ドイツに住んでいると、日本との文化の違いを多く感じることがあります。
特に、ドイツ人の性格や行動様式には日本人とは異なった特徴があり、それが日常のコミュニケーションや人間関係に大きな影響を与えます。
この記事では、筆者がドイツで暮らしていて感じるドイツ人の性格を代表する3つの特徴について詳しく解説します。
・今後ドイツに長期滞在予定の方、またはドイツへの移住を計画中の方
・ドイツ人の性格や特徴に興味のある方
プライベート重視
ドイツ人が強く重んじるのは、プライベートと家族や友人との時間です。
日本では、仕事の後に同僚や上司と飲みに行くことや顧客の接待が度々あったりと、仕事上の付き合いが優先される場面が多くあります。
ご存知の通り、その習慣は現在進行形で変化しており、特に2020年の新型コロナの蔓延を受けて、仕事関連の飲みが減った方も多いのではないかと思います。
しかし、ドイツでは、「プライベート」や「ワークライフバランス」が、現在の日本の何倍も大切にされていると感じることが多いです。
仕事と私生活の境界を明確に保つことが一般的であり、特に仕事後の時間や休日は、家族や友人と過ごしたり、自分自身のために過ごす時間として充てられます。

ドイツ人も、同僚と食べに行ったり飲みに行ったりすることは確かにあるけど、日本よりずっと頻度が少ないよ!
多くのドイツ人は、週末には家族で過ごすことや、趣味に没頭することを非常に大事にしています。
スーパーマーケットを含むお店が日曜日にほとんど閉まっているのも、こうした文化の一環です。
これは「プライベート時間の尊重」という価値観が社会全体に浸透している証拠です。



趣味がない独身の人にとっては、買い物もできないドイツの日曜日は退屈に感じてしまうかもね。
日本では「おもてなし」文化や「仕事第一」の姿勢が強く、他者との調和を優先する傾向があります。
しかし、ドイツでは自分自身や家族を優先し、その時間を守ることが当然のように捉えられています。
ドイツの職場でも、仕事が終わるときちんと帰宅することが一般的です。
残業をすることは特別な場合を除いて好まれませんし、残業をしても評価されるとは限りません。
むしろ、時間内に効率よく仕事をこなし、定時に帰ることがプロフェッショナルだと考えられています。



ドイツでは、そもそも残業という行為が多くの企業で一般的ではなく、残業をしてもお金ではなく代休で相殺されることが多いよ!


直接的なコミュニケーション
ドイツ人との会話で驚くのは、その率直さです。
ドイツでは、意見や感情をはっきりと伝えることが重視されます。
日本では「察する」文化が根付いており、相手の言わんとしていることを理解し、言葉に出さなくても気持ちを汲み取ることが美徳とされています。
その一方で、ドイツでは、言わなければ分からないという前提でコミュニケーションが行われます。



確かに、ドイツ人は、断る時も曖昧な表現を使わずにはっきりと断ることが多いよね。
例えば、仕事の場面でも、上司や同僚が何かに不満を持ったり改善点を見つけた場合、それを直接的に指摘します。
日本では「空気を読む」ことが重要視され、対立や摩擦を避けるために曖昧な言い回しを使うことが多いですが、ドイツでは問題点を明確にし、それに対する解決策を議論するのが一般的です。
もちろん、相手のことをある程度気遣った表現で伝えることはドイツにおいても重要ですが、日本人がしがちな曖昧な表現は好まれません。



ドイツ人は、空気を読むという行為が一般的に苦手だよ(笑)
このような直接的なコミュニケーションスタイルは、時に冷たく感じられることもありますが、ドイツでは「誠実さ」や「信頼」の表れとされています。
回りくどい言い方をせず、物事を率直に表現することで、より建設的な議論ができると考えられているのです。
特にビジネスの場では、ドイツ人がその率直さを重要視し、対等な立場で話し合うことを重んじるため、コミュニケーションにおいて誤解が少なくなるメリットもあります。



Yes(Ja)かNo(Nein)かをはっきりと言うから、情報伝達の際に誤解が生じることは少なくなるね!



でも、意見や感情をはっきりと表現することで、相手に怒っていると誤解されてしまう可能性はあるね…。
合理主義
ドイツ人のもう一つの大きな特徴は「合理主義」です。
ドイツ人は、物事を効率的かつ論理的に考える傾向が強く、感情や直感ではなく、データや事実に基づいた意思決定を好みます。
この合理主義は、ドイツが誇る精密な工業製品や技術革新の基盤とも言えるでしょう。
例えば、問題が発生した際、感情的な対応よりも、まず事実を確認し、解決策を模索することが優先されます。
この点で、ドイツ人は非常に冷静で、計画的に物事を進める能力が高いです。
日本では、感情を大切にしながら人間関係を築くことが多いため、ドイツ人のこの合理的な側面が時に「冷たい」もしくは「機械的」と感じられることもあります。



正直、日本人の私からすると、もう少し同情してくれてもいいのにと思ってしまうことはあるわ。
また、日本人と比べると、確かにプライベートでも仕事でも遅刻等が目立つものの、ドイツでも「時間」を大切にしていると感じることがあります。
スケジュール通りに物事を進めることがドイツ社会でも重要視されており、これも合理的な考え方の一環です。
ドイツでは、何事も効率的に進めることが求められるため、無駄を省き、シンプルで効果的な方法を選ぶのがドイツ流と言えます。
まとめ
・ドイツでは、プライベートおよび家族や友人との時間を強く重んじ、仕事と私生活の境界を明確に保つことが一般的である
・ドイツでは、意見や感情をはっきりと伝える直接的なコミュニケーションが重視される
・ドイツでは、感情的な対応よりも、まずデータや事実を確認し、解決策を模索することが優先される
ドイツ人の「プライベート重視」、「直接的なコミュニケーション」、「合理主義」という特徴は、彼らの生活や仕事に深く根付いています。
日本とは異なる文化や価値観に戸惑うこともあるかもしれませんが、これらの特徴を理解し、適応することで、ドイツでの生活やビジネスの成功に繋がるでしょう。
ドイツ人の率直さや効率性は、日本人にとって新鮮であり、時に刺激的でもあります。
ドイツにおけるこれらの特徴は、彼らが築いてきた信頼の文化や、精密さを誇る産業といった側面にも表れていると言えるでしょう。
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