対して、このSpeisezwiebelnは、より球体に近い形でかなり丸みがあります。
Speisezwiebelnはサイズが非常に小さいため、例えばカレーを作るために玉ねぎを400g使いたい場合には、6~10個ぐらい使用する必要があります。
数を多く使用する必要があるので、その分皮むきの回数も増えてしまいます。
皮むきの量が増えるだけならまだ良いのですが、それに加えて、皮が硬くて剥きにくく手間がかかります。
ところで、皆さんは玉ねぎの皮を剥く時、どのようにしますか?
日本では、皮を剥いてから上下の端を切り落とすことが多いかと思います。
その一方で、ドイツでは、先に上下の端を切り落としてから、皮を剥く人が多いです。
改めて考えてみるに、Speisezwiebelnは皮が硬くて非常に剥きづらいので、端を切り落として剥き始めやすい箇所を作り出す必要があるのだと思います。
また、サイズが小さいので、みじん切りにする時も大変です。
より多くの個数の玉ねぎをみじん切りにする必要があるため、大変時間と手間がかかります。
一度半分に切れば一口サイズになることも多く、スープなどを作る時は、切らずにそのまま丸ごと煮こんでしまってもよい大きさであることも多いです。
味は、日本の玉ねぎとほぼ変わらないので、和食を作る時に使用しても、まったく問題ありません。
日本の玉ねぎに近いGemüsezwiebeln
Speisezwiebelnはサイズが小さく扱いづらいのですが、日本の玉ねぎと同じぐらいのサイズの玉ねぎも、ドイツのスーパーマーケットにはあります。
それは、Gemüsezwiebelnと呼ばれているものです。
こちらは、重さが1個250g程度で、日本で一般的な玉ねぎとほぼ同じ大きさです。
このGemüsezwiebelnもスーパーマーケットなどでは、3~4個ネットに入って1kgでまとめ売りされていることが多いです。
こちらも皮が硬くて剥きにくいことにはあまり変わりませんが、1個当たりのサイズが大きい分、皮むきの回数を大幅に減らすことができます!
また、みじん切りをするのに掛かる手間も大幅に減らせます!
味は、小ぶりな玉ねぎSpeisezwiebelnや日本で一般的な玉ねぎとほぼ変わりありません。
値段は、Speisezwiebelnと比較すると2~3倍ぐらいであることが多いです。
しかし、Gemüsezwiebelnの方が可食部の割合が圧倒的に多く、そして皮を剥く手間を大幅に削減することができることを考えれば、納得のいく値段かと思います。
白い玉ねぎ
次にご紹介するのは、白い玉ねぎ(Weiße Zwiebeln)です。
筆者おすすめの玉ねぎSüßzwiebeln
筆者の近所の大手スーパーマーケットREWEでは、Süßzwiebeln(=甘い玉ねぎ)もしくはParadisoという名前の白い玉ねぎも販売しています。
このSüßzwiebelnは、筆者イチオシの玉ねぎです!
この玉ねぎは、日本の新玉ねぎのような玉ねぎで、サイズが大きく、1個300g前後あります。
量り売りをしているので、1個単位での購入可能です。
みずみずしくて皮も柔らかく、ドイツの普通の玉ねぎと比較すると、断然簡単に皮を剥くことができます。
新玉ねぎと同じで甘みが強いので、生や半生の玉ねぎの独特の辛さが苦手という方でも、食べやすいかと思います。
また、みずみずしさと甘みが特徴のこの玉ねぎは、サラダやマリネだけでなく、炒め物や煮物にも問題なく使えます。
水分が多いため、加熱すると短時間で柔らかくなり、とろりとした食感になります。
そのため、逆に、玉ねぎのシャキシャキ感が好きな人には、この白い玉ねぎではなく、先程紹介したより一般的な玉ねぎであるSpeisezwiebelnやGemüsezwiebelnをおすすめします。
筆者は、生玉ねぎの独特の辛さが好きではありません。
甘みの強いよく火の通った柔らかい玉ねぎが大好きであること、そして皮むきが簡単なことから、基本的にいつもこのSüßzwiebelnという玉ねぎを購入して使っています。
値段は、小ぶりな玉ねぎSpeisezwiebelnの2~3倍ぐらいで、Gemüsezwiebelnよりも若干高いことが多いです。
しかし、可食部が多くて皮むきなどの手間を大幅に削減できるうえ、味も非常に良いので、値段が高くても購入する価値は十分あると思います。
ただし、この白い玉ねぎSüßzwiebelnを扱っているスーパーマーケットは、残念ながら非常に少ないです。
筆者も、今のところ一部のREWEの店舗でしか見たことがなく、皆さんの近くの店舗では扱っていない可能性も高いです。
もし見かけたら、ぜひ購入して試してみてください!
