ドイツ南部のアルゴイ地方に位置する美しい町、オーバーストドルフ(Oberstdorf)は、ドイツアルプスを代表するハイキングエリアです。
中でもネーベルホルン(Nebelhorn)ハイキングは、「絶景」「アクセスの良さ」「多彩なルート」がそろった人気コースとして知られています。
ネーベルホルンは、ロープウェイ「Nebelhornbahn」を利用すれば標高2,224mの山頂まで比較的簡単に到達でき、初心者から上級者まで幅広くハイキングを楽しめるのが魅力です。
また、中腹に位置するGaisalpseen(ガイスアルプ湖)を通るハイキングルートは、アルプスらしい雄大な自然を満喫できる人気トレッキングコースとなっています。
本記事では、ネーベルホルンへのアクセス方法から、山頂付近の見どころ、さらには美しい高山湖を巡るハイキングルートまで、実体験をもとに詳しく紹介します。
・ネーベルホルンでのハイキングを計画中の方
・ミュンヘンからの自然豊かな日帰り旅行を検討している方
・ドイツの観光スポットおよびハイキングコースに興味のある方
ミュンヘンからオーバストドルフへのアクセス
ミュンヘンからオーバストドルフは、日帰り旅行にも最適な距離にあります。
ドイツ鉄道(DB)が運行する特急列車である、Regional Express(RE)を利用してアクセスするのが一般的な方法です。
München Hbf(ミュンヘン中央駅)からOberstdorf駅(オーバストドルフ駅)までは、2時間30分程度です。
場合によっては、Immenstadt駅(イメンシュタット駅)などで乗り換えが必要になり、その場合は所要時間が15分程伸びることが一般的です。
Deutschlandticketを持っている場合は、特急列車(REやRB)であれば追加料金なしで移動可能です。
※ただし、ICEやIC、ECは対象外なので注意が必要です。
また、ミュンヘンからの場合はバイエルン州内の移動となるため、Bayern-Ticketを利用するのも選択肢のひとつです。
複数人でBayern-Ticketをシェアすれば、より交通費を抑えられます。
今回ご紹介するNebelhornbahn(ネーベルホルンバーン)の麓駅は、Oberstdorf駅から1km離れたところに位置しているため、徒歩でのアクセスが可能です。
ネーベルホルンへのアクセス方法|Nebelhornbahnの料金・乗り方・見どころ
ネーベルホルンに登る最も一般的な方法は、ロープウェイ「Nebelhornbahn(ネーベルホルンバーン)」を利用するルートです。
登山装備がなくてもアルプスの高所までアクセスできるため、初心者でも楽しめるドイツの人気観光スポットとして知られています。
このロープウェイを利用すれば、標高2,224mのネーベルホルン山頂までほとんど歩かずに到達することが可能です。
2021年にリニューアルされたこの新しいロープウェイは、モダンなデザインと広々とした車内が特徴で、山の風景を360度楽しめる大きなガラス窓が魅力です。


乗車は3区間に分かれており、第一区間で「Seealpe(1,280m)」、第二区間で「Höfatsblick(1,932m)」、そして乗り換え後の最終区間で山頂(2,224m)に到着します。
移動中もアルプスの渓谷や牧草地が眼下に広がり、乗っているだけでも特別な体験となります。
特に晴れた日は、乗車中から見える白銀の山並みや深い谷のコントラストに心を奪われることでしょう。
チケットはオンラインでも購入可能で、混雑時期は事前購入しておくと安心です。
また、料金や運行時間は季節によって変動するため、訪問前には公式サイトで最新情報を確認するのがおすすめです。
ネーベルホルン山頂の絶景スポット|展望台・レストラン
ロープウェイでネーベルホルン山頂に到着すると、まず目に飛び込んでくるのは、アルプスの壮大なパノラマです。
晴天時には、なんと約400の山々を一望できると言われており、その美しさは息を呑むほど!
東にはオーストリアの山々、西にはスイスの名峰が連なり、地平線の彼方まで続く峰々の景色に心が洗われる感覚を覚えます。
それゆえに、オーバーストドルフ観光の中でも特に満足度が高いスポットとして評価されているのも納得です。


山頂には展望台が整備されており、説明パネルとともに周囲の山々の名前を確認できます。
レストラン「Gipfelrestaurant Nebelhorn」も併設されており、地元料理やデザートを楽しみながら、絶景をゆっくりと味わえます。

また、天候や装備によっては、山頂からのハイキングコースに挑戦することも可能。
高山植物の花咲く道を歩けば、標高2,000m超の高原ならではの自然の息吹を感じられます。

