ドイツのFührungszeugnisとは?申請方法や必要な場面を解説

ドイツで生活していると、日本にはない様々な手続きが必要になることがあります。

その一つが「Führungszeugnis(フュールングスツォイクニス)」の取得です。
これは、日本でいう「無犯罪証明書」や「警察証明書」にあたるもので、就職やビザ申請などの際に求められることがあります。
私自身も、2024年11月にミュンヘンで転職するにあたり、Führungszeugnisを申請・取得し、新雇用主に提出しました。

この記事では、Führungszeugnisとは何か、どのような場面で必要になるのか、そしてどのように申請・取得するのかを詳しく解説します。

この記事は、こんな人におすすめ!

・ドイツで暮らしており、Führungszeugnisの取得が必要になった方

目次

Führungszeugnisとは何か

Führungszeugnisは、ドイツの連邦司法庁(Bundesamt für Justiz)が発行する公式な証明書で、過去に犯罪歴があるかどうかを証明するものです。
これは、ドイツに居住する個人が持つ「犯罪履歴証明書」とも言えるもので、特に職業上の信頼性が求められる場面で必要とされます。

Führungszeugnisのサンプル
Führungszeugnisのサンプル

Führungszeugnisにはいくつかの種類がありますが、主に以下の2つが一般的です。
ちなみに、筆者はPrivates Führungszeugnis(私用の証明書)を申請・取得した経験があります。

Führungszeugnisの種類
  • Privates Führungszeugnis(私用の証明書 / Belegart “N”)
    – 個人用の標準的なFührungszeugnisで、雇用主やその他の機関に提出するために発行される。
    – 申請者本人に送付され、内容を確認したうえで提出できる。
  • Behördliches Führungszeugnis(官公庁用の証明書 / Belegart “O”)
    – 公的機関向けのFührungszeugnisで、申請者ではなく、直接指定の役所に送付される。
    – 滞在許可やドイツ国籍の申請などで使用される。

Führungszeugnisはどのような時に必要なのか

Führungszeugnisは、以下のような場面で必要とされることがあります。

Führungszeugnisが必要な場面
  • 就職活動:特に教育、医療、福祉関連の職業や、子ども・高齢者と関わる仕事では、雇用主が求めることが多い。
  • ビザや滞在許可の申請:ドイツで長期滞在を希望する場合、移民局から提出を求められることがある。
  • ドイツ国籍の取得:帰化申請の際に、無犯罪であることを証明するために必要。
  • 養子縁組の手続き:子どもを養子にする際、適格性を確認するために提出を求められることがある。

筆者は、転職にあたり、新しく決まった雇用主からこのFührungszeugnisの提出を求められました。
提出が必要なことは、雇用契約書におおよそ以下のような文言で書いてありました。

“Der Arbeitnehmer verpflichtet sich, ein polizeiliches Führungszeugnisse der Belegart “N” unverzüglich zu beantragen und diese dem Arbeitgeber unaufgefordert nach Erhalt zur Einsicht vorzulegen.”

つまり、Privates Führungszeugnis(私用の証明書 / Belegart “N”)を速やかに申請し提出することを、雇用主から求められました。

Führungszeugnisの申請・取得方法

Führungszeugnisの申請は比較的簡単ですが、事前に準備しておくべき点もあります。
また、申請から受領までに数週間掛かることが一般的なため、手続きをできるだけ早く開始することをおすすめします。

また、Führungszeugnisの申請には、市民局(Bürgeramt)で申請する方法と、オンラインで申請する方法の2通りがあります。

1-1. 市民局(Bürgeramt)での申請

必要なもの:

  • 有効な身分証明書(パスポート、滞在許可証等)
  • 申請手数料(2025年3月30日時点で13ユーロ)

手続き:

1. 最寄りの市民局(Bürgeramt)に予約を取る。
※ミュンヘンの場合は、2025年3月30日現在、以下のサイトから予約可能です。
https://stadt.muenchen.de/service/info/hauptabteilung-ii-buergerangelegenheiten/1063570/#k-contact
2. 予約日時に市民局の指定された窓口に出向き、Führungszeugnisを申請したい旨を伝える。
3. 手数料を支払う。(支払い時に、支払い用の別窓口に行く場合もあり)

ドイツ博士

僕の時は、別途面倒な申請書類に記入する必要はなかったし、役所の人から質問されることもほとんどなかったよ。
聞かれたのは、必要なFührungszeugnisの種類とその使用用途だけだったよ!

1-2. オンラインでの申請

滞在許可証に紐づいた6桁の暗証番号は、滞在許可証の申請・受領時に受け取る5桁の暫定暗証番号を使って自分で設定するものです。
入力時に3回間違えるとロックが掛かってしまいます。

ドイツ博士

僕は、オンラインで申請したかったけど、1年前に自分で設定した滞在許可証の6桁の暗証番号を忘れてしまっていたから、仕方なく市民局で申請したよ。

2. 取得に掛かる時間

通常、申請から受領までに2〜3週間程度掛かります。
特に年末年始などは混雑するため、余裕を持って申請することをおすすめします。

市民局で申請する場合、必要であれば、Führungszeugnisの申請をした旨を証明する書類を無料で発行してもらうことが可能です。

3. 受け取り方法

Führungszeugnisは、申請方法に関わらず、申請時に指定した住所に郵送されます。
官公庁用の証明書を申請した場合は、直接該当する役所や機関に送付されます。

最後に

Führungszeugnisは、ドイツでの就職やビザ申請など、様々な場面で必要となる重要な証明書です。
申請は比較的簡単ですが、取得までに時間が掛かるため、必要になりそうな場合は早めに準備しておくことが大切です!

ゆとり
ドイツ生活5年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次