ドイツの東西格差はまだある?収入・失業率・住宅価格を最新データで解説

1990年のドイツ再統一から30年以上が経過しましたが、現在でも旧東ドイツと旧西ドイツの間には経済格差や生活環境の違いが残っていると言われています。

「ドイツの東西格差は今どのくらいあるのか」「収入や失業率、住宅価格はどれほど違うのか」などは、ドイツ留学や就職、移住を考える人にとって気になるポイントではないでしょうか。
実際、ドイツでは地域によって給与水準やGDP、人口動態に差があり、生活コストにも影響を与えています。

この記事では、ドイツの東西格差を「給与・雇用・住宅価格・GDP・人口構造」の観点から、データをもとにわかりやすく解説します。

この記事は、こんな人におすすめ!
  • ドイツの東西格差の今の現状に少し興味のある方
目次

現在の格差:数字で見るドイツ東西の違い

ドイツの東西格差は、ニュースや政治議論の中でも頻繁に取り上げられるテーマです。
しかし、具体的にどの程度の差があるのかは意外と知られていません。

ここでは、給与・雇用・住宅価格・GDP・人口構造という5つの視点から、現在のドイツ東西格差を客観的な数字で確認していきます。

平均所得の差|旧東ドイツと旧西ドイツで約20%の給与格差

ドイツの労働者の平均月収を比べると、旧西ドイツに比べて旧東ドイツの水準は依然として低くなっています。
2023年のデータを比較すると、

  • 旧西ドイツ地域の平均月収(フルタイム・税引前):4,578ユーロ
  • 旧東ドイツ地域の平均月収(フルタイム・税引前):3,754ユーロ

となっており、差は約820ユーロ(約22%)です。
※参考サイト:https://www.tagesschau.de/wirtschaft/arbeitsmarkt/lohnluecke-ost-west-100.html

この給与格差は、旧東ドイツ地域に本社を置く大企業が比較的少ないことや、産業構造の違いが影響していると指摘されています。
また、同じ職種でも勤務地によって給与水準が変わるケースもあり、就職活動の際には地域選びが重要になる場合もあります。

ただし、給与が低い一方で生活費も比較的安い地域が多く、実質的な生活水準が必ずしも大きく劣るとは限らない点も特徴です。

失業率の違い|旧東ドイツに残る雇用格差

近年では失業率の差は縮まりつつあるものの、それでも旧東ドイツの一部地域では高止まりしている傾向があります。2024年のデータでは、

  • 旧西ドイツ地域の失業率:5.7%
  • 旧東ドイツ地域の失業率:7.5%

と、1.8%の差があります。
※参考サイト:https://www.bpb.de/kurz-knapp/zahlen-und-fakten/soziale-situation-in-deutschland/61718/arbeitslose-und-arbeitslosenquote/

特に、ザクセン=アンハルト州やメクレンブルク=フォアポンメルン州、ベルリン州では、他州に比べて高い水準が続いています。

東部地域では再統一後に多くの国営企業が解体された歴史があり、その影響が現在の雇用構造にも残っているとされています。
近年はIT産業や再生可能エネルギー関連企業の進出も見られ、地域によっては改善傾向もあります。

家賃・住宅価格の差|生活コストは東西でどれくらい違う?

生活費の中でも大きな割合を占める家賃にも、東西で明確な差があります。
2023年のデータによれば、

  • 旧西ドイツ地域(例:フランクフルト、ミュンヘン):1㎡あたり12〜22ユーロ
  • 旧東ドイツ地域(例:ライプツィヒ、ドレスデン):1㎡あたり6〜9ユーロ

このように、旧東ドイツ地域では、旧西ドイツ地域のおおよそ半額近い水準でアパートを借りられる場合も多くあります。
※参考サイト:https://www.immowelt.de/ratgeber/news/mieten/mieten-in-ostdeutschland-warum-dein-einkommen-hier-mehr-wert-ist

近年は、ベルリンやライプツィヒなどの旧東ドイツの都市でスタートアップ企業や文化活動が活発化し、若者を中心に人気が高まっています。
その影響で家賃が上昇している地域もあり、今後は格差の縮小や再構築が進む可能性もあります。

一人当たりGDPの差|経済力から見る地域格差

地域ごとの経済力を示す一人当たりのGDP(域内総生産)でも、差は歴然です。
2024年のデータでは、

  • バイエルン州(西):58,817ユーロ
  • バーデン=ヴュルテンベルク州(西):57,294ユーロ
  • ノルトライン=ヴェストファーレン州(西):47,916ユーロ
  • ザクセン州(東):39,667ユーロ
  • ブランデンブルク州(東):37,774ユーロ
  • ザクセン=アンハルト州(東):36,517ユーロ

と、最大で約20,000ユーロを超える差があります。
※参考サイト:https://de.statista.com/statistik/daten/studie/73061/umfrage/bundeslaender-im-vergleich-bruttoinlandsprodukt/

GDPは地域の経済規模や産業の強さを示す指標であり、雇用機会や賃金水準にも影響します。
特に南ドイツのバイエルン州やバーデン=ヴュルテンベルク州は製造業やハイテク産業が集積しており、ドイツ経済を支える中心地域となっています。

一方で、旧東ドイツの地域も、観光業や新興産業を中心に成長が進んでおり、地域によっては近年大きく発展している都市もあります。

若者流出と高齢化|人口構造に表れる東西格差

旧東ドイツ地域では、若者が教育や就職の機会を求めて旧西ドイツ地域へ移動する傾向が続いており、人口減少と高齢化が同時かつ急速に進んでいます。
例えば、

若者の流出は、労働力不足や地域経済の縮小につながるだけでなく、医療や公共サービスの維持にも影響を与える可能性があります。
この問題はドイツ国内でも重要な社会課題として議論されています。

近年は、リモートワークの普及や生活コストの安さを背景に、旧東ドイツのエリアへ移住する人もおり、人口構造の変化に新たな動きも見られるようです。

まとめ|ドイツ東西格差は今後どうなる?

ドイツは、国としては既に統一されていますが、経済的・社会的な意味での「統一」はまだ道半ばと言えるかもしれません。
格差の解消は一朝一夕ではなく、長期的な政策と地域の努力が必要です。
ただし、東部の都市でも新たなスタートアップや文化活動が盛んになるなど、ポジティブな動きも見られます。

また、給与やGDPでは西部が優勢である一方で、生活費や住宅価格では東部が有利であるなど、単純な優劣ではなく特徴の違いとして理解することも重要です。

私たち外国人としても、このような背景を理解することで、ドイツの社会をより深く知ることができ、実際の生活や人間関係にも少し役立つはずです。

ゆとり
ドイツ生活6年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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