ドイツの都市には、日本の都市と違って、中心部にも大きな公園があることが多いです。
例えば、ベルリンのTiergarten(ティーアガルテン)、ハンブルクのPlanten un Blomen(プランテン・ウン・ブローメン)、デュッセルドルフのHofgarten(ホーフガルテン)などが挙げられます。
ミュンヘンにも、Englischer Garten(エングリッシャーガルテン)やOlympiapark(オリンピアパーク)などの大きな公園があります。
中でも、ミュンヘン北部にあるオリンピアパークは、以前近くに住んだこともあるため、筆者のお気に入りの公園の一つです。
そこで、今回は、オリンピアパークの魅力についてご紹介したいと思います。
・ミュンヘンへの旅行を予定している方、または検討中の方
・近々ミュンヘンに引っ越す予定の方、またはドイツへの引っ越しを検討中の方
・ドイツの公園や観光地に興味のある方
オリンピアパークの概要
オリンピアパークは、1972年夏に開催されたミュンヘンオリンピックに向けて整備された、約290ヘクタール(2.9平方キロメートル)の大きな公園です。
公園内には、競技会場や開閉会式の会場となったOlympiastadion(オリンピアスタジアム)や、Olympiaturm(オリンピアタワー)などの施設が建っています。
また、Olympiasee(オリンピアゼー)という人造湖やOlympiaberg(オリンピアベルク)という人工の山があり、様々なスポーツ施設も備えています。
ミュンヘン中央駅やミュンヘン観光の中心地であるMarienplatz(マリエン広場)から、直線距離で3~4km程の距離に位置しており、地下鉄(U3)やバス(144番)などで簡単にアクセスできます。
地下鉄の最寄り駅は、U3のOlympiazentrum駅で、駅の出口がオリンピアパークの入り口でもあります。
また、Sea Life Münchenという水族館がオリンピアパーク内に立地している他、BMW Welt(BMWワールド)というBMWのショールームやBMW Museum(BMW博物館)もオリンピアパークのすぐ近くに立地しています。
そのため、オリンピアパークおよびその周辺は、老若男女様々な目的で訪れ楽しむことができる場所となっています!
オリンピアパークで春夏秋冬を感じる
オリンピアパークは、季節によって様々な姿を見せてくれます。
日照時間が長く気温も高い夏には、大変多くの人で賑わいますが、それ以外の季節でも十分に楽しむことができます。
春のオリンピアパーク
長い冬から明け春になると、緑が増え花も咲き始めます。
オリンピアパークの東端(水族館Sea Life Münchenから見て南東方向)には、桜の木が複数あり、毎年3月下旬から4月上旬頃になると一斉に桜が咲き始めます。
そのため、その時期になると、お花見をする人でも賑わいます。
ビニールシートを持ってきてピクニックをする人、桜の木の前で写真を撮る人など様々です。
ちなみに、このオリンピアパークに植えられている桜は八重桜のようです。
日本で最も一般的な桜の品種であるソメイヨシノは、花びらが5枚であるのに対し、オリンピアパークにある桜には、10枚程度の花びらが付いています。
また、ソメイヨシノの花びらの色よりもピンク色が濃く、より色鮮やかなのが特徴です。
夏のオリンピアパーク
夏のオリンピアパークは、非常に多くの人で賑わいます。
散歩をする人、ジョギングをする人、ピクニックをする人、観光をする人など、訪問目的は様々です。
時間があれば、ぜひOlympiaberg(オリンピアベルク)という人工の山にも登ってみてください!
標高約565mのOlympiabergですが、麓の標高が既に約515mであるため、登る高さは50m程度と短時間で簡単に登れる山です。
山頂からは、人造湖のOlympiasee(オリンピアゼー)やOlympiastadion(オリンピアスタジアム)、そしてOlympiaturm(オリンピアタワー)など、オリンピアパークの広範囲を見渡すことができます!
また、360度のパノラマビューを楽しむことができるため、ミュンヘン中心部の方向を眺めることも可能です。
ミュンヘンの観光の中心であるマリエン広場の近くに位置するFraunenkirche(フラウエン教会)の塔も見え、天気の良い日には、アルプス山脈も見ることができます。
Olympiabergに登るおすすめの時間帯は、夕暮れ時、特に日没直後です!
また、夏には、特に多くの野鳥がこのオリンピアパーク内に姿を現し、ガチョウや白鳥、鴨などの可愛らしい姿を見ることができます。
秋のオリンピアパーク
10月後半頃になると、オリンピアパーク内でも紅葉を楽しむことができるようになります。
葉が赤く色付く木は少なく、黄色に色付くものが多いため、紅葉というより黄葉ですが、他の季節では見られない色のオリンピアパークを見ることができます。
特に、オリンピアスタジアムの南東側には、葉が黄色く色付く木が多くあり、背後にある人工の山オリンピアベルクの緑色とのコントラストが大変美しいです。
また、Olympiazentrum駅の西側にあるかつての選手村(現在は、学生寮として利用されている)周辺には、葉が赤やオレンジに色づく木もあります。
タイミングが良ければ、日が当たりやすい部分が赤く色付いている一方で、日が当たりづらい部分は色付きが遅れて黄色や緑になっているという、非常に美しいグラデーションを見ることもできます!
