ドイツでの暮らしは楽しいものの、和食や日本の食文化が恋しくなることもあります。
その中でも特に感じるのが「薄切り肉が手に入らない」という問題です。
日本ではスーパーに行けば当たり前のように売られている豚肉や牛肉の薄切り肉ですが、ドイツの一般的なスーパーマーケットで見かけることはありません。
そこで筆者は、最近電動スライサーを購入し、自分で肉を薄切りにすることにしました。
今回は、その背景や購入したスライサーについて詳しくご紹介します!
- ドイツで、肉を薄切りにするための電動スライサーの購入を検討中の方
- 近々ドイツへ引っ越す予定の方、またはドイツへの引っ越しを検討中の方
- ドイツでの自炊事情に興味のある方
電動スライサーを購入した背景 ~ドイツにおける薄切り肉の購入難易度~
ドイツのスーパーマーケットで売られている豚肉や牛肉は、ステーキ用の分厚いものか挽き肉が主流です。
すぐに火が通るステーキという意味で、「Minutensteaks」という名前で売られている肉がドイツにはあります。
これは普通のスーパーマーケットでも良く見かけるのですが、和食を作るにはまだ厚すぎます。
また、ドイツには、「Rinderrouladen」という野菜の牛肉巻きのような料理があります。
これに使用する肉はさらに薄いのですが、これも日本人の間隔からすると厚切りです。
ペラペラな薄切り肉とは程遠く、強い食感が和食の味を邪魔してしまいます。
つまり、ドイツでは、日本のようにしゃぶしゃぶ用やすき焼き用の薄切り肉がパックで売られていることは、ほとんどありません。
これは、ドイツの食文化において薄切り肉を使う料理が少ないことが理由の一つです。
薄切り肉をドイツの街中で手に入れる方法としては、以下の選択肢があります。
- 1. 日本食料品店で購入する
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ミュンヘンやデュッセルドルフのような大都市には日本食料品店があり、そこで冷凍もしくは冷蔵の薄切り肉が販売されています。
ただし、価格は高く、日本人がドイツで最も多いとされる都市デュッセルドルフでも、普通の豚肉薄切り100gで1.3ユーロ以上してしまいます。
ミュンヘンでは、豚バラ肉の薄切りが100gあたり3ユーロ近くもします!
また、品揃えが非常に限られており、自分の好みの部位や厚さのものが手に入りにくいのが難点です。 - 2. 精肉店で特別注文する
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一部の精肉店(Metzgerei)では、薄切りにしてもらえる場合があります。
しかし、そのような店が家の近くにあるとは限りません。
また、ドイツの肉屋のスライサーは主にハムやソーセージ用であるため、そのスライサーで生肉を薄切りにするようお願いすると、嫌がられたり断られたりすることがあります。
さらに、薄さを強調して入念に指示をしないと、日本人がイメージする薄さにならないことも多くあります。
場合によっては、事前注文するという手間や、チップをあげるという追加費用が掛かってしまうこともあります。
このように、日本のように気軽に薄切り肉を手に入れることは難しいため、筆者は自宅でスライスできる電動スライサーの購入を決意しました。

購入した電動スライサーの概要
今回私が購入したのは Graef社のTwin Sliced Kitchen G52 Metal Slicer というモデルです。
Graef はドイツの老舗メーカーで、家庭用から業務用まで幅広いスライサーを販売しています。

- メーカー:Graef(ドイツのキッチン家電メーカー)
- 購入価格:Amazonで99.99ユーロ(約16,000円)で購入
- 本体サイズ:240 x 230 x 325 mm
- 仕様:
- ステンレス製の刃(標準刃と波型の刃の2種類付属)
- 切断の厚さの調整機能(0mm~20mm)
- 本体は比較的コンパクトであり、容易に分解して洗浄可
本体を箱から出してみました。


スライサーが届いたときの第一印象は、「意外と軽くてコンパクトであるのにもかかわらずしっかりとした作りである」ということでした。
本体のほかに付属している2種類の刃は、用途に応じて交換できるようになっています。
実際に使ってみて
早速このスライサーを使って、豚の塊肉を薄切りにしてみました。
今回は、大手スーパーマーケットのNettoで購入した肩ロース肉2.8kgの塊を薄くスライスしました。
塊肉を完全に凍らせ、その後常温で半冷凍状態にしました。
電動スライサーを使用して肉を薄くスライスするには、この半冷凍状態にするのがポイントです。
まったく凍っていない状態もしくは完全に解凍された状態では、柔らかすぎて上手く薄く切ることができません。
また、完全に凍った状態では、硬すぎて電動スライサーが壊れてしまう可能性が高いです。
そのため、冷凍庫から出して数時間経ち表面が少し溶けたくらいのタイミングでスライスすると綺麗に仕上がります。

ちなみに、この2.8kgの塊肉をスライスした時は、塊が大きく室温が17度前後だったこともあって、室温で4時間放置したよ!


半冷凍状態になったら、肉を袋から出し、電動スライサーの台にセットします。
電源をオンにし、肉の塊を回転する刃の方向に押し付けると、スライスが始まります。


約1.3mmの厚さになるようスライサーを調節してスライスしたところ、日本で見るような薄切り肉を見事に再現することができました!!


使用した感想としては、
ちなみに、この薄切りマシーンを購入して最初に作った料理は、人参とジャガイモの肉巻きでした!


最後に
ドイツで生活する中で、日本のように気軽に薄切り肉を買うのは難しいですが、電動スライサーを購入することでその問題を解決することが可能です。
Graef社のTwin Sliced Kitchen G52は、様々あるスライサーの中でも中ぐらいの値段であり質も良いため、薄切り肉を自宅で作りたい人にはおすすめのアイテムです。
これからも、この電動スライサーを活用して、生姜焼きや肉巻き、しゃぶしゃぶなどを楽しみたいと思います。
ドイツで薄切り肉に困っている方は、ぜひ電動スライサーの導入を検討してみてください!
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