ドイツ語のことわざや慣用表現には、クマが踊ったり、犬が埋まっていたりする?

ドイツ語には、日本語にはないユニークな言い回しがたくさんあります。

意味を知らないと「えっ?」と驚くものばかりですが、実はドイツ人にとってはごく普通の表現。
日本語のことわざ慣用句と比べてみると、その文化の違いが見えてくるかもしれません。

今回は、ドイツ人が日常的に使う面白い表現をいくつか紹介します!

この記事は、こんな人におすすめ!
  • ドイツ語を勉強中、もしくは勉強予定の方
  • ドイツ語に関する雑学に興味のある方
目次

Ich verstehe nur Bahnhof.(私は駅しか分からない)

「何を言っているのか全然分からない」

「Bahnhof(バーンホーフ)」とは「駅」のことです。

でもこの表現が「全然分からない」という意味になるのは不思議ですよね。
語源には諸説あるようですが、一説によると、第一次世界大戦中、兵士たちは「駅(Bahnhof)」と聞くと「ついに休暇で帰れる!」と考え、それ以外の話が頭に入らなかったとか。

そこから「何を言っているのか分からない」=「駅しか分からない」という表現になったという説があります。

📌 例文
A: „Sorry, ich verstehe nur Bahnhof. Kannst du mir das noch einmal erklären?“(ごめん、さっぱり分からなかった。もう一回説明してくれる?)

Tomaten auf den Augen haben.(目にトマトが乗っている)

「周りが見えていない」「注意力がない」

直訳すると「目にトマトが乗っている」となります。
日本語で言うと「節穴」や「目が曇る」に近い表現です。
例えば、友達が目の前にある看板を見落としていたら、「目にトマトが乗ってるの?」とツッコむことができます。

📌 例文
A: „Du bist gerade an dem Café vorbeigelaufen!“(今、カフェの前を通り過ぎたよ!)
B: „Oh, ich habe wohl Tomaten auf den Augen.“(あ、周りが見えてなかったみたい。)

Da steppt der Bär.(そこではクマが踊る)

「めちゃくちゃ盛り上がってる!」

直訳すると「クマが踊っている」ですが、意味は「すごく賑やか」「パーティーのように盛り上がっている」というものです。
イベントの宣伝にも使われることがあり、例えば「Komm vorbei, hier steppt der Bär!(来てみて、ここは超盛り上がってるよ!)」のような使われ方をします。

📌 例文
A: „Wie war die Party gestern?“(昨日のパーティーどうだった?)
B: „Super! Da hat der Bär gesteppt!“(最高だったよ!すごく盛り上がった!)

Jetzt mal Butter bei die Fische.(さあ、魚にバターをつけよう)

「はっきり言え!」「核心をついて話せ!」

ドイツ北部の漁師町発祥の表現で、魚料理にはバターが欠かせないことから、「ちゃんと本題に入れ!」という意味になりました。
例えば、誰かがずっと話を引き伸ばしていて肝心なことを言わない時に使えます。

📌 例文
A: „Ich habe da eine Idee… aber ich weiß nicht, ob ich es sagen soll…“(アイデアがあるんだけど…言うべきか迷うな…)
B: „Jetzt mal Butter bei die Fische!“(はっきり言ってよ!)

Wo sich Fuchs und Hase gute Nacht sagen.(キツネとウサギが「おやすみ」と言い合う場所)

「ものすごく田舎」「人里離れた場所」

直訳すると「キツネとウサギが『おやすみ』を言い合う場所」ですが、その意味は「すごく田舎」や「何もないところ」です。
日本語の「ド田舎」に近い表現です。

📌 例文
A: „Wo wohnst du jetzt?“(今どこに住んでるの?)
B: „In einem kleinen Dorf, wo sich Fuchs und Hase gute Nacht sagen.“(すごい田舎の村だよ。)

Den Nagel auf den Kopf treffen.(釘の頭を打つ)

「核心をつく」「的確なことを言う」

英語の「Hit the nail on the head」と同じ意味で、核心をつくぴったりの言葉や答えを出した時に使えます。

📌 例文
A: „Ich glaube, das Hauptproblem ist die fehlende Kommunikation im Team.“(問題の本質は、チームのコミュニケーション不足だと思う。)
B: „Genau, du hast den Nagel auf den Kopf getroffen!“(その通り!核心をついたね!)

最後に

今回紹介したドイツ語の表現は、日本語にはないユニークなものばかりです。
もちろん自分から無理して使う必要はありませんが、このような表現を知っておくと、ドイツ人が日常会話で使った時にも対応できます。

ドイツ語のことわざや慣用表現は、その国の文化や歴史を反映しているものが多く、学ぶことでドイツ人の考え方や価値観をより深く理解することができます。
皆さんも、ぜひ面白い表現を覚えて、ドイツ語の会話に取り入れてみてくださいね!

ゆとり
ドイツ生活6年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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