ドイツでのアパート探しは、日本とは異なる独特の難しさがあります。
特に、都市部でのアパート探しは非常に競争が激しく、外国人や移住者にとってはさらに難易度が高く感じられることが少なくありません。
しかし、しっかりと適切な準備と対策をし、覚悟を持つことで、この難しい状況でも成功率を上げることが可能です。
ドイツでのアパート探しにおける主要な問題点、必要書類、アパートの種類、賃貸契約の種類、有用なウェブサイト、内見リクエスト送信時に使えるテンプレートについて、全3回に分けて詳しく解説します。
第1回目である今回は、ドイツでのアパート探しにおける問題点と必要書類についてお伝えします。
・現在、ドイツでのアパートを探し中の方
・ドイツのアパート事情に興味のある方
ドイツでのアパート探しの問題点#1 ~需要と供給のバランスの悪さ~
応募者が多すぎる現状
ドイツの特に大都市圏では、アパートを探している人数(需要)が空き物件の件数(供給)をはるかに上回っています。
例えば、ミュンヘンやベルリンでは、1つの物件に対してなんと100人以上の応募が殺到することがあります。
200人以上の応募者がいることもざらだよ!
応募者が数十人なら少ない方なのね…。
このため、アパート探しは非常に競争が激しく、大家さんや貸主に選ばれ、次のステップである内見に進めることが一つの大きな難関です。
つまり、大抵の場合は、内見に呼ばれることなく書類選考の段階で落選してしまうという訳です。
また、内見に呼ばれたとしてもまったく安心できません!
なぜなら、多くの場合、物件の内見者(つまり書類選考が通った人)は数十人にも及びます。
それゆえに、その中からさらに選ばれるためには、何事にも早急に対応しなければなりません。
対応が遅くなりタイミングを逃すと、希望の物件を失ってしまうことがよくあります。
ドイツ語が話せない、現在ドイツにいない、あるいは遠くに住んでいてすぐに内見に行けない人にとっては、これが大きな不利な要素となります。
情報の最新性と即応性が必要
ドイツでアパートを探す際には、内見に呼ばれた場合だけでなく、最初の段階から迅速な対応が求められます。
良い物件(実際には、そこまで良い物件でなくても…)は非常に早く市場から消え、また応募者が殺到してしまうため、インターネット上に物件情報が掲載された瞬間にすぐにアクションを起こす必要があります。
そのため、日々の生活において、常に最新の物件情報をチェックする必要があります。
ドイツでのアパート探しがあまりにも難しいため、1時間に一度程度チェックしている人も多くいます。
それゆえに、仕事や勉強の合間にも物件探しを優先せざるを得ない場面が多くなってしまいます…。
私がアパート探しをした際も、物件情報の確認を1時間に一回程度していたから、仕事に集中できなかったわ…。
だけど、応募した順に内見に呼ばれることもよくあるから、そうせざるを得ないんだよね…。
そのため、物件の情報が出たらすぐに内見のリクエストを送り、可能であれば内見日程を柔軟に調整できるようにしておくことが、成功のカギとなります。
詐欺的な家賃設定に引っかかるリスク
賃貸アパートの需要があまりにも高いため、家主や仲介業者の中には、相場を無視した高額な家賃を設定する者もいます。
特に外国人や初めてアパートを借りる人は、家賃の相場がわからなかったり、言語等の面で不利な状況に置かれやすいため、そのような不適切な条件でも契約してしまいがちです。
また、内見をせずに家賃の前払いを要求される詐欺や、内見前に多くの個人情報(パスポートの情報など)を盗み取ろうとする詐欺が多発しています!
そのため、慎重に物件や貸主の信頼性を確認することが求められます。
私も、家賃相場の2倍と思われる不親切な家主からメッセージをもらったり、内見リクエストに対する最初の返事で既にパスポートのコピー等を求められたことがあったよ…。
なかなかアパートが見つからないと確かに焦ってしまうけど、詐欺や明らかに不適切な条件には十分注意してね!
こうしたリスクを避けるためには、多くに物件情報を見たりして家賃の相場をしっかりと調査し、不審な点があれば躊躇せずに他の選択肢を検討することが大切です。
ドイツでのアパート探しの問題点#2 ~需要と供給のバランスの悪さ~
大都市における家賃の高騰
ドイツでは、全国的に年々家賃が上昇し続けています。
特に、ミュンヘン、ベルリン、フランクフルト、デュッセルドルフなどの大都市では、この傾向が顕著です。
これにより、特に新しくアパートを探す人にとっては、家計への負担が大きくなる一方です。
収入が増えているとしても、家賃の上昇ペースがそれを上回っている感が否めません。
そのため、引っ越す場合に、以前住んでいた物件よりも質の低いものしか選べないというケースも少なくありません。
それゆえに、長年に渡って同じアパートに住んでいる人は、家賃の上昇を恐れてなかなか引っ越したがらないよ!
それも、新しくミュンヘンに引っ越してきた人がアパートをなかなか見つけられない原因の1つだね。
為替の影響による負担
2024年のような極度な円安の状況下では、特に日本円での収入や貯金がある人にとって、ドイツの家賃は非常に高額に感じられることが多いでしょう。
ユーロ圏で生活するにあたって、為替レートの影響は無視できません。
円安が続く限り、ドイツでのアパート探しはさらに厳しいものとなります。
例えば、家賃が1,000ユーロの場合、1ユーロ=120円なら12万円だけど、1ユーロ=160円なら16万円にもなってしまうね…。
アパート探しに必要な書類
ドイツでのアパート探しにおいて、適切な書類をあらかじめ用意しておくことは非常に重要です。
多くの場合、内見リクエスト送信時や内見リクエスト承諾後に書類の提出が求められ、これがアパートを借りられるかどうかの大きな判断材料となります。
以下は、一般的に必要とされる書類のリストです。
- SCHUFA:ドイツの信用調査機関から発行される信用報告書です。家賃滞納歴などがないことを証明するため、家主はこれを重視します。事前に取得しておくことが推奨されます。
→しかし、ドイツに口座がない場合には基本発行できません。
→学生などの理由で特別な収入がなくても、ドイツの金融機関との関係や口座取引がある場合には発行可能です。 - Gehaltsabrechnung(給与明細):過去3ヶ月分の給与明細を提出することで、収入の安定性を証明します。
→直近に収入が無い場合は、銀行口座の残高証明書を代わりに用意しましょう。 - Arbeitsvertrag(雇用契約書):現在の雇用状況を示す契約書も提出を求められることがあります。特に新しくドイツに移住して仕事を始める場合には重要です。
→学生である場合には、入学許可証等を代わりに用意しましょう。 - Mietschuldenfreiheitsbescheinigung(家賃滞納がないことの証明書):現在の家主から発行される、家賃の未払いがないことを証明する書類です。これにより、家賃をきちんと支払う責任感のある借主であることを示します。
→筆者がドイツでアパートを探した際に、これが必須書類であったことはありませんが、あると好感度アップにつながるでしょう。
これらの書類を事前に準備し、必要な際にはすぐに提出できる状態にしておくことで、競争の激しいアパート探しにおいて有利に進めることができます。
コメント