皆さんは、ドイツで働くことに興味がありますか?
「ドイツで働きたい!」と考える理由は、人それぞれでしょう。
ドイツでの生活に強い興味があったり、ドイツ語を使用して働いてみたいと思っていたり、日本でのワークライフバランスに欠ける生活にうんざりしていたり…。
また、ドイツに家族や恋人がいるため、ドイツで職を得て生活基盤を築きたいと考えている方もいるでしょう。
では、日本人がドイツで正社員としての職を得たいと思った場合に、重要な点は何なのでしょうか。
この記事では、日本人がドイツで正社員になるためのヒントをお伝えします。
ドイツで一時的なアルバイトをしたいとお考えの方や、フリーランスで働きたいとお考えの方には参考にならない部分もあると思いますので、ご了承ください。
- ドイツで働くことに興味のある方
- ドイツに長期滞在し、正社員として働きたいと考えている方
ドイツで正社員としての仕事を得るうえで重要なポイント
ドイツで正社員としての仕事を得るうえで重要なポイントがいくつか存在します。
以下の条件を満たしていれば満たしているほど、ドイツで就職できる可能性は上がります。
反対に言えば、以下の条件に合わなければ合わないほど、ドイツで正社員として就職できる可能性が低くなってしまいます。
今回、前半編では、上記の①~③のポイントについて解説していきます。
①英語力やドイツ語力がビジネスレベルである
ドイツで就職するためには、高い英語力やドイツ語力を持っていることが重要です。
日本語の言語能力だけでは、ドイツで正社員として就職できる可能性は、限りなくゼロになってしまいます。
具体的には、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)においてC1レベル以上、つまりビジネスレベルの英語力やドイツ語力が求められます。
目安としては、TOEFL iBTで95点以上、TOEICで945点以上取得できる能力ということになります。
もちろん、ドイツ語ができず英語だけビジネスレベルであるという場合でも、ドイツで正社員として就職できる可能性はあります。
しかし、ドイツ語能力なしでドイツで就職活動・転職活動を行っている求職者は、非常に多く存在します。
そのため、言語能力が英語のみで応募できる求人の場合、ドイツ語も必須の求人と比較すると、競争率が何倍にも跳ね上がってしまいます!
ドイツでドイツ語能力なしで仕事を探している集団には、他のEU加盟国出身者、つまりドイツでの滞在や就労においてビザが不要な人々が多く含まれているよ!
フランス語やスペイン語など、ドイツ語以外のヨーロッパで主要な言語をネイティブとして話す人々も多くいるよね!
つまり、ただ英語が得意なだけだと、採用される可能性が低くなってしまいます。
それこそ、ビザが必要かつ英語以外のヨーロッパの言語を話せない日本人となると、なおさら不利な立場に立たされてしまいます。
そのため、後ほど解説するような専門性の高いスキルを持っていたり、希望給与が低かったりするなど、他の候補者に負けない要素を何かしら持っている必要があります。
英語だけでなくドイツ語も流暢に話すことができれば、ドイツで正社員として就職できる可能性は高くなります!
ただし、多くの人にとって、ドイツ語は英語以上に難しい言語であるとされているため、ドイツ語でC1レベルに達するには、それなりの覚悟と努力が必要になることでしょう。
なお、英語やドイツ語などの言語力については、公式な試験を受け、資格として持っておくことを強くおすすめします。
語学学校で授業を受けて修了しただけの場合、言語力の証明としては不十分であることが多いです。
②専門性の高いスキルを持っており、それに関連する実務経験がある
専門性の高いスキルを持っていることも、ドイツで正社員として採用してもらえる可能性を大きく押し上げます。
ただし、単純に講座を受講したり資格を取得したりしただけでは、残念ながらドイツではほとんど評価してもらえません。
知識として持っているだけでなく、それを活用しての実務経験があることが、ドイツにおいては非常に重要です!
