日本とドイツは、文化や生活習慣が大きく異なる国ですが、両国を行き来する中で気づくのは、日常の風景における「見慣れたもの」の違いです。
日本では当たり前に見かけるものが、ドイツではほとんど見かけない、という現象は少なくありません。
この記事では、筆者が日本とドイツの両国で暮らして気づいた、「日本でよく見かけるのに、ドイツではほとんど見かけないもの」をいくつか取り上げてみたいと思います。
なお、コンビニ、エアコン、自動販売機のような旅行者でもすぐに気が付くようなものは、今回は取り上げませんでした。
・ドイツでの生活に興味のある方
・ドイツに関する雑学に興味のある方
スズメ
日本の街中や公園でよく見かけるのが、スズメです。
小さくて愛らしい姿が身近で、人々に親しまれています。
しかし、ドイツでは、都市部でスズメを見かけることはほとんどありません。
日本では、東京などの大都市でも見かける非常に身近な鳥ですが、ドイツをはじめとするヨーロッパでは、都市部にほとんど生息していないようです。
ただし、ドイツでも農村部では、スズメを見かけることがあるようです。
私のヨーロッパ出身の友人が日本へ旅行した際に、都内でスズメの写真を撮っていたので、やはりこの可愛らしい鳥は、ヨーロッパでは珍しいのでしょう。
代わりにドイツの市街地では、ハトやカラス(日本より小さい)などが多く見かけられます。

特に、ハトはドイツの市街地でも大量にいて、日本以上にそこら中で見かけるよ!



たまに、地下鉄の駅のプラットフォームでも見かけるよね(笑)


止まれの標識やそれに類似するもの
日本では、交通の要所で頻繁に目にする「止まれ」の標識。
赤い逆三角形のこの標識は、日本国内の至る所に設置されています。
その一方で、ドイツではこの「止まれ」やそれに類似する標識をほとんど見かけません。
ドイツの道路標識にも、一時停止を意味する「Stop」のサインが英語で書かれたものがあります。
しかし、その設置数は日本に比べて圧倒的に少なく、普段見かけることはあまりありません。
ドイツでは交通ルールにおける「優先権」の概念が強く、T字路や交差点などで一時停止せずにそのまま進める場合が多くあります。
日本とは異なる交通文化が、標識の違いにも反映されています。



ちなみに、ドイツでは踏切を車で通過する際も、基本一時停止が不要だよ!


プラットフォームの安全ゲート
日本では、特に都市部の鉄道駅で見かけるプラットフォームの安全ゲート(ホームドア)。
電車が駅に到着すると自動的に開閉し、乗客が安全に乗り降りできる仕組みが採用されています。
しかし、ドイツにおいてこのような安全ゲートを設置している駅を、筆者はいまだに見かけたことがありません。
主要な都市や大規模な駅でさえ、ホームと線路の間にドアがない場合がほとんどで、高速列車や地下鉄のプラットフォームでもホームドアは見かけません。
日本の鉄道がいかに安全面に重きを置いているかが、この違いからもよく分かります。



ドアや壁を挟まずに、時速200kmぐらいで高速列車が駅を通過するのを見るのは、ちょっと怖いわ。


無糖のアイスコーヒー
暑い夏に飲みたくなるものといえば、無糖のアイスコーヒー。
日本ではコンビニやカフェで手軽に手に入れることができ、無糖であっさりとした味わいが好まれています。
無糖のアイスコーヒーは、あとでガムシロップやミルクを自分で追加し、自分好みの甘さに調節できる点でも優れています。
しかし、ドイツではアイスコーヒーという概念自体があまり浸透していません。
カフェなどに「アイスカフェ(Eiskaffee)」という商品がたまにあるのですが、それはバニラアイスクリームが添えられた甘い飲み物です。
つまり、アイスカフェの「アイス」は、冷たいという意味ではなく、アイスクリームという意味で用いられています。
最近、ドイツでも、スーパーマーケットなどでアイスコーヒーらしきものがプラスチック容器に入って売られています。
しかし、それにはしっかり砂糖が入っており、無糖のものはいまだに見かけたことがありません。



その砂糖入りのコーヒー飲料も美味しいけどね!


紫色のもの
日本では、日常生活の中で様々な紫色のものを見かけることができます。
例えば、洋服、雑貨、看板など、多くの場面で紫色が使われています。
しかし、ドイツでは紫色のものを目にする機会が圧倒的に少ないと感じます。
これは文化的な違いが大きく影響しており、ドイツでは紫色が特定の宗教的な意味合いや儀式に結びつけられることが多いからであろうと、ドイツ人の友人が話していました。
そのためか、ファッションやデザインの中でも紫色のものはほとんどなく、代わりにブルーやグリーンなどの色が多用されています。



日本でも、紫色は「高貴」や「尊厳」を象徴する色とされているけど、宗教的な意味合いはあまりないよ!


カラフルな傘
カラフルな傘は、日本では日常的に見られるアイテムで、赤や青、ピンクなど多彩な色が特徴です。
ビニール傘も気軽に購入でき、雨の日には街全体が色鮮やかに感じられることが多いです。
特に、コンビニや100円ショップでは手頃な価格で買えるため、使い捨て感覚で使う人も少なくありません。
一方、ドイツではビニール傘自体が少なく、傘の色も黒や灰色といった落ち着いたものが中心です。
頑丈で長く使える傘が好まれるため、日本のように色鮮やかな傘はあまり見られません。



ドイツでは、大きなサイズの折りたたみ傘もなかなか見かけないわ。



そもそも、ドイツには、小雨程度では傘を使わない人が多いよ!


スーパーマーケットの惣菜コーナー
日本のスーパーマーケットの惣菜コーナーは、揚げ物や煮物、寿司などバラエティ豊かで、忙しい日でも簡単にバランスの取れた食事が手に入る便利な存在です。
価格の面でも手軽に購入できるため、多くの家庭で日常的に利用されています。
一方、ドイツのスーパーマーケットでは、冷凍食品や冷蔵のお惣菜(少し)はありますが、日本のような豊富な種類の惣菜は見かけることがありません。
例えば、ミュンヘンのDallmayrという老舗高級食料品店では、お惣菜も多く扱っていますが、スーパーマーケットではありません。
そのため、ドイツに住む日本人にとって、日本の惣菜コーナーの便利さが懐かしく感じられることも多いでしょう。



だから、仕事や旅行などの都合で、料理する時間や気力がない時には、ちょっと困るわ…。


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