ドイツで最も高い山は、ドイツ南部に聳えるツークシュピッツェ(Zugspitze)です。
ドイツとオーストリアの国境に位置しているツークシュピッツェの周辺は、毎日多くの観光客で賑わっています。
このツークシュピッツェの麓には、アイプゼー(Eibsee)という湖があります。
今回は、このアイプゼーについてご紹介したいと思います。
・ドイツ、特にミュンヘン周辺への旅行を予定している方、または検討中の方
・近々ドイツに引っ越す予定の方、または検討中の方
・ドイツの湖や観光地に興味のある方
アイプゼーの概要
標高2,962mのドイツ最高峰ツークシュピッツェ山は、日本でも有名なアルプス山脈の一角にあります。
ツークシュピッツェの麓にあるガルミッシュ=パルテンキルヒェン(Garmisch-Partenkirchen)という町は、1936年に冬季オリンピックが開催されたことでも知られています。
現在も、このガルミッシュ=パルテンキルヒェンは、スキーやハイキングといったアウトドアスポーツの玄関口として知られており、季節を問わず賑わっています。
ツークシュピッツェの麓には、ガルミッシュ=パルテンキルヒェンの他に、グライナオ(Grainau)という小さな村も存在しています。
このグライナオという自治体の西端に、ドイツで最も美しい湖の一つとされるアイプゼー(Eibsee)が広がっています。
アイプゼーは、オクトーバーフェストなどでも有名なミュンヘンの南西90km弱の場所に位置しています。
ミュンヘンからアイプゼーを訪問する場合は、先程ご紹介したガルミッシュ=パルテンキルヒェンの駅まで列車で移動し、そこからバスもしくはバイエルン・ツークシュピッツ鉄道という登山鉄道で、アイプゼーに到達することができます。
登山鉄道は別途チケットの購入が必要だけど、バスはDeutschlandticketで乗れたよ!
接続が良く乗り換えがスムーズにいけば、ミュンヘン中央駅からアイプゼーの湖畔まで、片道2時間程度で移動できます。
そのため、ミュンヘンからの日帰り旅行も十分可能です。
車だと、大きな渋滞が無ければ、ミュンヘンから1時間半弱だよ!
ツークシュピッツェの麓に位置する標高973mのアイプゼーは、面積1.77 km²の湖です。
小さな湖ではあるものの、ツークシュピッツェ周辺の湖としては最大のものです。
このアイプゼーには、湖を一周する散策コースが湖畔に沿って整備されています。
一周約7.2kmで、ほぼ平坦であり特別危険な場所は無いため、散歩感覚で散策することが可能です。
このコースからは、澄んだ緑色の水を抱えるアイプゼーはもちろんのこと、ツークシュピッツェ山、そして複数の2,000m級の山々を眺めることができます。
ちなみに、アイプゼーを訪れるおすすめの時間帯は、ツークシュピッツェ方向が逆光にならない朝または夕方です!
ツークシュピッツェがアイプゼーの南側に位置するため、12時から15時頃は特に逆光になってしまいます。
アイプゼーの湖畔を一周してみた!
筆者は、2024年5月10日にアイプゼーを訪れ、湖畔を一周する散策コースを歩いてきましたので、その時の様子を写真とともにご紹介します。
なお、一周するコースなので、時計回りも反時計回りも可能ですが、今回は時計回りでご紹介します。
アイプゼーのバス停から50m程(もしくはアイプゼーの駅から500m程)西方向に歩くと、すぐに散策コースに入り、アイプゼーが見えてきます。
「seeRestaurant EIBSEE Pavillon」というレストランもこの散策コースの入り口付近にあり、室内もしくは屋外で、各種ドイツ・オーストリア料理やビール等を楽しむことができます。
デザートのカイザーシュマーレンが特に人気だよ!
