ドイツに住んでいると、意外と多くの人が感じるのが「雑貨や小物、なんでこんなに高いの?」という疑問です。
食料品やビールは「安い」と感じることも多いのに、ちょっとした日用品を買おうとすると、その値段にびっくりすることが少なくありません。
しかもこれは、最近の極端な円安が原因というよりも、円が強かった時から続く感覚です。
今回は、筆者がドイツで暮らす中で感じた、雑貨や小物の値段の高さと考えられる原因についてご紹介します。
・ドイツでの生活に興味のある方
・近々ドイツに引っ越す予定の方、またはドイツへの引っ越しを検討中の方
例えば、こんなに高い雑貨たち
日本の感覚で「これくらいなら100円か200円で買えるよね」と思って手に取ると、値札を見て思わず「えっ?」となってしまうようなものが、ドイツにはたくさんあります。
筆者が実際に値段が高いと感じたものとしては、例えば:
- ガムテープ
- 日本の100均なら110円で手に入るものが、ドイツでは普通に3〜5ユーロ(約480〜800円)程度します。しかも粘着力も微妙だったりします。
- セロハンテープ
- こちらも日本の100均なら110円で手に入るものが、ドイツでは2〜3ユーロ(約320〜480円)程度します。
- おたま・フライ返しなどのキッチン小物
- 安いものでも3ユーロ前後(約480円)、ちょっと質の良いものになると10ユーロ(約1,600円)以上します。
- ノート・文房具類
- 大きさやページ数にもよりますが、1冊あたり2.5ユーロ前後(約400円)します。また、日本のようにデザイン・品質・価格の三拍子が揃ったものはあまり見かけません。
- 食品用保存用タッパー
- 大きさにもよりますが、110円程度では購入できず、最低でも4ユーロ前後(約640円)します。
- 延長コード
- 最も安いものでも2mで4ユーロ程度(約640円)です。日本では、350円程度で買えることもあります。
これらはあくまで一部ですが、日常生活の中で「ドイツで雑貨や小物は高いんだよな…」と感じる場面は少なくありません。

100均がないという不便さ
日本にある「100円ショップ(100均)」は、本当に神のような存在です。
安くて便利で、しかも品質もなかなか高い!
そして、痒い所に手が届くような商品が本当に多く、実用的なアイデア商品が非常に多く販売されています。
ドイツにも似たようなお店として「1ユーロショップ(EuroShop)」がありますが、品揃えは少なく、品質も「とりあえず使えればOK」レベルのものが非常に多い印象です。
しかも、1ユーロ=約160円(2025年4月上旬の為替レート)と考えると、価格面でも「お得感」はあまり感じられません。
つまり、日本では「ちょっとしたもの」は100均でサッと買えるのに対して、ドイツでは「そのちょっとしたもの」に思いのほかコストがかかるのです。
そして、日本であれば100均で購入できるであろうものをドイツでも購入したい場合に、値段関係なくそもそもどこで買えるのかが分からないことが多くあります。
生活のちょっとした便利さが、ここで大きく差を生んでいると感じます。
なぜドイツでは雑貨が高いのか?
では、なぜこれほどまでにドイツでは雑貨や小物が高いのでしょうか?
いくつか理由が考えられます。
- 商品陳列方法および店舗構造の違い
- ドイツでは、日本のように狭いスペースに商品をぎっしり並べて効率的に売るという手法があまり浸透していません。店内の通路の広さを比べると、日本よりもドイツの方が広いことが多い気がします。こうした店舗の構造も価格に影響しているかもしれません。
- 人件費の違い
- ドイツでは最低賃金が日本より大幅に高く、製造業や流通の労働コストが日本よりも大きくなりがちです。また、日本の100均商品の多くは海外での大量生産・輸入によって安価に提供されていますが、ドイツでは同様のビジネスモデルがなかなか成立していません。
- 日用雑貨を中心に扱うディスカウントチェーンの少なさ
- 日本の100均は、「全国どこにでもある・常に在庫がある・ほぼすべてが安い」という特徴がありますが、ドイツには、そうした日用雑貨を販売する大規模なディスカウントチェーンがほぼありません。
- 「安さ」よりも「長持ち」を重視する文化
- ドイツでは、多少値段が張っても「頑丈なものを長く使う」という意識が強いように感じます。そのため、品質にこだわる商品が多く、結果として単価が高くなる傾向があります。ただし、ドイツの問題点は、日本に比べて値段が2倍だとしても、品質は1~1.5倍ぐらいしか良くないことが多いことです…。

最後に
日本から来たばかりの頃は「高すぎる…」と感じていた雑貨類も、長く住んでいると「まあドイツではそういうものだよね」と少~しは慣れてきます。
ただ、それでもやはり日本の100均の優秀さを思い出すたびに、あの便利さが恋しくなります。
「ドイツでの暮らし=何でも合理的で快適」と思っていた方にとっては、こうした日用品の「コスパの悪さ」はちょっとしたカルチャーショックかもしれません。
でも、そうした違いを楽しみながら、ドイツでの生活スタイルを自分なりに調整していくのも、海外生活の醍醐味ではないでしょうか。
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