ドイツは鉄道大国であり、日本以上にあらゆる場所に鉄道1つで辿り着くことができます。
ドイツで暮らしている方はもちろんのこと、観光等の目的でドイツに一時滞在している方も鉄道を利用する機会が多いのではないでしょうか。
確かにドイツの鉄道ネットワークは素晴らしいのですが、頻繁に遅延するという問題があります。
日本から引っ越してきた場合にカルチャーショックを受ける程、頻繁かつ大幅に遅延します!
今回は、ドイツにおいて、予約した列車が大幅に遅延した場合に補償(払い戻し)を受ける方法をご紹介します。
・ドイツで、予約した列車が大幅遅延してしまった方
・ドイツで暮らし始めた方、もしくは近々ドイツへ引っ越す予定のある方
前提条件
本題に入る前に、今回の記事の前提条件を記述しておきます。
というのも、列車のチケットの購入方法が複数あるからです。
今回の記事では、ドイツ国鉄であるDeutsche Bahn(略称DB)のスマートフォン用アプリ「DB Navigator」、もしくはDeutsche bahnの公式サイトでチケットを購入した場合を想定しています。
この「DB Navigator」というアプリは、ドイツで暮らす多くの方が利用しており、ドイツ国内に住所を持たない旅行者などでも使用可能です。
もし、アプリ「DB Navigator」上ではなく、紙媒体でのみチケットをお持ちの場合は、各都市の中央駅などにある「DB Reisezentrum」という日本のみどりの窓口に相当する場所で相談してください!
以下のDeutsche Bahnのページから、チャットで相談することも可能なようですが、最終的には恐らくDB Reisezentrumに出向く必要があるのではないかと思います。
https://www.bahn.de/service/informationen-buchung/umtausch-stornierung
もちろん、「DB Navigator」上で確認できるチケットであっても、DB Reisezentrumで手続きをすることが可能です。
しかし、DB Reisezentrumは中央駅など限られた場所にしかないうえ、混雑していることが多く、30分待たされることもあります。
そのため、可能であれば、アプリ上で手続きを済ませるのが良いでしょう。
また、Deutsche Bahnの管轄でない区間のみのチケットをお持ちの場合(例えば、各都市の公共交通システムのチケットやドイツ国外区間のみのチケットなど)は、そのチケットを販売している企業に問い合わせるようにしてください。
今回ご紹介する記事は、Deutsche Bahnが関与しているチケットを持っている場合のみ当てはまるものとなりますので、ご了承ください。
列車が遅延した場合の補償(払い戻し)とは?
Deutsche Bahnでは、列車が遅延した場合、補償として、チケット購入代金の一部を払い戻してもらうことができます。
払い戻し金額については、目的地到着時の遅延時間によって以下の3パターンに分類することができます。
①列車の目的地到着の遅延時間が60分未満の場合
→払い戻し無し
②列車の目的地到着の遅延時間が60分以上120分未満だった場合
→チケット購入代金の25%を払い戻し
③列車の目的地到着の遅延時間が120分以上だった場合
→チケット購入代金の50%を払い戻し
つまり、列車の目的地到着が59分遅れた場合は、払い戻しの対象にはならないよ…。
ちなみに、この払い戻しですが、乗客自ら申請しなければ受け取ることができません!
自動で口座に返金されるわけではないのでご注意ください。
予約した列車が大幅に遅延した場合の払い戻し申請方法
以下では、ある特定の列車のみ乗車可能なチケットを持っていて、その列車が大幅に遅延した場合に払い戻しを受ける方法をご紹介します。
以下に、スマートフォン用アプリ「DB Navigator」を使った払い戻し申請の方法を記載しますので、参考にしてください。
※アプリ「DB Navigator」を使用して補償受け取り手続きをする場合、事前に行うことはできないようです。
下部にある、赤いボタン「Submit request now」をタップします。
※遅延が60分未満の場合、金銭的な補償はありません。
※初期値として予定到着時刻が入力されていたので、自分で実際の到着時刻に変更する必要があるようです。
※列車の遅延により一部でも他の交通機関を利用したのであれば、「No」を選択します。
※他のコストとは、遅延が原因で、やむを得ずホテルに宿泊したりタクシーを利用したりした場合などです。
ちなみに、筆者が払い戻し申請をアプリでした際は、申請の翌日には返金の振り込みが完了し、手続きが非常にスムーズでした!
そもそも出発時点で列車が遅延している場合は?
定刻で出発したのに目的地への到着が遅れたという場合もありますが、そもそも出発の時点で遅延しているというケースもあります。
乗車予定の列車が乗車駅始発ではなく他の駅始発の場合、その可能性が高くなります。
もし、チケットを持っている列車が自分の乗車する駅を20分以上遅れて出発することが分かっている場合、スマートフォン用アプリ「DB Navigator」上でチケットの旅程(Itinerary)を確認すると、写真のように「Use any train」などと書いてあるはずです。
この「Use any train」が表示されている場合、(少なくとも同じ日であれば、)手続きなし追加料金なしで、別の列車を利用して目的地まで移動することが可能です!
元々ECのチケットを持っていたとしても、より高速なICやICEに追加料金なしで乗車することもできます。
列車内で車掌にチケットの提示を求められたら、元々の列車のチケットを提示すれば問題ないよ!
さらに、出発地と目的地さえ同じであれば、ルートが同じでなくても問題ありません!
(まったく合理的でないルートの場合は、わかりませんが…)
例えば、チケットを買った列車のルートが、ニュルンベルク経由でミュンヘンからデュッセルドルフに行くものであったとしても、シュツットガルト経由等でデュッセルドルフを目指すことが可能です。
チケットを買った列車の出発が20分以上遅れそうなら、アプリで「Use any train」と書かれていることを確認したうえで、別の列車もしくは別のルートで目的地に行くことも検討してね!
まとめ
- Deutsche Bahnでは、60分以上120分未満の遅延の場合、チケット購入代金の25%の払い戻しを、120分以上の遅延の場合50%の払い戻し(補償)を行う
- この払い戻しは、乗客自ら申請しなければ行われないので注意!
- アプリ「DB Navigator」上、もしくはDeutsche Bahnの公式サイトからチケットを購入した場合、「DB Navigator」上で補償受け取り手続きを完了させることができる
- 列車が出発の時点で20分以上遅れている場合は、別の列車で移動しても良く、出発地と目的地さえ同じであればルート(経由地)が異なっても問題ない
ドイツの列車は、定刻通り到着したら逆に驚いてしまうほど、遅延の頻度が高いです。
そのため、払い戻し手続きがアプリ上でできるということを知っていると、いざという時に非常に便利です!
また、途中で乗り換えが必要な場合は、乗り換え時間を長めにとるようにすると、前の列車が多少遅延した場合でも安心です。
ドイツにおいて10分以内の乗り換えは、運試しをするようなものです(笑)
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