皆さんは、海外で引っ越しをしたことがありますか?
日本国内での引っ越しも非常に手間とお金のかかる作業ですが、ドイツではより大変です…。
まず、引っ越し業者の利用が日本ほど一般的ではありません。
それに加えて、日本郵政のドイツ版であるDHLで荷物を送ると、トラブルが頻繁に発生します。
しかし、ドイツではDHL一強なところがあるため、ドイツで引っ越しをする際や荷物を送る際に、DHLを利用することが多くあります。
筆者も2024年6月末に、デュッセルドルフからミュンヘンへ引っ越しをし、その際にDHLを使用して荷物を運びました。
今回は、そんなDHLを使った大きな荷物の送り方と注意点について、筆者の引っ越し体験談に基づいてお伝えします。
・ドイツ国内で引っ越す予定のある方
・DHLを使用して重い荷物を送る予定のある方
DHLオンラインサービス
DHLには、オンラインで送料等の事前決済をする方法が用意されています!
DHLで荷物を送る場合、DHLの公式サイト(リンク)上で、荷物の重さや外箱のサイズに応じて該当するものを選択し、カードやPayPal等で事前決済することが可能です。
その際に、必要に応じて、後ほど説明するピックアップサービス(別料金)を追加したり、配送日を指定(別料金)したりすることができます。
ピックアップサービスは、現時点から約2週間先の日まで選択可能なようです。
また、配送日の指定は、現在から約1週間先、もしくはピックアップ日から約1週間先まで指定できるようです。
なお、日本でもお馴染みの配送日を指定できるサービスですが、日にちは選択できるものの、時間までは選択できないので注意が必要です。
また、わざわざ追加料金を払って指定した配送日を守ってもらえないこともあるので、注意が必要です。
筆者は今回、合計8箱送り、3箱が指定した配送日の2日後に届きました…。
ところで、例えば、オンラインで5kgまでの荷物を選択して決済しておいて、実際の荷物の重さが5kgを超えていた場合、どうなるんだろうね…。
恐らく、DHL側でも重量チェックをしていて、重量オーバーの場合は、追加料金を後から請求されるんだろうと思うよ!
また、スーツケースやゴルフバッグのように箱型でないものや、定形の最大サイズである120 x 60 x 60 cmを超える場合は、Sperrgutとして28.99ユーロ(2024年7月7日現在)を追加で支払う必要があります!
つまり、物を詰め込んだ20kgのスーツケースを送りたい場合は、1つあたり合計48.98ユーロ(2024年7月2日現在)の送料が掛かることになるので、注意が必要です。
それだと、可能なら、箱に詰められるもののみDHLで送って、スーツケースは自分で持って行った方がいいかもね!
注文・決済後の返品およびキャンセルは、決済後にオンラインで受け取るラベルをダウンロードも印刷もしていない場合のみ可能です。
また、ラベルの印刷は、自宅などのプリンターでも可能ですが、DHLの宅配ボックス「Packstation」のモニターを操作することでも可能です!
Packstationでのラベルの印刷は24時間無料で可能なので、特にプリンターを持っていない人にとっては、大変便利です。
重い荷物を送る際に便利な、DHLのピックアップサービス
引っ越しの時など、重い荷物を送りたい場合は、DHLのピックアップサービスが便利です。
もちろん、DHLの店舗に自分で持って行けるのであれば、それでも問題ありません。
しかし、引っ越しの時は、20kgの大きな段ボールが10箱近くになってしまうこともあります。
その場合は、DHLに自宅まで集荷に来てもらうこともできます!
DHLの公式サイトからピックアップサービスの予約をすることができ、1回3ユーロ(2024年7月19日時点)です。
一度(一日)に回収してくれるのは10箱までです。
つまり、10箱以下であれば、何箱であっても合計3ユーロです!
そして、11箱以上送りたい場合には、2日以上に分けて回収してもらう必要があります。
そして、このサービスを利用する場合、建物の玄関からではなく、自宅の玄関からピックアップしてもらえます!
つまり、例えば、集合住宅の3階に住んでいる場合、事前に荷物を地上階まで自分で下ろす必要はありません。
DHLの人が、自分の住んでいる階まで回収しに来てくれます!