以下の写真も、選手村周辺で10月中旬に撮影したものです。
冬のオリンピアパーク
冬のオリンピアパークは、観光客も少なくなり静かになります。
それでも、ジョギングや散歩をする地元の人がちらほらといます。
雪が降った日には、雪化粧したオリンピアベルクを見ることができます。
筆者は、雪がたくさん積もったタイミングでオリンピアパークを訪れたことがないのですが、雪がたくさん積もった時には、普段とはまた違った姿を見ることができるはずです。
オリンピアパークのすぐ横に立地するBMW WeltというBMWのショールームでは、外にクリスマスツリーが飾られていたり、木々がライトアップされたりしています。
これも、冬にしか見れない風景です!
昼と夜で違う顔を見せるオリンピアパーク
オリンピアパークは、季節だけでなく、時間帯によっても見られる景色や雰囲気が異なります。
昼のオリンピアパーク
昼のオリンピアパークは、多くの人で賑わいます!
特に、晴れた暖かい日には、原っぱの上でピクニックをする人や日光浴をする人を多く見かけます。
また、オリンピアパーク内には、子供向けの遊具もあるため、子供連れの家族も多く見かけます。
さらには、テニスや水泳をはじめとする各種スポーツをするためにオリンピアパークを訪れる人も、学生を中心に多くいます。
春の桜や秋の黄葉を楽しむことができるのも、昼の時間帯です。
日本のように桜や紅葉のライトアップは実施していないので、それらを夜に楽しむことはできません。
夜のオリンピアパーク
夜のオリンピアパークは、観光客が少なくなり地元の人が増える傾向にあります。
それでも、夕暮れ時のオリンピアベルク山頂からの眺めは大変美しく、観光客にも大変おすすめです!
日没前後の青とオレンジのグラデーションに、街の明かりが綺麗に映え、とてもロマンチックです。
治安も悪くないため、観光客でも気軽に訪れることができます。
ミュンヘン市街地方面の眺めは、正直反対側(オリンピアタワー側)ほど魅力的なものではないかもしれませんが、タイミングが合えば、一枚の写真に月と街を収めることができます。
また、BMW Weltが毎日ライトアップされる他、天気の良い夕暮れ時には、遠くのアルプスが影のように見えることもあります。
その他オリンピアパークでできること
Olympiaturm(オリンピアタワー)
オリンピアタワーは、オリンピアパーク中央部にある高さ291.28mのテレビ塔です。
1972年にミュンヘンで開催された夏季オリンピックに先立ち、1965年から1968年に建設されました。
オリンピアパークのみならずミュンヘンのシンボルの一つでもあり、毎日多くの観光客が訪れています。
入場チケットを購入すれば、約190mの位置にあるタワーの展望台までエレベーターで上ることができます。
展望台からは360度のパノラマビューを楽しめ、記念写真の撮影にも最適です。
例えば、デュッセルドルフにあるRheinturm(ラインタワー)とことなり、外に出て綺麗に写真を撮ることができるのも、このタワーの素晴らしい点です!
また、展望台内にカフェもあるので、ミュンヘン市を一望しながら休憩することもできます。
Sea Life München(水族館)
Sea Life Münchenは、オリンピアタワーの近くに位置する水族館です。
ミュンヘン市内を流れるイザール川やドイツ南部を流れるドナウ川に生息する生物の他、黒海や熱帯地方に生息する生物などを見ることができます。
また、餌やりの様子を見ることができたり、期間限定の特別展示を見ることもできます。
例えば、2024年5月中旬から7月中旬には、タツノオトシゴを特別展示しているようです!
入館料は、22ユーロ(大人1名、2024年5月17日現在)と高めではありますが、子供から大人まで楽しめる施設です。
ガチョウに癒される
緑が多く水場もあるオリンピアパークは、野鳥にとっても憩いの場となっています。
白鳥や鴨など様々な鳥を見ることができますが、筆者のおすすめはガチョウです!
可愛らしい目をした大きめのガチョウが、草をついばんだり水場で泳いだりしている姿を見ることができます。
ガチョウが群れている場所はその時々で変わりますが、オリンピアパーク中心部にある人造湖オリンピアゼー周辺にいることが多いです。
攻撃したりすると噛まれる可能性がありますが、距離を取って眺めている分には、攻撃されることも逃げられることも基本ありません。
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