皆さんは、旅行をする時に家族や友人などにお土産を買いますか?
日本には、地域ごとに様々な名産品やお土産がありますよね。
その土地で盛んに生産されている野菜や果物を使ったお菓子、そして郷土料理を自宅で手軽に再現できるキットなど、お土産を選ぶ側もワクワクしてしまいます。
しかし、ドイツのお土産事情は、日本とはちょっと異なるようです。
- ドイツのお土産事情について興味のある方
- ドイツに住んでいる方
ドイツには、お土産を渡す習慣がない!?
そもそも、ドイツでは、日本と違って旅行先でお土産を買うという習慣があまりないようです。
例えば、デュッセルドルフ在住のドイツ人がベルリンへ旅行したとしても、ベルリンのお土産をデュッセルドルフ在住の友人に買って渡すことは稀です。
今度、ベルリンへ旅行するから、ドイツ人の友達A君にもお土産を買わなきゃいけないんだけど、何を買ったらいいかな?
A君の好みはよくわからないし…
値段も安すぎても高すぎてもダメだし…
そもそも次いつ会えるかわからないから、賞味期限の短いものもダメだし…
A君に借りがあるとかでなければ、無理して買う必要はないよ!
えっ!?旅行先で友達とかにお土産を買わなくていいの?
気遣いができない人だとか冷たい人だとかって思われないかな…
ドイツではそれが普通だから、大丈夫!
本当に??
うん!むしろ、お互い気楽でいいじゃない!
ドイツ国内でも、日本人同士ではお土産を渡したりすることが度々あります。
しかし、ドイツ人同士でそのようなことは稀なようで、筆者のドイツ出身の友人数人も、そのように話していました。
実際、振り返ってみても、知り合いのドイツ人からドイツ国内で旅行したからとお土産をもらったことは、記憶にある限りありません。
「いつもお世話になっている隣人のBさんに、今回の旅行でお土産を買わなきゃ…」
「私が旅行することを知っている友人のCさんに、お土産を買っていかないと…」
…と思うことは、日本で日本人として生活しているとよくありますよね。
そして、その時には、相手の好みや値段、次回会えるタイミングなど、考えなければならないポイントが色々あります。
お土産を渡して喜んでくれる顔を想像すると、お土産選びも楽しく感じることがあります。
しかし、付き合いやバランスを取るためにお土産を渡す必要がある場合、面倒くさいと感じることも多いでしょう。
そういう悩みがドイツでは基本ないので、その点、旅行の時は少し気楽です!
何でドイツではお土産を渡す文化が発達していないの?
では、なぜドイツにはお土産を渡す文化があまりないのでしょうか。
その答えは、ドイツに数年以上住んでいる筆者にも、まだはっきりわかりません…
ただ、1つわかっていることがあります。
それは…
ドイツ国内には、お土産にできるご当地の名産品が日本ほどないということです!
ドイツのご当地名産品
もちろん、まったくないわけではありません。
例えば、ドイツ西部のモーゼル川沿いにはワイン用のブドウ畑広がっており、白ワインが有名なため、白ワインを販売するお店が多くあります。
また、ミュンヘンでは、Dallmayr(ダルマイヤー)という有名ブランドのコーヒーや紅茶、お菓子、お惣菜(白ソーセージ)などが売られていて、地元の人にも観光客にも人気があります。
(Dallmayrホームページ:リンク)
そして、ドレスデンには、Kreutzkammという有名なお菓子屋があり、そこのバウムクーヘンは特に人気があります。
(Kreutzkammホームページ:リンク)
あとは、ドイツと言えばのビールは、地域ごとに醸造所があり、ドイツ全国で有名なものを除いて地域ごとに異なった地ビールが販売されています。
その土地に行かなくても入手可能な名産品が多い!
確かに、ドイツにも名産品はあるんだけど…
日本と違ってその土地に行かないと買えないものはあまりないよ!