例えば、企業側は、「XXXの経験が3年以上ある人を採用したい」といった要望を持っています。
そのため、いくら知識を持っていたとしても、またいくら資格取得に向けて熱心に勉強に励んだとしても、実務経験がなければすぐに検討対象外になってしまいます。
もちろん、専門性の高いスキルといっても多種多様ですが、中でもIT関連のスキルと実務経験を持っていると、採用してもらえる可能性が非常に高くなります。
例えば、システムの開発・運用・保守に携わった経験、ITプロジェクトのマネジメント経験などです。
その理由は、ドイツに限った話ではありませんが、IT系の人材が大幅に不足しているためです。
そのため、IT関連の知識と実務経験を十分に持っていれば、先程述べた6つのポイントのいくつかを満たしていなかったとしても、採用される可能性が十分にあります!
例えば、ドイツ語能力が十分でなかったり、就職・転職にあたりビザを新規で取得する必要があったりする場合でも、企業側が積極的にオファーを出すケースが頻繁にあります。
ちなみに、IT系と言っても、必須言語が英語のみのUX/UIデザイナーの求人は、競争率がかなり高めだから注意が必要だよ!
③現在、ドイツの大都市に居住している
ドイツで仕事を探す場合、現在の居住地も非常に重要なポイントです。
日本に住んでいる場合など、現在の居住地がドイツ国外の場合、ドイツで職を得るハードルが一気に高くなります!
反対に、現在既にドイツに住んでいる場合、ドイツでの仕事を見つけられる可能性が何倍にも増加します。
ドイツで就職できる可能性が現在の居住地に大きく左右されるのは、引っ越しが関係してくるためです。
引っ越しが必要になる場合、新居を見つけ引っ越しを行うというステップが入社前に追加されます。
すると、雇ってもらう側だけでなく雇う側にとっても、いつから一緒に働けるのかがなかなかはっきりしません。
近年、ドイツでアパートを見つけるのが非常に困難な状況が続いています。
そのため、アパート探しと引っ越しが必要な人にオファーを出すのは、雇用主にとってリスクの高い行為となります。
特に、例えば、日本からドイツへ引っ越す必要がある場合など、ドイツ国外からドイツ国内への引っ越しを要する場合は、雇用主にとって非常にリスクが高くなります。
日本からドイツのアパートを新たに探すのは、ドイツ国内に居ながら探すのに比べて、難易度が何倍も上がります。
それは、アパートの見学や大家さんとの面談を、対面で実施できないためです。
一件の貸しアパートに対して、50件以上の問い合わせがあることも多くあるよ…
えっ…。それだと、臨機応変かつ迅速に内見ができないというだけで、大家さんから検討対象外にされてしまうね…。
最悪のシナリオとしては、採用者がドイツのアパートをなかなか見つけることができず、入社時期が予定より大幅に遅れたり、採用が取り消しになったりしてしまいます。
それゆえに、現在の居住地が日本であったり、ドイツ国外であるというだけで、ドイツに所在する企業からオファーをもらえる可能性が段違いに低くなってしまいます!
裏を返せば、引っ越しが必要ない候補者は、引っ越しが必要な候補者に比べて圧倒的に有利になります。
つまり、ドイツ国内に住んでいる場合でも、求人の多い大都市圏に住んでいるのか、求人の少ない田舎に住んでいるのかによって状況が変わります。
ドイツ国内の大都市圏に既に住んでいる場合、その都市圏で多くの求人を見つけることができるでしょう。
反対に、大都市圏から離れた田舎に住んでいる場合、距離的に近い求人が少なくなってしまいます。
すると、(ドイツ国内とは言えど)引っ越しが必要な求人に応募せざるを得なくなり、引っ越しの必要ない候補者と比較して不利な状況に立たされてしまいます。
したがって、例えば、ベルリン都市圏、ハンブルク都市圏、ミュンヘン都市圏、ケルン・ボン・デュッセルドルフエリア、フランクフルト都市圏、シュツットガルト都市圏などに住んでいると、就職活動や転職活動の際に、立地の面で有利に立てるでしょう。
日本に居ながらドイツの仕事を探すのは、「大がかりな引っ越しが必要」ということもあって、ものすごくハードルが高いのね…。
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