なすは、日本ではメジャーな野菜で、どのスーパーマーケットでも販売されています。
使い勝手も良いので、よく買うという方も多いのではないかと思います。
なす田楽、なすの天ぷら、麻婆茄子、なすの煮びたしなど、煮たり焼いたり揚げたりと、様々ななす料理があります。
今回は、日本で人気のなすについて、ドイツではどうなのかご紹介したいと思います。
・今後ドイツに長期滞在予定の方
・ドイツで暮らしていて自炊をしている方
・ドイツの野菜に興味のある方
・なすが大好物な方
なすを食べる文化がなかったドイツ
ドイツでは元々、なすを食べる習慣があまりなく、トルコ系の移民がドイツ国内に増えるにつれて、なすも普及したそうです。
それもあってか、なすが苦手なドイツ人もそこそこいます。
また、なすは苦手ではないけど、食べる習慣がないから基本的に買わないというドイツ人も多くいます。
確かに、ヨーロッパのなす料理というと、筆者の場合、まずギリシャなどで有名なムサカが思い浮かびます。
その一方で、ドイツのなす料理はパッとは思い浮かびません。
また、ドイツ料理を提供するレストランで、おすすめ料理がなすを使った料理だったことは、今のところ見たことがないと思います。
しかし、現在なすは、ドイツ全国のスーパーマーケットで売られています。
なすを食べる習慣のある日本人にとっては、ドイツでも簡単になすを入手できるのはありがたい限りです。
ドイツでなすと言えば、米なす!
今やドイツでも簡単に入手できるようになったなすですが、そのなすにも、日本とドイツでは大きな違いがあります。
それは、種類の違いです。
ドイツで最も一般的ななすと言えば、米なすです!
日本でも、大きなスーパーマーケットを中心に米なすが販売されていることがあります。
また、居酒屋でも、田楽などの米なすを使った料理を提供していることがあるので、日本でも見たり食べたりしたことのある方も多いのではないかと思います。
とは言っても、普段から米なすを購入している人は少ないのではないでしょうか。
米なすは、ヘタの部分が紫色ではなく黄緑色であるという特徴があります。
そして、日本で一般的ななすと比べると何倍もの大きさがあり、より丸みを帯びた形です。
丸みがあってとても大きいので、なす全体に占める中の白い部分の割合が非常に大きいです。
それ故に、米なすを乱切りなど一口サイズに切ると、皮の無い白い部分のみの欠片がたくさんできてしまいます。
また、その白い部分は、日本の一般的ななすよりもスポンジ感が非常に強く、より硬いという特徴があります。
そのため、大変油を吸いやすく、また加熱しても柔らかくなりにくいです。
見方を変えれば、長時間調理しても形が崩れにくく、日本のなすのようにとろけてしまうことはあまりありません。
なので、ドイツで一般的な米なすは、煮物やステーキなどに向いています。
ただし、日本のなす以上にじっくりと火を通す必要があります。
米なすは、なす田楽に使っても美味しいですが、日本のなす独特のとろとろ感は出にくいので注意が必要です。
そのとろとろ感をドイツのなすに期待することは、残念ながらできません。
また、米なすは皮が厚く硬いので、食感や味の染み込みを良くするために、必要に応じてピーラーなどで皮を剥く必要があります。
筆者も、ドイツでなすを食べていて、皮をうまく嚙み切れないことが何回かありました。
さらに、日本で一般的ななすと比べると、米なすは灰汁がかなり強めです。
人によっては、舌がピリピリすることもあるので、切った後に水にさらして灰汁抜きをしてから調理することをおすすめします。
ちなみに、ドイツでの米なすの値段ですが、日本で一般的ななすと同じぐらいか、日本よりも安いことが多いです。
ただし、時期によって多少変動します。
ドイツで購入できる米なす以外のなす
米なすよりも入手難易度は上がりますが、米なす以外のなすもドイツでは購入することができます。
Japanische Aubergine(日本なす?)
例えば、REWEなどで販売されている「Japanische Aubergine」という商品名のなすです。
直訳すると「日本なす」ですが、日本でここまで細長いなすはなかなか見かけません(笑)
値段は、米なすの2~2.5倍ぐらいです。
皮が米なすよりも薄く、アクも少ないので、和食にも最適です。
筆者も、このなすを使ってなすの味噌汁やなす田楽を作ってみましたが、癖がなくて柔らかく、非常に美味しかったです。
ただし、非常に細長い形をしているので、大きめの輪切りにして使いたい場合や、居酒屋で出るような大きめでインパクトのあるなす田楽を作りたい場合には、残念ながら向きません。
Zebra-Aubergine(シマウマなす?)
Zebra-Aubergine(=シマウマなす)というなすも、ドイツでは見かけることがあります。
まるで色鉛筆で塗ったかのような紫と白の細い縦線がたくさん入ったなすです。
このなすは、市場の八百屋などで見かけることがある他、普通のスーパーマーケット(REWEやEDEKAなど)でも売られていることがあります。
ちなみに、EDEKAでは「Aubergine Graffiti」という商品名で販売されていました。
皮が薄めでアクも少ないため、Japanische Aubergineと同様に扱いやすく、皮を剥いたりアク抜きで苦戦したりすることもありません。
見かける頻度が米なすよりも少ないため若干貴重ではありますが、日本人には扱いやすく、和食にも合うなすです。
ただし、値段は、Japanische Aubergineと同じく米なすの2~2.5倍程度なので、割高ではあります。
まとめ
- ドイツで一般的ななすは、米なすである
- 米なすは、皮が厚くて中の白い部分のスポンジ感が強く、灰汁も強い
- 和食には、Japanische AubergineやZebra-Aubergineの方が合う
ドイツでなすと言えば米なすが最も一般的ではあるものの、他の種類のなすも売られていることがあります。
もし、米なすの皮の厚さや灰汁の強さに悩まれているようでしたら、Japanische AubergineやZebra-Aubergineといったなすを試してみることをおすすめします。
より本格的な和食のなす料理が作れるはずです!
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