ドイツの小麦粉一覧|日本の薄力粉・強力粉との違いと使い方ガイド

ドイツで自炊するときにまず困るのが 「小麦粉(Mehl)の種類」 です。
日本では薄力粉・中力粉・強力粉という呼び方が一般的ですが、ドイツでは Type番号(例:Type405 / Type550 / Type812 など) で分類され、選び方や用途が大きく変わります。

この記事では、ドイツの代表的な小麦粉の特徴と、日本の料理(和食・パン・お菓子)でのおすすめの使い方をわかりやすく解説します。

この記事は、こんな人におすすめ!

・今後ドイツに長期滞在予定の方
・ドイツで暮らしていて自炊をしている方
・ドイツの小麦粉事情に興味のある方

目次

日本とドイツにおける小麦粉の分類の違い

日本とドイツでは、小麦粉が異なる基準で分類されています

日本の小麦粉は主に「タンパク質(グルテン)含有量」に基づき、「薄力粉」「中力粉」「強力粉」に分けられます。これに対し、ドイツでは「ミネラル(灰分)含有量」が基準で、番号(Type)で分類されています。

ドイツで小麦粉の「ミネラル含有量」または「灰分含有量」とは、粉に含まれる無機物の総量を指します。
これには、小麦の粒や殻(ぬか)に由来する主要なミネラルであるカルシウム、カリウム、リン、マグネシウム、鉄、亜鉛などが含まれます。
これらミネラルの含有量が低いほど(=粉の数字が小さいほど)精製度が高く、白くてきめ細かい粉になります。
反対に、数字が大きくなるほど、外皮や胚芽に近い部分が多く含まれ、色が濃く、風味の強い粉になります。

それぞれのタイプについて、タンパク質含有量とミネラル含有量の目安を以下に示します。

日本の小麦粉

日本では、タンパク質含有量に基づいて小麦粉が分けられており、種類によって用途が異なります。
一般的な種類とそれぞれのタンパク質含有量の目安は、以下の通りです。

種類タンパク質含有量ミネラル含有量主な用途
薄力粉6.5-8.5%0.30-0.45%ケーキ、クッキー、天ぷらなど
中力粉8.0-10.5%0.40-0.55%うどん、お好み焼きなど
強力粉11.5-13.5%0.45-0.60%パン、ピザなど
日本の小麦粉の分類

日本の小麦粉は、タンパク質含有量が高いほどグルテン量が多く、弾力が強くなります
そのため、薄力粉はケーキやクッキーに適しており、強力粉はパンやピザなどの生地に適しています。

ドイツの小麦粉

ドイツでは、ミネラル(灰分)含有量に基づいて小麦粉がタイプ番号で分けられており、種類によって用途が異なります。
一般的なタイプとそれぞれのミネラル含有量目安は、以下の通りです。

タイプミネラル含有量タンパク質含有量の目安主な用途
Type 405約0.4%9-11%ケーキ、クッキー、ソース作りに使用
Type 550約0.5-0.6%10-12%軽いパン、焼き菓子
Type 630(スペルト小麦粉)約0.6%11-13%パンや焼き菓子
Type 812約0.8%11-13%しっかりしたパン、ピザなど
Type 1050約1.0%12-14%全粒粉に近いパン、重量感のある焼き菓子
Type 1150(ライ麦粉)約1.1-1.3%13-15%ライ麦パン、風味の強いパン
ドイツの小麦粉の分類

ドイツの小麦粉のタイプ番号が高くなるほど、ミネラル含有量が増し、パンや焼き菓子により濃厚な風味を与えます。
また、タンパク質含有量も若干増える傾向にあります。

ドイツの小麦粉と日本の小麦粉の対応表

ドイツの各小麦粉のタイプを、日本の薄力粉・中力粉・強力粉に当てはめた場合は以下のように分類できます。

ドイツの分類日本の分類ミネラル含有量の目安タンパク質含有量の目安特徴および用途
Type 405中力粉約0.4%9-11%日本の中力粉に似ており、お好み焼きや天ぷらの衣、焼き菓子に適している。
Type 550中力粉~強力粉約0.5-0.6%10-12%うどん、ピザ生地、餃子の皮に適している。
Type 630(スペルト小麦粉)強力粉約0.6%11-13%スペルト小麦粉で、風味が豊か。お好み焼きやクレープ、デザートに使いやすい。
Type 812強力粉約0.8%11-13%うどん、パン、ピザ生地に適しており、日本の強力粉にやや近い性質。
Type 1050強力粉約1.0%12-14%全粒粉に近い粉で、風味のあるパンや濃厚な焼き菓子に向いている。
Type 1150(ライ麦粉)強力粉約1.1-1.3%13-15%ライ麦粉で、ドイツ独特のライ麦パンや風味の濃いパンに適している。
ドイツの小麦粉と日本の小麦粉の対応表
疑問ちゃん

つまり、ドイツには日本の薄力粉に該当するものがないということ!?

