日本語としても使われているドイツ語:身近な外来語の意外なルーツ

ドイツ語と聞くと、どこか硬くて厳格な響きを思い浮かべる方も多いかもしれません。

しかし、意外にも私たちが日常的に使っている日本語の中には、実はドイツ語に由来する言葉がたくさんあります。
特に、明治時代以降の近代化や医学・教育の分野を通じて多くのドイツ語が取り入れられました。

この記事では、そんな「日本語としてもすっかり馴染んでいるドイツ語」の一部をご紹介します。

この記事は、こんな人におすすめ!
  • ドイツ語や言語に興味のある方
  • ドイツへ引っ越したばかりの方、もしくは引っ越す予定の方
目次

アルバイト(Arbeit)

アルバイト」は、日本語では「学生のバイト」や「副業」というニュアンスで使われていますが、ドイツ語の「Arbeit」は、「労働」や「仕事」全般を意味します。
つまり、ドイツでは正社員の仕事も「Arbeit」に含まれます。

ちなみにドイツ語で日本語の「バイト」に近いニュアンスを表すには、「Nebenjob」や「Minijob」という単語が使われます。

ゼミ(Seminar)

大学の授業でよく聞く「ゼミ」は、ドイツ語の「Seminar」に由来します。
ドイツの大学では、講義(Vorlesung)と並んで、学生がより能動的に学ぶ場として、「Seminar」が重視されています。

日本でも、卒論や研究の指導を受けるための小規模な授業として定着しています。

リュックサック(Rucksack)

登山や旅行の際に使う「リュックサック」も、ドイツ語の「Rucksack」が語源です。
Ruckは「背中」、Sackは「袋」を意味し、まさに「背負う袋」のこと。

日本語では省略して「リュック」と呼ぶことも多いですが、元々はドイツの軍用語から広まったとされています。

ゲレンデ(Gelände)

スキー場でよく聞く「ゲレンデ」は、ドイツ語で「土地」や「地形」を意味する「Gelände」に由来します。
日本語では特にスキー用の斜面を指す意味で使われていますが、ドイツ語ではもっと広く「敷地」や「エリア」という意味で用いられます。

ちなみに、ドイツ語でスキー場のゲレンデは、「Skigelände」と言います。

グミ(Gummi)

グミ(もしくはグミキャンディ)」は、日本でも子どもから大人まで人気のお菓子ですが、その語源はドイツ語の「Gummi」。
「ゴム」を意味する言葉で、ドイツ語では天然ゴムや消しゴムなどにも使われます。

グミキャンディはそのゴムのような弾力から名付けられたと言われています。

バウムクーヘン(Baumkuchen)

年輪のような断面が特徴の「バウムクーヘン」も、ドイツ語のまま日本で定着した言葉です。
Baumは「木」、Kuchenは「ケーキ」を意味し、「木のケーキ」という直訳になります。

ドイツでは結婚式など特別な場で供されることが多い、ちょっと高級なお菓子です。

メルヘン(Märchen)

おとぎ話や童話を表す「メルヘン」は、ドイツ語の「Märchen」に由来しています。
グリム兄弟の童話集が有名ですが、ドイツでは「空想的で教訓的な物語」として子どもだけでなく大人にも親しまれています。

日本では、ロマンチックで幻想的なイメージの言葉として使われることもあります。

エネルギー(Energie)

エネルギー」は物理学用語としてだけでなく、「元気がある/ない」といった比喩的な意味でも使われます。
ドイツ語の「Energie」もアクセントの位置が異なるだけ。

ラテン語を起源に持つこの言葉は、各国の科学技術用語として幅広く使われています。

テーマ(Thema)

学校の作文や会議などで扱われる「テーマ」も、ドイツ語の「Thema」に由来します。
英語でも同様に「theme」が使われますが、ドイツ語は発音がより日本語の「テーマ」に近いため、日本語にはこちらが定着しました。

カルテ(Karte)

医療機関で使われる「カルテ」は、ドイツ語の「Karte」に由来します。
ドイツ語では、「カード」や「地図」といった意味でもよく使われますが、医療の文脈では患者の記録表を指します。

日本でも病院での診療記録として定着しています。

アレルギー(Allergie)

花粉症や食物アレルギーなど、現代人には身近な「アレルギー」は、ドイツ語の「Allergie」から来ています。
医学用語として19世紀に登場し、ドイツ語経由で日本に導入されました。

今では日本語の語彙としても完全に馴染んでいます。

ノイローゼ(Neurose)

一時期よく使われた「ノイローゼ」は、ドイツ語の「Neurose」が元です。
神経症という精神疾患を指す語ですが、近年では医学的にはあまり用いられなくなっています。

日本でも俗語的に「ちょっと精神的に参っている」といった意味合いで使われることがあります。

最後に

これらの単語を通じて見えてくるのは、日本とドイツの文化的なつながりの深さです。
明治以降、ドイツは医学や法制度など多くの分野で日本に影響を与えてきました。

私たちが何気なく使っている言葉の背景に、実はドイツ語というルーツがあると知ることで、ちょっとした発見や親近感を感じられるのではないでしょうか。
というわけで、今回は、言葉を通じてドイツとの距離がほんの少し縮まる内容を扱ってみました!

ゆとり
ドイツ生活6年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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