列車のチケットが割引になるBahnCardとは?

ドイツには、国鉄であるDeutsche Bahnが発行・販売している、BahnCardというものがあります。
このカードを持っていると、ドイツでの長距離の移動がお得になります。

実際に、このカードを活用して旅行や出張をしている人が非常に多くいます。

今回は、ドイツで販売されているBahnCardについてご紹介したいと思います。

この記事は、こんな人におすすめ!

・ドイツに最近引っ越してきた方
・近々ドイツに引っ越す予定の方、または検討中の方

目次

BahnCardとは?

冒頭でも説明した通り、BahnCard(バーンカード)は、ドイツ国鉄であるDeutsche Bahnが発行・販売しているカードです。
Deutsche Bahnが運行する(もしくは関連する)列車のチケットを購入する際、持っているBahnCardの種類に応じて割引を受けることができます!

2024年5月30日現在、例えば以下のBahnCardが販売されています。

BahnCard 25
 - 長距離移動の際、フレックス運賃および割引運賃から25%割引

BahnCard 50
– 長距離移動の際、フレックス運賃から50%割引、また割引運賃から25%割引

BahnCard 100
– ドイツ全土において、すべての列車やバスなどが1年間乗り放題(Deutschlandticketも無料で発行)

すべてのBahnCardは、1年間の有効期間を基本としており、開始日は乗客自ら指定できます。
ただし、1年間ではなく3ヶ月間有効な「Probe BahnCard」というものも、各BahnCardに対してお試し用として用意されています。

Probe BahnCardの値段は、1年間有効なBahnCardの1/4より少し高いため、若干割高ではあります。
しかし、特定の3ヶ月に限ってDeutsche Bahnを頻繁に利用するのであれば、Probe BahnCardを購入し3ヶ月だけ割引を受けるというのも、賢い方法です。

また、各BahnCardには、1等車用のものと2等車用のものがあり、もちろん値段は1等車用の方が高く設定されています。
さらに、26歳以下を対象とした「My BahnCard 25/50」や65歳以上を対象とした「Senioren BahnCard 25/50」というカードもあり、こちらは普通のBahnCardよりも値段が安く設定されています。

BahnCard購入の注意点

BahnCardを購入する際は、いくつか注意点があります。

契約は、解約しない限り自動延長される

まず、BahnCardの契約は、基本1年ごとに自動延長されるサブスクリプション方式であるという点です。
Probe BahnCardの場合は、3ヶ月後に1年間有効なBahnCardへと自動的に移行します。

もちろん、延長料金は無料ではありません。
新規で契約した場合と同じ料金が請求されるようになっています。

現在所有しているBahnCardの期限が切れる1ヶ月前ぐらいになると、次の1年分の料金の請求書がメール等で届きます
その請求書の指示に従って、期限までに振り込みを済ませる必要があります。

請求書のイメージ
請求書のイメージ

期限までに振り込みを行わないと、郵送で催促の手紙が届きます。
その手紙には、遅延損害金も含めて新たな期日までに振り込むよう書かれています。

催促の手紙のイメージ
催促の手紙のイメージ

BahnCardの期限を延長せずに解約したい場合には、有効期間終了日の6週間前までに解約手続き(解約通知)を済ませる必要があります。
解約手続きは、Deutsche Bahnの公式サイトから可能です。
Deutsche Bahnのアプリ「DB Navigator」から公式サイトに飛び、解約することもできます。

ドイツ博士

BahnCardの期限延長を希望しない場合は、期限の6週間前までに済ませる必要がある解約手続きを忘れないでね!

BahnCard 50は要注意!

BahnCard 50については、適用される割引率に注意が必要です。
BahnCard 50で50%の割引を受けられるのは、フレックス運賃でチケットを購入する場合のみです!

フレックス運賃(Flexpreis)は、選択した日であればどの列車に乗車しても良いというチケットです。
そのため、当日の予定進捗具合に合わせて、乗車する列車を臨機応変に選択できます。

一方で、割引運賃(SparpreisもしくはSuper Sparpreis)は、チケット購入時に選択した特定の列車のみに乗車することができるチケットです。
例えば、当日寝坊して乗り遅れた場合は、新たにチケットを買い直す必要があります。

当然、フレックス運賃の方が値段が高いのですが、割引運賃と比較すると非常に高価です。
例えば、割引運賃で27.90ユーロのチケットが、フレックス運賃では155.00ユーロもします!

疑問ちゃん

ここまで差が大きいと、フレックス運賃で購入する人はほとんどいなさそう…。

ドイツ博士

僕は何度もDeutsche Bahnを利用したけど、フレックス運賃で乗車したことは一度もないよ!

割引運賃とフレックス運賃の差の例
割引運賃とフレックス運賃の差の例

そして、BahnCard 50で50%の割引を受けられるのは、この高いフレックス運賃でチケットを購入する場合のみです。
割引運賃でチケットを購入する場合は、BahnCard 25と同じ25%の割引率になってしまいます!

つまり、基本割引運賃でしかチケットを購入しない人にとっては、BahnCard 50は宝の持ち腐れ状態になってしまいます。
BahnCard 25の4倍程度の値段でBahnCard 50を購入しても、実際にはBahnCard 25と同じ恩恵しか受けられないからです。

それ故に、BahnCard 50の購入はあまりおすすめできません

ドイツ博士

毎回当日にチケットを購入する人であれば、フレックス運賃と割引運賃との差が小さいから、BahnCard 50の恩恵を受けられるのかもしれないけどね…。

まとめ

  • BahnCardを所持している場合、Deutsche Bahnが運行する(もしくは関連する)列車のチケットを購入する際に、割引を受けることができる
  • BahnCardには複数のタイプがあるが、BahnCard 50は要注意!
  • BahnCard 50で50%の割引を受けられるのは、非常に割高なフレックス運賃でチケットを購入する場合のみ
  • BahnCardの契約は、1年ごとに自動延長されるサブスクリプション方式

BahnCard 25であれば、元を取ることができることも多いはずです。
向こう1年間(もしくは3ヶ月間)の列車での長距離移動の回数等を考慮したうえで、元が取れそうか計算して必要に応じてBahnCardを購入し、ぜひお得に旅行してみてください!

ゆとり
ドイツ生活5年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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