皆さんは、料理が好きですか?
また、普段は自炊をすることが多いですか?外食をすることが多いですか?
外食が日本より圧倒的に高いドイツでは、自炊が節約生活の大きな鍵となります。
しかし、日本人がドイツで自炊をすると、挽き肉や鶏胸肉を購入して調理する頻度が増えがちです!
なぜ、このようなことになってしまうのでしょうか。
今回は、ドイツでの自炊生活と挽き肉・鶏胸肉の関係について説明したいと思います。
- 近々ドイツへ引っ越す予定の方、またはドイツへの引っ越しを検討中の方
- ドイツでの自炊事情に興味のある方
- ドイツの肉事情に興味のある方
多種多様な用途に応える日本のスーパーマーケットの精肉コーナー
日本には様々な肉料理があり、料理ごとに最適な肉の種類が大きく異なります。
そのため、日本のスーパーマーケットでは、常に様々な種類の肉が販売されています。
日本の一般的なスーパーマーケットで販売されている肉は、主に豚肉、牛肉、鶏肉ですが、様々な部位が販売されており、またカットの仕方も複数あります。
例えば、豚肉や牛肉について考えてみると…
・しゃぶしゃぶやすき焼きなどに最適な、ロース肉やモモ肉などの大きな薄切りスライス
・焼肉に最適な、大きめの一口サイズにカットされたカルビやバラやタン
・ステーキに最適な、厚めにスライスされたサーロインやヒレ肉
・様々な料理に使える、使い勝手の良いロースやバラやモモなどの切り落とし肉やこま切れ肉
・煮込み料理に最適な、大きめのサイコロ状にカットされたすね肉やモモ肉
・煮豚やローストビーフ用のブロック肉
・ハンバーグやそぼろなどに最適な挽き肉
このように、部位や脂身の占める割合、サイズ、カットの仕方、厚みなど、非常に多様です!
また、鶏肉についても、胸肉やモモ肉(皮付き、皮無し)、手羽先、手羽元など様々な部位が販売されています。
モモ肉に関しては、使いやすいように一口サイズにカットされて販売されていることもあります。
そのため、日本では、作る料理に応じて肉の種類を大きく使い分けることが一般的です。
筆者が日本で生活していた時も、部位、サイズ、カットの仕方などを作りたい料理に応じて選び、使い分けていました。
挽き肉と鶏胸肉に依存しがちな日本人のドイツでの自炊生活
日本では、様々な肉を購入していた筆者ですが、ドイツでは特定の種類の肉ばかり購入しがちです。
具体的には、挽き肉(合挽きもしくは牛)と鶏胸肉を購入しがちです。
実際にアンケートを取ったわけではないですが、日本人がドイツで生活すると、この2種類の肉を頻繁に購入する方が多いようです。
実際に、ドイツで暮らす筆者の知り合いの日本人数人も、やはり挽き肉と鶏胸肉を買う頻度が、他の肉に比べて圧倒的に高いと話していました。
では、なぜそのようになってしまうのでしょうか。
ドイツで自炊をすると、挽き肉の購入量・消費量が増えるわけ
ドイツで薄切り肉は入手困難!?
まず、ドイツの一般的なスーパーマーケットで、日本で販売されているような豚肉や牛肉の薄切り肉がないことが挙げられます。
例えば、ドイツの大手スーパーマーケットでは、薄切り肉を見かけたことが一切ありません。
それは、薄切り肉を食べたり調理する食文化がドイツにはないからです。
ドイツのスーパーマーケットで販売されているスライス肉は、どれも厚切りです。
ただし、ドイツ人に言わせれば、ドイツにも薄切り肉があります。
例えば、Minutensteakという商品名で販売されている豚肉や牛肉のスライスです。
数分で完全に火が通るぐらい薄くスライスされていることから、そのような名前が付いているのだと思いますが、日本人がイメージする薄切り肉とはまったく違います!
Minutensteakは、確かに普通のステーキ肉よりは薄いものの、厚さが1cm弱あります。
そのため、日本の薄切り肉の何倍もの厚みがあり、例えるなら、豚カツ用の肉ぐらいの厚みがあります!
また、日本の肉とは違い、ドイツの肉はMinutensteakも含め、(豚バラブロックを除いて)全体的に脂がほとんどなく「赤身だけ」という感じです。
そのため、調理後はパサパサとしてしまいジューシーさに欠けてしまいます。
このような点からも、Minutensteakは、日本の薄切り肉の代用品としてはまったく使えません。
ちなみに、Minutensteak以外の肉はさらに厚切りだから、日本の薄切り肉からはさらに離れてしまうよ…。
日本食料品店やアジア食料品店で薄切り肉が買えるけど…
ドイツでも、アジア食料品店、特に日本食料品店では豚肉や牛肉の薄切り肉を扱っていることが多いです。
例えば、デュッセルドルフの日本食料品店では、しゃぶしゃぶ用や焼き肉用に薄くスライスされた豚肉や牛肉を、冷凍または冷蔵で販売しています。
デュッセルドルフに住んでいる筆者も、1ヶ月から2ヶ月に1回程度のペースで日本食料品店にて薄切り肉を購入し、しゃぶしゃぶをしたりお好み焼きを作ったりしています。
基本的には黒毛和牛のような霜降り肉ではないから、牛肉も豚肉も脂がかなり少なめだけど、赤身肉としては十分美味しいよ!