例えば、重い荷物が8箱ある場合、3ユーロで自宅まで回収しに来てくれるのは、本当にお得でありがたいね!
ただし、集荷の日を指定することはできるものの、時間帯は指定することができません。
早ければ午前8時に、遅ければ午後8時に集荷に来ます。
通常は、集荷の約1時間前に、この時間帯に集荷に来るとのメールがDHLから届きます。
(ただし、メールが届かずに、突然回収に来られたこともありました…。)
ただし、集荷日や集荷時間帯に、急用でどうしても留守にする必要があることもあるかもしれません。
その場合は、DHLの人が鍵無しで到達できる場所であり、交通の妨げにならない建物の外(敷地内)に出しておくことで、勝手に回収してくれるようです。
また、回収業者が来るまでに、ラベルを印刷して荷物に貼り付けた状態にしておく必要があります。
印刷していないラベルは、業者のバーコードリーダーで読み取れず無効となりますので、ご注意ください。
DHLで重い荷物を送る際の注意点
比較的手ごろな料金かつ便利なDHLの配送サービスですが、注意点もいくつかあります。
以下で、2024年6月に筆者が直面した問題点をご紹介します。
どうしてこうなる!?荷物の扱いが雑過ぎ!
まず、ドイツあるあるですが、DHLの人の荷物の扱いが雑な点です。
DHLは引っ越し業者ではないので、多少の雑さは仕方ないと思ったりもします。
しかし、その許容範囲を超えるような扱いの雑さです。
頑丈な引っ越し用の箱を使って送ったはずなのに、届いた荷物と対面すると、本当にビックリさせられます。
箱が大きく潰れてへこんでしまっていたり…
箱の底が、思いっきり変形してしまっていたり…
箱の側面に非常に大きな亀裂や穴があったり…
これなんて、箱に空いた穴から中に入っている調理器具が出てきてしまっています…。
どうしてこうなるのでしょうか…。
考えられる原因がいくつかあります。
まず、DHLが、重い荷物を何箱も積み重ねて輸送するせいです。
輸送用のトラック内で積み重ねられているだけでなく、ピックアップサービス時に自宅からトラックに運ぶ際も、複数の箱を積み重ねて一度に運びます。
筆者の場合は、約20kgの段ボール箱が8箱あったのですが、4箱ずつ積み重ねられて運ばれました!
つまり、一番下にある箱には、上から約60kgの負荷が掛かっていたわけです。
さすがにそうされたら、頑丈な引っ越し用の箱だって潰れてしまうよね…
そして、DHLの人が、ドスンと勢いよく荷物を置いたり投げたりするせいです。
重い荷物の場合、多少は仕方ないかと思います。
しかし、DHLの人が30cmぐらいの高さから落とすかのようにドスンと荷物を下ろしているのを目撃しました!
これは、さすがに雑過ぎな気がします…。
荷物が重ければ重いほど箱に大きな負荷がかかってしまい、箱が潰れる可能性も高くなります。
そして、水平でない状態で勢いよく置かれた場合は、箱の角が潰れてしまいます。
また、実際に放り投げているところを目撃したわけではないですが、重くない荷物であれば軽く放り投げているという噂を聞いたことがあります。
放り投げられたら、箱がへこんでしまうのも当然ですよね…。
荷物が勝手に送り主の元に戻ってしまう!?
さらに、荷物が大きく破損した場合、送り主の元に事前連絡なく戻ってしまうことがあります!
どの時点で破損が生じたかにより、送り主の元に戻るか受取人のところまで届けられるか決定するようです。
筆者の場合、デュッセルドルフからミュンヘンまで複数の荷物を送ったのですが、そのうちの二箱が途中で破損してしまいました(破損させられました)。
一箱は、恐らくピックアップからデュッセルドルフ周辺のDHL倉庫に運ぶ過程で破損したようです。
そして、もう一箱は、ミュンヘン周辺のDHL倉庫からミュンヘンの受取人の元へ配達される際に、破損したようです。
前者の荷物の場合、破損した時点で受取人の住所よりも送り主の住所に近かったため、送り主の住所であるデュッセルドルフに、その破損した荷物が再梱包されて戻ってきてしまいました。
筆者の場合、デュッセルドルフのアパートを退去した後に、こちらの許可なく荷物をそのアパートに戻されてしまったので、非常に厄介でした…。
後者の荷物の場合は、破損した時点で送り主の住所よりも受取人の住所に近かったため、再梱包されて受取人の元まで配送されました。
ただし、荷物の到着が予定よりも2日程遅れましたが…。
そのため、送った荷物が送り主の元へ戻ってきてしまう可能性があるということを念頭に置き、可能であれば、引っ越し(退去日)の5日程前に荷物を送ることをおすすめします!
