ドイツで車を運転する場合、場合によっては、日本の運転免許証をドイツの運転免許証に書き換える必要があります。
具体的には、連続してのドイツ滞在期間が6ヶ月を超える場合は、ドイツの運転免許証がないと運転ができません。
筆者も、今回のドイツ滞在期間が6ヶ月を超える前に、日本の運転免許証をドイツのものに書き換えてきました。
今回は、その時の経験に基づいて、ドイツ(特にデュッセルドルフ)での運転免許証書き換えの流れをご紹介したいと思います。
- ドイツ(特にデュッセルドルフ)で暮らしており、ドイツでも車を運転したい方
- ドイツでの滞在期間が6ヶ月を超える予定でドイツ(特にデュッセルドルフ)に引っ越し予定の方
- ドイツ(特にデュッセルドルフ)に最近引っ越してきた方
免責事項
今回ご紹介するドイツでの免許証書き換え方法は、2022年7月にデュッセルドルフにて、筆者自らの日本の運転免許証をドイツのものに書き換えた際の経験に基づくものです。
2024年初めに同じくデュッセルドルフで書き換えをした友人からの情報や、交通局などの情報によると、大まかな流れは現在(2024年5月)も変わっていないようです。
しかし、手続きの流れや必要書類、費用等は、年月とともに変更となる可能性があります。
また、今回ご紹介する内容は、デュッセルドルフで書き換えを実施した際の経験に基づいているため、他の自治体では多少異なる可能性があります。
ご自身がお住まいの自治体での最新情報については、各自治体の交通局のホームページよりご確認ください。
ドイツで車を運転するには?
ドイツで車を運転する際には、運転免許証の書き換えが例外なく必要になるのでしょうか?
答えはNoです!
ドイツ入国からの期間が6ヶ月を超えていない場合、以下のいずれかの書類でもドイツでの運転が可能です。
①日本の運転免許証 + 在外公館もしくはADAC(ドイツ自動車連盟)によるドイツ語訳
②日本の運転免許証 + 国際運転免許証
つまり、ドイツ入国から6ヶ月が経過していない場合には、日本の運転免許証をドイツのものに書き換えなくても、上記の書類を準備すれば運転することができます。
問題は、ドイツでの滞在期間が6ヶ月を超えた後に、ドイツで車を運転する場合です。
この場合は、ドイツの運転免許証への書き換えが必須となります。
必要書類や書き換え手続きの流れは、この後説明しますが、書き換えの前提条件は以下の通りです。
- 日本の運転免許証の有効期限が切れていないこと
- ドイツでの住民登録を完了していること
- ドイツに6ヶ月を超えて滞在できる滞在許可証(ビザ)を保有していること
もし、住民登録や滞在許可証の取得が完了していないのであれば、まずはそれらを終える必要があります。
運転免許証書き換え時の大まかな流れ
以下は、ドイツで、日本の運転免許証をドイツの運転免許証に書き換える際の大まかな流れです。
在外公館などで、日本の運転免許証のドイツ語訳(自動車運転免許証抜粋証明)を入手します。
各自治体の交通局のホームページなどで、書き換え申請のための訪問予約を取ります。
交通局での申請にあたり必要な書類を準備します。
必要書類を持参のうえ、交通局にて申請と手数料の支払いを行い、仮の運転免許証を受け取ります。
約2週間後から3ヶ月後に、郵送もしくは交通局で受け取ります。
Step 1:日本の運転免許証のドイツ語訳を取得する
まずは、お手持ちの日本の運転免許証のドイツ語訳(自動車運転免許証抜粋証明)を入手するところから始まります。
一般的なドイツ人は日本語ができないので、交通局で免許証を書き換える際には、この書類が必要になります。
このドイツ語訳(自動車運転免許証抜粋証明)は、在外公館もしくはADAC(ドイツ自動車連盟)で申請し、翻訳してもらう必要があります。
残念ながら、ドイツ語がお得意な方でも、ご自身で翻訳したものは基本無効ですのでお気を付けください。
筆者の場合は、デュッセルドルフの日本国総領事館で発行していただきました。
手数料は、2024年5月20日現在で14ユーロです。
また、申請時に必要な物は以下の通りです。
- 自動車運転免許証抜粋証明申請書
- 在外公館で入手可能な他、総領事館のホームページよりダウンロード可能(リンク)
- 有効なパスポート
- 日本の運転免許証(原本)
- 手数料支払いのための現金
在デュッセルドルフ日本国総領事館の場合、申請の翌日から数えて4開館日以降に受け取り可能だそうです。
筆者の場合、6月13日(月)に発行申請し、6月17日(金)に受け取りました。
ちなみに、筆者は窓口に出向いて発行申請をしましたが、郵送またはEメールで申請することも可能なようです。
その場合は、在外公館に出向く回数が受け取り時の1回のみになるうえ、手数料もクレジットカードで支払う場合は2,100円になるそうです。
為替レートによっては、14ユーロより2,100円の方がお得だよ!