このレストランからさらに200メートル程散策コースを進むと、視界が開け、アイプゼーと北側の山がはっきりと見えてきます。
ここでは、湖の水に触れたり、湖畔に座ってのんびりすることが可能です。
さらに400m程進むと、アイプゼーとは別の小さな湖が登場します。
フリレンゼー(Frillensee)と呼ばれる木々に囲まれた湖で、後ろにはツークシュピッツェが迫っています。
このフリレンゼーを一周することは困難であり、恐らくハイキングコースのすぐ横が最も景色の良い場所ですので、そこからさっと眺めたり写真を撮ったりする程度で十分かと思います。
フリレンゼーを過ぎ、散策コースに沿ってさらに西へと進んでいきます。
コースの左手(南側)には針葉樹の森と苔むした地面があります。
森林浴をしながら、さらに西へと進んでいきます。
所々、湖の水に触わることができるぐらいアイプゼーに近寄ることができます。
しかし、アイプゼー南岸からの景色は、後ほどご紹介する北岸からの景色に比べるといまいちなため、あまり立ち止まらずにどんどん歩き進んでいく方も多いです。
散策コースに沿って歩き始めてから約1時間経つと、アイプゼーの西端に到着します。
ここからアイプゼーの方向を見ても木々が生い茂っているため、残念ながら湖はよく見えません。
その代わり、コットバッハの滝(Kotbach Wasserfälle)と呼ばれる小さな滝が、ハイキングコース左手(西側)にあります!
正直、迫力のある滝ではなく、インパクトの大きいものではまったくありません。
しかし、この滝が、散策コースを約半分歩いたということと、アイプゼーの西端に到達したということを知らせてくれます。
コットバッハの滝の近くでは、写真のように大量の水が湧き出ているところも見られます。
コットバッハの滝から散策コースに沿って東に600m程に歩くと、再度視界が開け、アイプゼーの南側の景色が非常に綺麗に見える場所に到着します。
アイプゼーの北側にある山々よりもさらに高い山が南側には聳えており、5月の時点では、多くの雪が山肌に残っていることを確認できました。
ドイツ最高峰のツークシュピッツェもはっきりと確認でき、雪の積もる山の白や灰色、森の濃い緑色、湖の澄んだ緑色、そして空の青色といった色のコントラストやグラデーションが大変美しく見えます!
また、天気が良く風が穏やかな日には、湖面に映る山を見ることもできます!
ちなみに、ここから湖畔へは崖を数十メートル下る必要がありますが、急な崖ではありません。
体力と時間があればぜひ下りてみてください。
再度森の中を、散策コースに沿って進みます。
先程の眺望の良い開けた場所から1.2km程進むと、再度開けた所に出ます。
ここは、入り江のようになった場所であるため、先程の場所とはまた違い、木々を手前に配置した構図で写真を撮ることが可能です。
下の写真でも、木や山が湖面に綺麗に映っているのが確認できると思います。
さらに300m程歩いたところでも、似たような景色が見られます。
こちらでは、山と木がちょうど重ならないので、個人的には先程の場所よりこちらの方がお気に入りです!
ツークシュピッツェもはっきりと見えています。
先程の場所からさらに600m程進むと、アイプゼー・ブリュッケ(Eibsee-Brücke)と呼ばれる細い橋に到着します。
ここでも簡単に湖畔に近づくことができ、アイプゼーとツークシュピッツェの見える景色を楽しむことができます。
この場所は、バス停や駅から近いこともあって、今までご紹介した場所以上に多くの観光客がいる傾向にあります。
ピクニックや日光浴、水浴びなど皆さん様々な方法で自然を満喫しており、子供連れの家族も多く見かけました。
写真左手に見えるのが、アイプゼーホテル(Eibsee-Hotel)で、この裏側にアイプゼーのバス停や駅があります。
ここからバス停や駅までは、10~15分程度掛かります。
まとめ
- ドイツ最高峰であるツークシュピッツェ山の麓に、澄んだ緑色の湖アイプゼーがある
- アイプゼーまでは、公共交通機関でミュンヘンから2時間程度であり、日帰り旅行も可能
- アイプゼーには、湖畔に沿って湖を1周する散策コースが整備されている
- アイプゼーを訪れるおすすめの時間帯は、ツークシュピッツェ方向が逆光にならない朝または夕方
- アイプゼーの北側から見える景色が特におすすめ!
アイプゼーは、大変風光明媚な場所でありアクセスも容易です。
5月から9月の土日や祝日は特に混み合うため、朝早く出発することをおすすめします。
ぜひ、ツークシュピッツェなどと併せて訪れてみてください!
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