例えば、有名な地ビールやモーゼル川沿いで生産された白ワイン、Dallmayrのコーヒー豆などは、ドイツ国内であれば、他の地域の大手スーパーマーケットでも普通に販売されています。
(もちろん、買える商品の種類は限定されてしまいますが…。)
そして、Dallmayrは、オンラインショップもあるので、ドイツ全国からネット注文可能です。
(Dallmayrオンラインショップ:リンク)
また、バウムクーヘンで有名なドレスデンのKreutzkammもミュンヘンに出店していますし、バウムクーヘン自体、他の都市でも質の良いものを購入することが可能です。
例えば、デュッセルドルフにもHeinemannというお菓子屋があり、そこのバウムクーヘンもデュッセルドルフでは大変有名です。
(Heinemannホームページ:リンク)
ご当地銘菓や地域限定味の少ないドイツ
ご当地銘菓の少ないドイツ
そもそも、ご当地銘菓自体ドイツにはあまりなく、あったとしても日本ほど特色のあるものではありません。
例えば、日本には、宮城の萩の月、東京の東京ばな奈、三重の赤福、大分のざびえる、沖縄のちんすこうなど、お菓子一つをとっても様々なご当地銘菓があります。
京都では、あちらこちらで抹茶味やほうじ茶味のお菓子が販売されています。
それぞれの地域や都道府県の銘菓をあげることができる人も、旅行好きの人を中心にそこそこいるのではないでしょうか。
それに対して、ドイツのご当地銘菓は、だいたいバウムクーヘンかチョコレートかジャムのようなものです。
その土地に行かなくても、それにかなり近い味の物はたいてい購入できてしまいます。
でも、さっき、特定の地域で有名なワインとか地ビールとかソーセージがあるって言っていたよね?
確かにあるよ!
でも、お酒は相手をかなり選ぶよね。
そして、肉はだいたい冷蔵品だから、持ち帰ったり渡したりするのが大変で、日持ちもしないことが多いからあまりお土産に向かないんだ…
あとは…
ミュンヘンでは、アイスクリーム屋で名産品のWeißwurst(白ソーセージ)味のアイスクリームを売っているよ!
あっ、でも…溶けちゃうからお土産にはできないね(笑)
このように、「この地域を訪れたらこれを買わなければ」というものが、ドイツにはそこまでありません。
ドイツには地域限定味がない!?
それに加えて、日本でよくある定番商品の地域限定の味というのも、ドイツではありません。
例えば、日本だと、様々なポッキーの地域限定の味があります。
(https://cp.pocky.jp/jimoto-pocky/product/)
北海道では夕張メロン味が、
長野では信州巨峰味が、
愛媛では瀬戸内伊予柑味が
販売されています。
また、ハイチュウの地域限定味も有名です。
(https://www.morinaga.co.jp/hi-chew/souvenir/)
東北地方の東北りんご味、
中国四国地方の瀬戸内レモン味、
九州地方のあまおう苺味、
沖縄県のパイナップル味
などが販売されています。
さらに、山梨県と静岡県では、富士山型の箱に入った「富士山ハイチュウ」というものも販売されています。
味もその地域で有名な果物の果汁を使用した山梨もも味と静岡クラウンメロン味となっています。
その他にも、キットカット、プリッツ、ばかうけ、きのこの山、じゃがりこなども様々な地域限定の味が各地方で販売されています。
しかし、ドイツにはそのような地域限定味はありません!
筆者は、現在デュッセルドルフに住んでいますが、ドイツで有名なお菓子(例えばHariboやMilkaなど)のデュッセルドルフ限定の味はありません。
それは、他の都市や観光地でも同じです。
ケルン限定のキットカットやフランクフルト限定のHariboなども、筆者の知る限りありません。
なぜ、ドイツには地域限定味がないの?
何で、ドイツには地域限定味のお菓子とかがないの?
そもそも、ドイツでは、「この地域と言えばこの果物もしくは野菜」というものがあまりないような気がするな。
日本では、りんごは青森や長野、みかんは愛媛や静岡や和歌山、パイナップルや紫芋は沖縄、ネギは群馬や埼玉など、地域ごとに盛んに生産されている野菜や果物があります。
しかし、ドイツにはそのようなものがあまりありません。。。
じゃあ、何で、ドイツには各地域で有名な野菜や果物がないの?
色々な理由があるだろうけど、恐らく、日本とドイツの地理や気候の差が大きく影響していると思うよ!