郵送およびEメールでの発行申請方法、また最新の情報については、各在外公館のホームページをご確認ください。
在デュッセルドルフ日本国総領事館が公開している情報については、以下のリンクより確認可能です。(リンク)
Step 2:お住まいの自治体の交通局で、書き換え申請の予約をする
日本の運転免許証のドイツ語訳(自動車運転免許証抜粋証明)を入手したら、次は自分が住んでいる自治体の交通局(FahrerlaubnisbehördeもしくはFührerscheinstelle)を、予約をしたうえで訪れる必要があります。
※自治体によっては、予約不要な交通局もあるかもしれませんが、ドイツではコロナ禍以降、多くの役所や機関で事前予約が必須になりました。ご自身がお住まいの自治体の交通局のホームページよりご確認ください。
筆者が住んでいるデュッセルドルフの場合、Höherweg 101にデュッセルドルフ交通局(Fahrerlaubnisbehörde)があり、書き換え申請で当該交通局を訪問するための予約は、その交通局の運転免許関連のページより可能です。(リンク)
以下は、デュッセルドルフにお住まいの場合ですが…
リンクを開いたら「Terminvereinbarung」をクリックし、次のページで「Führerscheinstelle」をクリックします。
その後、「Umschreibung ausländische Fahrerlaubnis / Dienstfahrerlaubnis」のタブを開き、「Umschreibung ausländischer Führerschein (Anlage 11 FeV)」の数を1にします。
(2人分まとめて予約する場合は、2にします。)
日本は、「Anlage 11 zur FeV」というグループに属しているから、ドイツ滞在開始から3年間は、ドイツでの筆記試験および実技試験が免除されるよ!
また、視力検査や応急処置トレーニングの修了証の提出も免除されるよ!
その後、希望日時を選択し、個人情報を入力すると予約ができるはずですが、予約がいっぱいのことも多々あります!
その場合は、また別の日(平日)に、予約枠に空きがないか確認してみてください。
デュッセルドルフの交通局では、毎朝7時に新たな予約枠が解放されるようです。
また、予約をすると24時間以内にメールが届くはずです。
そのメールは、予約内容の確認のためのものであり、選択した日時と要件に問題が無ければ、メール本文に記載のリンク(Bestätigungs-Link)をクリックして予約を確定する必要があります。
これを怠ると、一定時間経過後に予約がキャンセルされてしまいますので、ご注意ください!