また、同じくデュッセルドルフにある韓国食料品店でも、サムギョプサル用に薄くスライスされた豚バラ肉などが販売されています。
何故か、渦巻き状のスライスになって売られていますが(笑)
さらに、中華食料品店やアジア食料品店(go asia)などでも、中国の鍋料理である火鍋用に薄くスライスされた豚肉や牛肉が、冷凍で販売されています。
こちらは、たばこのようにクルクルと筒状になっています(笑)
しかし、薄切り肉を扱う日本食料品店やアジア食料品店は、ドイツの一般的なスーパーマーケットと異なり、店舗数が非常に限られています。
そのため、住んでいる自治体によっては、町内や市内に薄切り肉を扱うお店が1件もないこともあります。
また、日本食料品店が比較的多いデュッセルドルフに住んでいたとしても、徒歩圏内には1件も無いことが多いです。
そのため、デュッセルドルフに住んでいる人にとっても、薄切り肉を買いに行くのは手間の掛かる行動であることが多いです。
さらには、たとえ立地的に薄切り肉を入手しやすい場所に住んでいたとしても、ドイツの一般的なスーパーマーケットで販売されている厚切りの肉と比べると値段が高いので、日本と同じ頻度では購入しづらいという問題もあります。
その結果…
お伝えした通り、ドイツには、日本のような豚肉や牛肉の薄切り肉がなく、(豚バラブロックを除いて)脂身のほぼない赤身しか売られていません。
また、日本食料品店などでは日本のような薄切り肉が販売されていることがあるものの、立地や値段などの点で、頻繁に購入するのは容易ではありません。
そこで、薄くスライスされた豚肉や牛肉の代替品として登場するのが挽き肉です!
もちろん、薄切り肉と挽き肉は、形、食感ともにまったく異なるものです。
そのため、挽き肉を食べても、薄切り肉を食べたいという欲を満たすことはまったくできません…。
しかし、挽き肉であれば、ドイツの肉にありがちなパサパサ感をある程度ごまかすことができます!
また、調理も簡単で、和食の味付けにも合います!
そのため、我が家でも挽き肉を使った料理が、日本で生活していた時の何倍もの頻度で登場しています(笑)
挽き肉を使って作る我が家の定番料理は、和食だと肉じゃがや白菜のそぼろ煮、洋食だとハンバーグやミートソースなどです。
まったく時間や気力がない時は、挽き肉をパックからそのままフライパンに出して、木べら等で押し付けて「挽き肉ステーキ」として食べることもあるよ(笑)
ドイツには、日本のようなコンビニがないし、スーパーにもさっと食べられるお惣菜がないから仕方ないね…。
ドイツで自炊をすると、鶏胸肉の購入量・消費量が増えるわけ
ドイツで鶏モモ肉は入手困難!?
冒頭で触れたように、ドイツで自炊をすると、挽き肉だけでなく鶏胸肉にも頼りがちです。
その理由は、ドイツで鶏モモ肉を入手するのが容易ではないからです。
一応、大手スーパーマーケットのREWEなどで、たまに鶏モモ肉を見かけることがあります。
しかし、骨も皮も付いているため、日本のように「一口サイズに切って、あとは調理するだけ」というわけにはまったくいきません。
骨や皮を取り除くという非常に面倒な作業が必要になります。
時間がある時でないと到底できる作業ではありません。
そして、REWEの鶏モモ肉は、売り切れのことも多いんだよね…。
七面鳥(Puten)のモモ肉であれば出会える確率は高くなります。
しかし、やはり骨が付いているうえ、七面鳥の肉には鶏肉とは違った癖や臭みがあるため、それで美味しい和食を作れるかと言われると微妙なところです。
以前、七面鳥のモモ肉で唐揚げを作ってみたけど、癖が強くて、鶏の唐揚げほど美味しくはなかったな…。
ちなみに、デュッセルドルフにある筆者の自宅近くの(REWEでない)スーパーマーケットでは、何故か骨無し皮無しの鶏モモ肉が販売されています。
しかし、鶏胸肉と大差ないぐらいパサついていて、日本の鶏モモ肉のようなジューシーさは、残念ながらありません。
また、デュッセルドルフにある一部の日本食料品店では、唐揚げに最適な骨無し皮付き鶏モモ肉も販売されています。
しかし、ドイツの普通のスーパーマーケットより遠いため、鶏モモ肉を購入するためだけに日本食料品店に行くことは、気軽にはできません。
その結果…
このようにジューシーさが特徴である鶏モモ肉(特に骨がないもの)の入手が困難なドイツですが、鶏胸肉であれば、どこのスーパーマーケットでも確実に販売されています!
しかも、塊だけでなく、1cm弱の薄さにスライスされたものや、小さめの一口サイズにカットされたものもあり、日本以上にバリエーション豊富です。
そのため、鶏モモ肉の代用品として、鶏胸肉を購入し使用することが多くあります。
チキンカレーも、胸肉で作ることがあります。
ところで、ドイツでは、鶏モモ肉の部分はどこに行ってしまうんだろう…。
まとめ
- ドイツの一般的なスーパーマーケットでは、日本のような豚肉や牛肉の薄切り肉が販売されていない
- ドイツ人にとっての「薄切り肉」は、日本人にとっての厚切り肉
- ドイツの一般的なスーパーマーケットでは、鶏モモ肉(特に骨無し)も販売されていない
- 一部の日本食料品店などで、薄切り肉や骨無し鶏モモ肉が販売されているものの、店舗数や立地、値段など観点から、頻繁に購入することは容易ではない
- そのため、代替品としての挽き肉や鶏胸肉の購入・消費頻度が日本より増えがち
日本には、薄切り肉や鶏モモ肉を使った人気料理がたくさんあります。
そのため、ドイツでの滞在期間が長い日本人は、日本の薄切り肉や鶏モモ肉が恋しくなりがちです。
日本に一時帰国したら食べたいものランキングトップ5に、料理名でもない「日本の薄切り肉」がランクインしている方も多いのではないでしょうか。
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