赤い玉ねぎ
最後に、赤い玉ねぎ(Rote Zwiebeln)についてです。
食卓を鮮やかにするRote Zwiebeln
赤色というより赤紫色をした赤玉ねぎは、日本でも見かけることがよくあるかと思います。
切ってみるとわかるように、中にも赤紫色の線が入っています。
重さは、小さいもので1個50g、大きいもので1個200g程度あり、大きさも様々です。
水分が多く、白い玉ねぎほどではないものの、黄色い玉ねぎよりも辛みや刺激が少なめで、甘みも若干あります。
そのため、サラダやマリネに向いているとされていますが、焼いたり煮たりしても美味しく食べられます。
また、他の具材と一緒に調理しても、色移りすることはありません!
赤玉ねぎを使用して肉じゃがを作るとちょっと見た目が変な感じですが、洋風サラダなど料理によっては、食卓に彩りを与えることができ、料理をおしゃれに見せることができます。
ドイツで玉ねぎを購入する際の注意点
ドイツで玉ねぎを購入する際は、腐っていないか入念にチェックしてから購入してください!
ドイツのスーパーマーケットに並んでいる野菜は、日本より質が低いことが多く、鮮度が落ちたものも多くあります。
それゆえに、腐っていたりカビが生えていたりする野菜も、そこそこの頻度で見かけます。
特に、玉ねぎとじゃがいもは、腐ると強烈な臭いを放ってしまうので、腐ったり傷んだりしたものを購入しないように注意してください。
1個ずつ選んで量り売りで購入することで、そのような事態を避けることができますが、割高になってしまうのが難点です。
もし、ネットに大量に入った玉ねぎを購入するのであれば、匂いを嗅いでみて悪臭がしないかチェックし、さらに複数の角度から見て腐ったものが混入していないか確認することを強くおすすめします!
(それでも、玉ねぎの中だけが傷んでいるものを引き当ててしまうという事態は避けられませんが…。)
ドイツで、腐った玉ねぎが頻繁にそのまま販売されている事実も、筆者がばら売りの白い玉ねぎ(Süßzwiebeln)のみを購入している理由の1つです。
もし、皮を剥く手間は減らしたいというのであれば、大きい黄色い玉ねぎGemüsezwiebelnでも良いのかもしれません。
しかし、筆者の近所のスーパーマーケットでは、黄色い大きい玉ねぎGemüsezwiebelnのばら売りはされていませんが、白い玉ねぎのばら売りはされています。
そのため、サイズが大きいという点と、ばら売りされていて1個ずつ腐っていないか確認して購入することができるという点で、筆者は普段白い玉ねぎ(Süßzwiebeln)のみを購入しています。
確かに、値段を単純比較すると、黄色い玉ねぎを買うより高くなってしまいます。
しかし、黄色い大きい玉ねぎGemüsezwiebelnを4個入り1kgのネットで購入して、そのうちの1個が傷んでいたとなれば、実質25%分損してしまいます。
そして、そういう悲しい事態を、筆者は既に3回ほど経験しています…。
それを避けるために、2年前からばら売りされている白い玉ねぎを好んで購入しています。
ただし、白い玉ねぎも同様に、傷んだものが販売されていることがあるので、かごに入れる前の入念なチェックは欠かせません。
まとめ
- 大きくて皮を剥くのが簡単な白い玉ねぎSüßzwiebelnが、一番のおすすめ!
- ドイツで最も一般的な玉ねぎSpeisezwiebelnは、非常に小さく皮を剥くのが大変
- Gemüsezwiebelnという日本と同じぐらいのサイズの玉ねぎも、ドイツでよく販売されている
- ドイツで玉ねぎを購入する際は、腐ったり傷んだりしていないか入念に確認を!
以上、ドイツのスーパーマーケットで見かける様々な玉ねぎを紹介しました。
この他にもエシャロットなどがあり、自分の好みや用途に合わせて使い分けることが可能です。
種類に限らず、値段は日本より安いことが多いですが、誤って腐った玉ねぎを買ってしまうことのないよう、くれぐれもご注意ください!
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