1箱約1ユーロの配送日指定サービスを利用すれば、新しいアパートに入居した後に届けてもらうことも可能ですよ。
責任逃れをするDHL!?
配送中にトラブルの多いDHLですが、とにかく責任逃れをしようとしてきます!
筆者の場合、配送中の不手際で、日本から持ってきたお皿が割れてしまいました。
紙でくるんだ上からプチプチでも二重に梱包し、さらにそれを小さな箱にも詰めたのですが、1枚割れていました。
しかし、荷物が破損した時点でDHLから以下のようなメールが届き、そのメールには、送り主の梱包に問題があったためDHL側では責任は負わず補償もしないと書いてありました。
このように、謝罪する様子もなく、抽象的な理由で責任逃れをしてきます!
梱包に問題があったとか箱内部に隙間があったとかを理由にされると、DHL側の言いたい放題になってしまいます。
破損が生じたら、すべてこのような抽象的な理由(ある意味送り主に対する文句)で、苦情を処理しているのでしょう…。
そもそも、筆者はお皿を何重にも包み、割れないように対策していたはずです。
このことをDHLのカスタマーセンターに電話で問い合わせたところ、異議の申し立ては、手紙でのみ受け付けていると言われるありさまです!
なぜ、わざわざ時間も送料も掛かる手紙でしか受け付けてくれないんでしょうか!
筆者も仕方なく、DHLから指定された住所に手紙を送りました。
そこには、早急にこの問題を解決したいから電話を掛けてくれとも書きました。
しかし、手紙を送った1週間後ぐらいにメールで返事が来て、やはり梱包に問題があったので補償はできないとのことでした。
顧客(送り主)の気持ちをまったく考えない、殿様商売のような対応ね!
DHLで重い荷物を送る場合、一応、500ユーロの補償が自動的に付いてきます。
しかし、この500ユーロの補償をあてにしたり、これに安心させられたりしてはいけません!
DHLは、あの手この手で言い訳をし、責任から逃れ、補償をすることを拒んできます。
まとめ
- DHLには、オンラインで送料等の事前決済をする方法がある
- オンラインで決済した場合にオンラインで受け取るラベルは、DHLの宅配ボックス「Packstation」で印刷できる
- 重い荷物を送りたい場合は、DHLのピックアップサービスが便利!
- ピックアップサービスや配送日指定サービスがあるが、時間までは指定できない
- DHLの荷物の扱いが雑であるため、価値の高い物や壊れやすい物を送る際は、特に要注意!
- 運送中に荷物が大きく破損した場合、送り主の元に事前連絡なく戻ってしまうことがある
- DHLは、あの手この手で責任逃れをしようとするため、DHLで用意されている補償は無いものと思った方が良い
引っ越し時に大きな家具が無い場合、そして荷物がそこまで多くない場合、引っ越し業者を利用するよりもDHLで荷物として送った方が安く済みます。
また、ピックアップサービスや配送日指定サービスなど、DHLでの郵送には便利な点も多くあります。
しかし、DHLを利用して大きくて重い荷物を送る場合、トラブルが発生する確率は非常に高いと言わざるを得ません。
筆者も今回の引っ越しで複数のトラブルを経験しましたし、筆者の周りの多くの友人も、DHLを利用して引っ越しをした際にトラブルにあっています。
それでも多くの人がDHLを利用するのは、DHLに匹敵する競合他社がドイツにはないからでしょう。
DHLを利用して引っ越しをする際は、梱包を厳重にし、トラブルが発生しなかったらラッキーぐらいに考えておきましょう(笑)
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