ドイツ博士

そういうことになるね。

日本の小麦粉との違いに戸惑う理由

ドイツの小麦粉に慣れるまで時間がかかる理由は、単に「名称が違う」からではありません。
最大の違いは、上記で述べたグルテン量と用途の考え方です。

日本では「薄力粉=グルテンが少ない」「強力粉=グルテンが多い」と用途が明確ですが、ドイツのType番号はあくまで灰分量の指標であり、グルテン量を直接示しているわけではありません

そのため、同じType405でもメーカーによって性質が微妙に異なり、
「前回はうまくいったのに、今回は微妙」
ということが起こりがちです。

これはドイツで料理をする多くの日本人が一度は経験するポイントだと思います。

ドイツの小麦粉を使って和食を作る際の注意点

天ぷらの衣

天ぷらの衣には日本の薄力粉が最適ですが、ドイツのスーパーマーケットには、日本の薄力粉相当のものが残念ながらありません。
そのため、中力粉と同じぐらいのタンパク質含有量であるType 405が最も近い選択肢です。

ただし、Type 405は、日本の薄力粉よりも多くのタンパク質を含んでいるため、冷水を加え混ぜすぎないようにするとサクサクに仕上がりやすくなります。

ドイツ博士

日本で作る時ほどサクサクに仕上がらないのであれば、それはドイツの小麦粉の高いタンパク質含有量(グルテンの量)が原因として考えられるよ!

お好み焼き・たこ焼き

お好み焼きやたこ焼きも、日本の家庭料理としてよく作る方が多いと思います。
この場合も、基本はType405がベースになります。

ただし、日本のお好み焼き粉と比べると、どうしても生地がやや重くなりがちです。
そのため、

  • 山芋(なければすりおろしたじゃがいも)を加える
  • だしをしっかり効かせる
  • 空気を含ませるように軽く混ぜる

といった工夫をすると、ドイツの小麦粉でもかなり日本に近い仕上がりになります。

ケーキ・クッキー

焼き菓子の場合は、Type405が基本です。
それでも日本の薄力粉より若干しっかりした仕上がりになるため、

  • ふるいにかける
  • バターと混ぜすぎない

といった点を意識すると、軽さが出やすくなります。

餃子・シュウマイの皮

餃子やシュウマイの皮を手作りする場合も、Type550が無難な選択です。
日本の強力粉ほどの弾力はありませんが、その分扱いやすく、皮が硬くなりにくいというメリットがあります。

うどん・麺類

うどんを作る場合、日本では中力粉が使われることが多いですが、ドイツではより強力粉に近いType550またはType812が比較的使いやすいです。
また、同じく日本の強力粉に近いタンパク質含有量にはなってしまいますが、Type 630スペルト小麦粉で風味が豊かになるため、より奥行きのある味わいが得られます。

スペルト小麦粉:古代から栽培されている小麦の一種で、通常の小麦粉よりも栄養価が高く、風味が豊かでナッツのような香ばしさが特徴です。

パン

日本風のパンを作る際にはType 812Type 1050が最も適しており、特にType 812は日本の強力粉に近い弾力が出やすい粉です。
Type 1050は色がやや濃くなるため、白っぽいパンを作りたい場合はType 812を使うと良いでしょう。

まとめ:ドイツの小麦粉と上手につきあうために

・日本では、タンパク質含有量に基づいて小麦粉が種類分けされているのに対し、ドイツでは、ミネラル(灰分)含有量に基づいて小麦粉が種類分けされている
・ドイツにおいてタンパク質含有量が最も少ないType 405でも、日本の中力粉相当であり、日本の薄力粉に相当するものがドイツのスーパーマーケットにはない。
・天ぷらの衣やお好み焼きにはType 405が、うどんにはType 550もしくはType 812が、日本風のパンにはType 812がおすすめ。

ドイツの小麦粉は、日本と同じ基準で分類されていないため、最初は戸惑うことが多いと思います。
しかし、Type番号の意味とそれぞれの特徴を理解すれば、和食も十分に再現できます。

ドイツ生活では「完璧に日本と同じ味」を目指すより、現地の食材に合わせて工夫することが長く続けるコツだと感じています。

ドイツにおいて、日本の薄力粉に相当するものを調達するのは、残念ながら困難です。
もし、どうしてもタンパク質含有量の少ない「薄力粉」を使用したいのであれば、日本食料品店を訪れたり、日本食料品店のオンラインショップを利用して、日本の薄力粉を購入するのが無難だと思います。

この記事が、ドイツで料理をする日本人の方にとって、少しでも小麦粉選びの助けになれば嬉しいです。

ゆとり
ドイツ生活6年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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