この記事に辿り着いた方は、恐らく、ドイツ国内を出発地もしくは目的地としたある特定の列車のチケットを持っていたものの、その列車が運休になってしまったという方ではないでしょうか。
ドイツの列車は、時刻表通りに運行している方が珍しいと言えるほど、運休や遅延が日常茶飯事です。
そのため、せっかく予約した列車が突然運休となってしまうことも頻繁にあります。
このような列車運休の際には、払い戻しもしくは別の列車への振り替えが可能です。
今回は、その方法についてご紹介したいと思います。
・ドイツで、予約した列車が運休になってしまった方
・ドイツで暮らし始めた方、もしくは近々ドイツへ引っ越す予定のある方
前提条件
本題に入る前に、今回の記事の前提条件を記述しておきます。
というのも、列車のチケットの購入方法が複数あるからです。
今回の記事では、ドイツ国鉄であるDeutsche Bahn(略称DB)のスマートフォン用アプリ「DB Navigator」、もしくはDeutsche bahnの公式サイトでチケットを購入した場合を想定しています。
この「DB Navigator」というアプリは、ドイツで暮らす多くの方が利用しており、ドイツ国内に住所を持たない旅行者などでも使用可能です。
もし、アプリ「DB Navigator」上ではなく、紙媒体でのみチケットをお持ちの場合は、各都市の中央駅などにある「DB Reisezentrum」という日本のみどりの窓口に相当する場所で相談してください!
以下のDeutsche Bahnのページから、チャットで相談することも可能なようですが、最終的には恐らくDB Reisezentrumに出向く必要があるのではないかと思います。
https://www.bahn.de/service/informationen-buchung/umtausch-stornierung
また、Deutsche Bahnの管轄でない区間のみのチケットをお持ちの場合(例えば、各都市の公共交通システムのチケットやドイツ国外区間のみのチケットなど)は、そのチケットを販売している企業に問い合わせるようにしてください。
今回ご紹介する記事は、Deutsche Bahnが関与しているチケットを持っている場合のみ当てはまるものとなりますので、ご了承ください。
列車が運休した場合
以下では、ある特定の列車のみ乗車可能なチケットを持っていて、その列車が運休となった場合の対処法をご紹介します。
対処法としては、以下の2種類があります。
①別の列車で移動する
②移動自体をキャンセルし返金してもらう
別の列車で移動する
まず、運休が決定した時点で、Deutsche Bahnからメールが来るはずです。
そして、そのメールには、恐らく以下のような内容が書いてあるはずです。
Die Zugbindung für Ihre gebuchte Verbindung ist aufgehoben. Dadurch können Sie mit Ihrem Ticket auch andere Fernverkehrszüge der Deutschen Bahn (z.B. ICE/IC/EC) sowie Nahverkehrszüge und S-Bahnen nutzen.
reisebegleitung@deutschebahn.comというメールアドレスでDeutsche Bahnから筆者に送られてきたメールより
つまり、「あなたが乗車予定の列車はキャンセルとなります。したがって、このチケットを使い、他のお好きなICEやIC等を利用して該当区間を移動することが可能です」ということを言っています。
また、アプリ「DB Navigator」上でチケットの旅程(Itinerary)を確認すると、写真のように「Use any train」などと書いてあるはずです。
したがって、(少なくとも同じ日であれば、)手続きなし追加料金なしで、別の時間の列車を利用して目的地まで移動することが可能です!
また、元々ECのチケットを持っていた場合、より高速なICやICEに追加料金なしで乗車することもできます。
列車内で車掌にチケットの提示を求められたら、元々の列車のチケットを提示すれば問題ないよ!
さらに、出発地と目的地さえ同じであれば、ルートが同じでなくても問題ありません!
(まったく合理的でないルートの場合は、わかりませんが…)
例えば、デュッセルドルフからハンブルクに直接行く列車に乗る予定だったのを、デュッセルドルフから本来通らない予定だったハノーファーで乗り換えてハンブルクに行っても問題ありません。
移動自体をキャンセルし返金してもらう
他の列車に振り替えても自らの予定に支障がない場合、それが最善の方法でしょう。
しかし、列車移動の前後の時間に余裕がなく、列車移動自体をキャンセルせざるを得ないケースもあるでしょう。
例えば、列車を諦めて車で移動することに変更したり、そもそもその場に留まり移動しないといったケースです。
列車運休が確定した一方で、偶然自らの予定もキャンセルになったり、体調不良等で移動をキャンセルせざるを得ないという場合もあるかと思います。
その場合は、チケットの代金を返金してもらうことができます!
もちろん、列車が運休しない場合の乗客側の都合による返金は不可能だよ!(返金可のチケットを除く)
以下に、スマートフォン用アプリ「DB Navigator」を使った返金手続きの方法を記載しますので、参考にしてください。
※アプリ「DB Navigator」を使用して返金手続きをする場合、事前に行うことはできないようです。
元々の列車が運休となった場合、旅程の上部に「Use any train」などの注記があるはずです。
下部にある、赤いボタン「Submit request now」をタップします。
自動で入力されている場合は、内容を確認後、下部にある赤いボタン「OK, continue」をタップします。
まとめ
- 元々予約していた列車が運休となった場合、別の列車で移動する方法と、移動自体をキャンセルし返金してもらう方法の2通りがある
- 運休により別の列車で移動する場合、出発地と目的地さえ同じであれば、ルート(経由地)が異なっても問題ない
- アプリ「DB Navigator」上、もしくはDeutsche Bahnの公式サイトからチケットを購入した場合、「DB Navigator」上で返金手続きを完了させることができる
もちろん、「DB Navigator」上で確認できるチケットであっても、DB Reisezentrumで返金手続きをすることが可能です。
しかし、DB Reisezentrumは中央駅など限られた場所にしかないうえ、混雑していることが多く、30分待たされることもあります。
そのため、可能であれば、アプリ上で返金手続きを済ませるのが良いでしょう。
筆者が返金手続きをした際は、申請の2日後に返金の振り込みが完了し、とてもスムーズでした!
コメント