ドイツでは当たり前? タトゥーが日常に溶け込む国で暮らしてみて

ドイツに長く暮らしていると、日本に比べてタトゥーの存在感がとても身近だと感じます。
街中のカフェや電車、友人や同僚にもタトゥーを入れている人が多く、「ファッション」や「自己表現」として自然に受け入れられている印象を受けます。

本記事では、ドイツにおけるタトゥーの普及率などを他国と比較しつつ、文化的背景や私の実体験も交えて、日本との違いをご紹介します。

この記事は、こんな人におすすめ!
  • 近々ドイツへ引っ越す予定の方
  • ドイツのタトゥー文化に興味のある方
目次

ドイツではタトゥーが身近な存在

ドイツでは、タトゥーに対する社会の抵抗感が非常に低く、日常風景の一部として溶け込んでいます。
駅のプラットフォーム、公園のベンチ、カフェ、職場の同僚…。
とにかく「タトゥーの入っている人」を目にする機会が日本より圧倒的に多く、性別や年齢、職業を問わず身近な存在です。

これはファッションや個性の一部として肯定的に捉えられているためで、むしろタトゥーによって「自分らしさ」を表現する人が多く見られます。
私が現地で友人として知り合った人の中にも、大小様々なタトゥーを入れている人が多くいます。

統計データで見る:ドイツのタトゥー事情

ドイツ全体の普及率

  • ある調査結果によると、ドイツの成人の約35%がタトゥーを入れているとの調査結果があります。
    つまり、ドイツでは、約3人に1人がタトゥー所有者ということになります。
    (※参考サイト:https://www.frevler.de/post/5-statistiken-%C3%BCber-tattoowieren

年代別傾向

  • 特に若年層においてタトゥーを入れている割合が高くなっており、ある調査結果によると、18歳から45歳までに年齢層を限定した場合、その割合は44%にものぼるそうです。
    (※参考サイト:https://www.frevler.de/post/5-statistiken-%C3%BCber-tattoowieren

教育背景や性別による傾向

私のドイツの友人のことを考えた場合、タトゥーを入れている人は学歴の高さにかかわらずおり、幅広い社会階層に広がっていると感じます。
また、ドイツにおいてタトゥーのファンは男女にかかわらずいますが、傾向としては男性よりも女性により好まれているようです。
(※参考サイト:https://www.zeit.de/news/2022-07/11/laeuft-der-tattoo-trend-in-deutschland-aus

ドイツ vs 日本 vs 他国:国際比較

先程お伝えした通り、ドイツでは成人の約35%が少なくとも1つのタトゥーを持ち、若年層ではその割合がさらに高いとされています。
これは、欧米の主要国と概ね同程度かやや低い程度であるものの、日本とは大きく異なります。

  • イタリア:人口の48%がタトゥーを所有。
  • アメリカ:人口の46%がタトゥーを所有。
  • イギリス:人口の40%がタトゥーを所有。
  • フランス:人口の36%がタトゥーを所有。
  • ギリシャ:人口の35%がタトゥーを所有。
    (※参考サイト:https://de.statista.com/infografik/13950/die-meisttaetowierten-laender/

一方で、日本のタトゥー所持率は、2022年のデータでも成人全体で1~2%程度と非常に低くなっています。
(※参考サイト:https://www.wwdjapan.com/articles/1980820

日本では、タトゥーは歴史的に「ヤクザ文化」と結び付けられ、温泉・銭湯・プール・ジムなど多くの公共施設で入場制限の対象となっており、社会的なタブー感が残ります。
例えば、温泉や銭湯では、「タトゥーがある方の入場お断り」といった注意書きを見かけることはいまだに多くありますし、タトゥーを容認する場合でも、シールなどで隠す必要があることが大半です。

対して、ドイツや欧米諸国では、タトゥー文化が市民権を得ており、公共の場で制限されることは基本ありません
社会制度や文化背景の違いが、そのまま社会に現れていると言えるでしょう。

タトゥーに対する価値観の違いと変化

ドイツにおけるタトゥーに対する価値観

ドイツではタトゥーが「アート」であり「自己表現の手段」として高く評価されています。
実際、2000年に設立された組合 Tätowierkunst e.V. は、ドイツにおけるタトゥーを「視覚芸術」として認知させるための教育や展覧を積極的に展開しており、社会的地位向上に取り組んでいます。

日本におけるタトゥーに対する価値観の変化

一方、日本では、明治期以降に法的禁止があり、その後もヤクザとの結び付きによりタトゥーに対する強い忌避感が残りました。
しかし近年は、20代以下の多くの人がタトゥー緩和に賛成するなど、若年世代を中心に少しずつ意識が変化しているようです。
さらに、外国人観光客の増加により、東京などではカバーシールの導入やタトゥーOKの日を設ける温泉・施設も登場しています。

このように、日本でも「タブー」から「アート」への価値観の過渡期にあり、将来的な緩和傾向が予想されます。

まとめ

ドイツでは、タトゥーは日常生活に自然と溶け込んだ「自己表現の一環」であり、アートとして学術的に尊重されている面もあります。
統計的にも、成人の3人に1人がタトゥーを入れており、国全体で幅広く普及しています。

日本では、1~2%という低水準ながら、若い世代を中心に緩和を期待・容認する傾向があり、規制が徐々に解かれつつあります。
タトゥーを通して見えてくる文化の違いは、まさに「価値観の多様性」の象徴と言えるでしょう。

ゆとり
ドイツ生活6年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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