高所が苦手な人にも優しい造りになっており、気軽に訪れることができます。
また、山頂付近の地面は整備されていて歩きやすいため、本格的な登山経験がない方でも安全に散策できます。
ハイキングコース:Höfatsblick駅~Gaisalpseen~Oberstdorf駅
ハイキングコース概要|距離・難易度・所要時間まとめ
ここでは、ネーベルホルン周辺でも特に人気のハイキングコースについて、私の体験談をもとに魅力と状況をお伝えします。
標高1,932mに位置するネーベルホルンバーンの中間駅「Höfatsblick(ヘーファツブリック)」からスタートするこのハイキングルートは、2つの美しい高山湖「Oberer Gaisalpsee(上ガイスアルプ湖)」と「Unterer Gaisalpsee(下ガイスアルプ湖)」を巡る、変化に富んだコースです。
特に初夏から秋にかけては、高山植物や野生動物にも出会える豊かな自然が魅力。
全行程は約15km、所要時間は5〜6時間程度と比較的長め。
中級者向けの難易度で、ある程度の体力は必要としますが、クライミング用の装備(ロープやハーネスなど)は必要としません。
そのため、適度な休憩をこまめに取りながら進めば、そこまでハイキングの経験が豊富でない方でも達成可能です。
ただし、足場が若干不安定な区間もあるため、高所が苦手な方は慎重に進む必要があります。
高低差も大きく、アルプスらしい迫力のある風景が楽しめるため、「静と動」を両方味わいたい人には特におすすめのコースです。
| 距離 | 約15km |
| 所要時間 | 約5〜6時間 |
| 難易度 | 中級 |
| 高低差 | 約900m |
| 初心者適性 | 体力があり、極度の高所恐怖症がなければ可 |
ハイキング前半:Höfatsblick~Oberer Gaisalpsee|アルプスの絶景と峠越えルート
ハイキングコースの出発点となるロープウェイのHöfatsblick駅周辺に標識があります。
「Gaisalp 3.5 Std(Gaisalpまで3.5時間)」の標識に従って出発すると、まずは比較的なだらかな道をNebelhornを眺めながら進むことになります。
青々とした草原の中に白っぽい大きな岩が無数に転がっており、その風景は、まるで山口県秋吉台のカルスト台地のようです。

しかし、なだらかなで歩きやすい道もそう長くは続きません。
ロープウェイの駅から500m程進むと、突然急な下り坂が始まります。
設置された補助ロープや足場などを使って、しばらく崖を下っていく必要があります。
そのため、トレッキングシューズがあればより安心です。

崖下りが終わると、しばらくは比較的なだらかな道が続きます。
しかし、段々と上り坂の勾配がきつくなっていきます。
筆者も、一度下ったのに、何故また登らなきゃいけないのと思うかもしれませんが仕方ありません…。
標高1,927m地点(出発点であるロープウェイ駅とほぼ同じ標高)にあるGeißfußsattelと呼ばれる峠の頂上まで、坂を上っていく必要があります。
もしかしたら、コースがわかりづらく感じることが途中あるかもしれませんが、そんな時は、写真に写っているような白と赤の線で描かれたサインを探し、それをたどりながら進んでください。

Geißfußsattelからは、このような風景を眺めることができます。
長野県の千畳敷カールをご存知の方は、この景色からそれを連想するかもしれません。

この千畳敷カールのような崖を右手に見ながら、坂を下っていきます。
すると、左手にOberer Gaisalpsee(上ガイスアルプ湖)が見えてきます。

そして、この湖を半周回るようにハイキングコースをさらに進んでいきます。
ハイキング後半:Oberer Gaisalpsee~Oberstdorf|湖・滝・山小屋を巡る人気トレッキングルート
後半は長い下りが続くため、膝への負担を軽減するためにトレッキングポールを持参すると快適です。
標高1,769mにあるOberer Gaisalpseeに別れを告げ、さらに下っていくと、下方に標高1,508mにあるUnterer Gaisalpsee(下ガイスアルプ湖)が見えてきます。
見え始めてからその湖畔に辿り着くまでは見た目以上に時間が掛かりますが、ハイキングコースに沿って下っていくと、やがて湖畔に辿り着くことができます。

湖畔およびその周辺の草原は、のどかな風景に癒されながら自然を満喫する人々で賑わっています。

Unterer Gaisalpsee(下ガイスアルプ湖)を出発して間もなく、左手後方に滝が見えるようになります。
そこでは、湖と滝の両方を一枚の写真に収めることも可能です!

さらに2km程度進むと、Berggasthof Gaisalpeという山小屋兼レストランが見えてきます。
ここに立ち寄って一旦食事休憩をするのも、とても贅沢なひとときに違いありません。

ハイキングコースの途中では、野生動物に加え、家畜として飼われている山羊や牛などの動物を見かけることもあるでしょう。

Berggasthof Gaisalpeからさらに2km程度下り続けると、写真のような滝の場所に辿り着きます。
ここまで来れば、長く続いた下り坂もほぼ終わりで、Reichenbach(ライヒェンバッハ)という村も近くに見えているはずです。

ここからは、Gaisalp川(ガイスアルプ川)に沿ってしばらく進んだ後、「Kalkofenweg(カルクオーフェンヴェーク)」という道を通って、再びオーバーストドルフの中心地へと戻ることができます。
ただし、急な坂などはもうありませんが、滝からオーバーストドルフの鉄道駅までは、まだ約5km歩く必要がありますので、まだまだ気を抜けません。
特に、Kalkofenweg(カルクオーフェンヴェーク)では木陰のない非常に区間が長く続きますので、熱中症にはくれぐれもお気を付けください!
もし、体力的にどうしてもオーバーストドルフまでは歩けないというのであれば、Langenwangという村にある鉄道駅まで歩き、そこから鉄道を利用する方法もあります。
それにより、歩く距離を2km強短縮することが可能です。




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