Step 3:必要書類を準備する
予約を確定すると、予約確定メールが交通局(Führerscheinstelle)から送られてきます。
そのメールには、予約番号(Terminkennung)および当日必要な物の一覧などが記載されています。
また、予約のキャンセルや変更が必要な場合に使用するリンクも、メール本文に記載されていました。
日本語訳すると、筆者の場合、デュッセルドルフ交通局訪問時に必要な物は以下の通りでしたが、日時とともに変更となる可能性があるため、ご自身のメール内容をご確認ください。
また、他の自治体にお住まいの方も、他の書類が必要ないか、メールや各交通局のホームページにてご確認ください。
- 身分証明書
- 滞在許可証のカードでも十分かもしれませんが、パスポートを持って行くことをおすすめします
- 日本の運転免許証(原本)
- 日本の運転免許証のドイツ語訳(自動車運転免許証抜粋証明)(原本)
- ビザ申請用の証明写真(35 mm x 45 mm)
- 申請費用支払い用のECカード、クレジットカード、現金等
なお、2022年7月当時は現金での手数料納付が可能でしたが、今後現金での支払いが不可になる可能性がありますので、ご注意ください。
また、新しい証明写真が手元にない場合は、予約日時までに準備するようにしてください。
Step 4:予約日時に交通局を訪れ、書き換え申請を行う
筆者は、デュッセルドルフ在住であるため、デュッセルドルフの交通局で書き換え申請を行いました。
以下でご紹介する流れは、他の自治体では多少異なる可能性がありますが、大方の流れは同じではないかと思います。
デュッセルドルフ交通局に到着したら、階段やエレベーターでドイツの2階(日本の3階)を目指します。
そこに、予約番号およびブースが表示される待合室がありますので、そこで自分の予約番号が呼ばれるまで待ちます。
自分の番号が呼ばれたら、表示されたブースに向かいます。
ブースに着いたら、運転免許証の書き換えをしたい旨を係員に伝え、持参した必要書類を提出しましょう。
その際に、日本の運転免許証を(日本で身分証として使用するために)返却してほしいことも忘れずに伝えてください!
在デュッセルドルフ総領事館のホームページ記載の情報では、「回収された日本の運転免許証を、後日、ドイツ運転免許センターから在ドイツ日本国大使館宛に送付する運用をとっています」となっています。
しかし、デュッセルドルフ交通局では、返却してほしい旨を伝えれば回収されないようです。
回収されない代わりに、日本の運転免許証の裏面にドイツでは無効であることを示すシールを貼られるよ!
あと、なぜか返却手数料も取られる(笑)
手続きの最後に、手数料を支払います。
領収書を見ると様々な費用が請求されており、合計56.40ユーロ(2022年7月5日時点)を手数料として取られました。
結構高いね…。
手続き一式が完了すると、仮のドイツ運転免許証をその場で紙で受け取ることができます。
この仮の運転免許証で、ドイツの運転免許証(カード)を受領するまでの期間も、ドイツで運転することができます!
Step 5:ドイツの運転免許証(カード)を受領する
デュッセルドルフの場合、ドイツの運転免許証の受け取りは郵送でした。
そのため、再度運転免許センターを訪問する必要はありませんでした。
筆者の場合、7月5日に運転免許センターにて申請し、約3週間後に郵送され、ポストに投函されていました。
自治体やタイミングによっては、3ヶ月程度掛かることもあるようです。
書留で送られてくるわけではないのね…(笑)
ドイツ国内であれば、申請時に受け取れる仮の運転免許証で運転できるため問題ありません。
ただし、ドイツ国外(他のEU加盟国など)でドイツの運転免許証を使用して運転する予定がある場合には、時間に余裕を持って申請することをおすすめします!
まとめ
- ドイツ入国から6ヶ月間を超えた場合、ドイツで運転するには、日本の運転免許証をドイツの運転免許証に書き換える必要がある
- まずは、日本の運転免許証のドイツ語訳(自動車運転免許証抜粋証明)を取得する
- 「Anlage 11 zur FeV」に属している日本は、書き換え時に各種試験や検査が免除される
- 交通局で申請する際に、係員に日本の運転免許証を返却してほしい旨を伝える
- 申請時にその場で、仮のドイツ運転免許証を受け取れる
ドイツで運転免許証を書き換えるのは手間とお金の掛かる作業ではありますが、数年毎に再度書き換えを行う必要はありません。
次に実施する事務手続きとしては、15年後の免許更新のみです。
ドイツに6ヶ月以上居住予定の方で、日本の運転免許証をお持ちの方は、ドイツでの滞在期間が6ヶ月を超える前に(遅くても3年を超える前に)早めに書き換えを行うことをおすすめします!
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