日本は、南北に細長い島国であり、中央に高い山々が聳えています。
一方で、ドイツは、面積こそ日本と同程度であるものの、領土が綺麗にまとまっており細長くありません。
それ故に、ドイツでは、地域による気候の差が日本ほどありません。
もちろん、量には差がありますが、ドイツ国内どこでも雪が降り得ますし、日本ほどの豪雪地帯もありません。
また、気温の差も日本ほど大きくなく、日本と比較すると、ドイツの気温はどこも似たり寄ったりです。
そのため、地域によって生産に適した野菜や果物が変わるということは、ドイツ国内ではあまりありません。
しいて言えば、やはり酪農は山間部で盛んなので、チーズは南ドイツの名産品ということができると思います。
しかし、だからと言って、南ドイツのアルプス周辺で、チーズ味のお菓子が多く売られているというわけではありません。
南ドイツに行けば、チーズ味のHariboが買えたり、チーズタルトのお店がたくさんあったりというわけでは、残念ながらありません。。。
お土産屋とアンテナショップが少ないドイツ
ドイツには、お土産屋が少ない!?
そもそも、ドイツでは、日本のように各観光地に大量のお土産屋がありません。
特にベルリンやミュンヘンのような大都市であれば、他のお店の方が圧倒的に多いため、お土産屋を見つけるのに苦労することもあるでしょう。
それに加えて、ドイツの一般的なお土産屋は、食品よりも置物や工芸品を中心とした品揃えであることが多いです。
それも、各地域のご当地銘菓やご当地の味のようなものがあまりないからなのでしょう。
なので、日本のように、とりあえずお土産屋に入って無難な消え物であるその土地の食品を買うという方法は、ドイツではなかなかできません。
ドイツには、アンテナショップや物産展がない
さらには、日本と違い、アンテナショップや物産展というものもドイツでは基本ありません。
えっ、ドイツには、例えばベルリンの名産品を集めて販売しているお店って、フランクフルトとかミュンヘンとかにないの?
恐らくないと思うよ!見たことも聞いたこともないもん!
そもそも、デュッセルドルフのあるノルトライン=ヴェストファーレン州の名産品って何なのでしょうか。
デュッセルドルフにあるHeinemannのバウムクーヘン、アーヘンのプリンテンという焼き菓子、そして地ビールぐらいしか浮かびません。
別に、ノルトライン=ヴェストファーレン州が、小麦や砂糖の一大生産地というわけではまったくありませんし、ノルトライン=ヴェストファーレン州にしか地ビールがないというわけでもありません。
そして、日本であれば、デパートで北海道展や東北フェアのようなものを度々開催しています。
しかし、ドイツでそのような物産展を見たり聞いたりしたことはありません…
もし、ドイツにもそのようなものがあるのだとしたら、ぜひ行ってみたいものです(笑)
まとめ
- ドイツでは、お土産を渡す習慣があまりない
- ドイツ国内を旅行した場合、ドイツ人へのお土産は基本不要
- ドイツでは、ご当地銘菓や地域限定味が少ない
- お土産屋が日本より少なく、アンテナショップや物産展がない
ここまで説明してきた通り、ドイツには、日本のようなお土産を渡す習慣がありません。
また、ドイツ国内に住んでいる人がドイツの別の街に旅行してお土産にできるようなものは、日本ほど多くありません。
もちろん、他国からドイツに旅行に来たのであれば、ドイツ産である限り産地に関係なく基本何でもお土産になり得ます。
そして、「ドイツ」で有名な食品や物であれば、たくさんあります!
したがって、「ドイツは、お土産にできるぐらい価値のあるものがないつまらない国だ」という意見は正しくないと思います。
しかし、ドイツ国内において地域差が少ないというのは、実際、多くの日本人が感じることです。
それは、どちらかというと、ドイツが異常なのではなくて、日本が異常なのだと思います。
日本では、食文化がドイツ以上に発達していますし、家庭料理でさえも、味だけでなく見た目にもこだわって作られることがよくあります。
そして、日本ほど気候が様々で、地域によって特産品や銘菓が分かれている国というのも、なかなかないと思います。
それが、日本で数多くの銘菓や特産品が誕生した理由の一つなのでしょう。
筆者のような海外在住者が日本に一時帰国した際、そして日本在住の方であっても日本国内で旅行をした際には、地域ごとに変わるお土産を、目や舌でぜひ楽しみたいものですね!
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