ドイツで生活していると、街中の看板、郵便物、メール、そして会話の中でも、やたらと「省略形(Abkürzungen)」に出くわします。
「Hbfって何?」「ggf.っていつ使うの?」と戸惑った方も多いのではないでしょうか。
この記事では、私がドイツでの生活でよく目にし、知っていて良かったと感じた省略形をジャンル別にご紹介します。
ぜひ、皆さんのドイツ語学習やドイツ生活に役立ててください!
- ドイツ語初級~中級レベルの方
- ドイツへ引っ越したばかりの方、もしくはドイツへ引っ越す予定の方
よく見かけるインフラ・場所関連の省略形
Hbf(Hauptbahnhof/中央駅)
ドイツ中どこへ行っても見かける定番の略語。
例えば、「München Hbf」は「ミュンヘン中央駅」という意味です。
駅の案内板や公共交通のチケット、乗換案内アプリでも頻出なので、旅行者も住民も早めに慣れておきたい略語のひとつです。
Str.(Straße/通り)
住所表記で非常によく見かける略語です。
例えば「Lazarettstraße」は「Lazarettstr.」と略されます。
公式書類でも日常の郵便でも登場します。
ちなみに、「Strasse」と書かれることもありますが、ß(エスツェット)を使うのがドイツにおいては正確な綴りです。
Flugh.(Flughafen/空港)
鉄道やバスの行き先に「Flugh. Frankfurt」と書いてあれば、それは「フランクフルト空港」行き。
使用頻度は高くありませんが、ドイツの駅の電光掲示板等で見かけることがあります。
U / S(U-Bahn / S-Bahn)
「U」はU-Bahnの省略形で地下鉄を、「S」はS-Bahnの省略形で都市近郊鉄道を指します。
例えば「U6」や「S1」のように番号とセットで表記され、公共交通を使うなら絶対に覚えておきたい表記です。
DB(Deutsche Bahn/ドイツ鉄道)
切符、アプリ、鉄道の広告などでよく見かける「DB」のロゴは、ドイツ国鉄のこと。
列車の遅延や運休が多発するなどあまり評判が良くありませんが、ドイツで生活すれば必ずお世話になる会社です。
書き言葉・ビジネスでよく使われる省略形
z. B.(zum Beispiel/例えば)
会話にも文章にも頻出の略語。
「z. B. Lebensmittel, Kleidung und Möbel」などと書かれていれば、「例えば食品、衣類、家具」といった意味です。友達とのチャットなどカジュアルな場面でも、使用することがよくあります。
bzw.(beziehungsweise/あるいは・つまり)
日本語で言えば「または」「もしくは」「正確には」といったニュアンスを持つ、便利な接続語です。
「Kaffee bzw. Tee」は「コーヒーまたは紅茶」。
かなり多くの文脈で登場するので、読み書きともに慣れておきたい略語です。
u. a.(unter anderem/特に〜)
複数の例が挙げられる状況で、「特に~などが含まれる」などと特定の例を強調して伝えたいときに使います。
「Er hat u. a. in Berlin und München gearbeitet.(彼は、特にベルリンやミュンヘンで働いていた)」のように使われます。
i. d. R.(in der Regel/通常は)
契約書や案内文書などで、「原則として」「一般的には」という意味で使われる略語です。
例えば、「i. d. R. innerhalb von 2 Werktagen(通常は2営業日以内)」のように登場します。
abs.(Absender/差出人)
封筒の表記で見かける略語。
「Abs.: 山田太郎」と書かれていれば、「差出人:山田太郎」という意味です。
ちなみに「Empf.(Empfänger/受取人)」も合わせて覚えておくと便利です。
Abk.(Abkürzung/省略形)
「この単語は省略されていますよ」と伝えるために、「Abk.」と表記されることがあります。
辞書や用語解説でしばしば見かけます。
日常会話・SNS・メッセージでよく使われる略語(口語や俗語も含む)
ドイツ語のカジュアルなやり取りでは、省略形が大活躍します。
WhatsApp、Instagram、XなどのSNSでもよく使われていて、慣れていないと意味が分からず戸惑うこともあります。
ここでは、特に実用的なものを紹介します。
usw.(und so weiter/~など)
日本語の「〜など」に相当する略語で、「und so weiter」の省略です。
詳細なリストや説明を省略して「それ以外も含む」というニュアンスを出すときに便利です。
書き言葉でも話し言葉でも使われますが、文章では「usw.」と省略形で書かれることが非常に多いです。
vllt.(vielleicht/たぶん)
「vllt.」は「vielleicht(もしかしたら)」の略で、カジュアルな文章では使用されることが多くあります。
「Kommst du morgen? – vllt.」といった形で使われます。
lg / LG(liebe Grüße/ではまた)
メールやメッセージの最後に書く「ではまた」「よろしく」のような定型句。
「Liebe Grüße」が正式ですが、略して「LG」「lg」と書かれることが多く、フレンドリーな印象です。
若干フォーマルさを保ちたい時は、「Viele Grüße」(VG)も使われます。
kA(keine Ahnung/わからない)
「知らないよ」「わからない」という意味で、口語で非常によく使われます。
「Was ist das? – kA 🤷」といったように、気軽なトーンで使われる略語です。
asap(as soon as possible/できるだけ早く)
これは英語の略語ですが、ドイツ語圏でも普通に使われています。
「Bitte antworte mir asap!(できるだけ早く返信してね!)」など、仕事でも私生活でもよく登場します。
lol / omg / thx など
これらも英語からの略語ですが、ドイツ語のチャット文化にしっかりと根付いています。
それぞれ、「笑」「やばい」「ありがとう」と同じ感覚で使われます。
na? / jo / nö
以下は省略系というよりもスラングですが、口語的に使われる表現です。
- 「na?」=「どう?元気?」というようなあいさつの一言
- 「jo」=「ja(はい)」のゆるい言い方
- 「nö」=「nein(いいえ)」のくだけた言い方
これらを理解しておくと、日常のやりとりがグッとラクになります。
まとめ:どう覚える?どう対応する?
ドイツ語の省略形は、とにかく文脈が命。
同じ略語でも使う場面によってニュアンスが異なることもあるので、まずは「この略語はどんな場面で登場するか?」に注目してみましょう。
省略形に慣れるためのコツとしては、以下のようなものが挙げられます:
・実際のドイツ語の文章を読む(メール、ニュース、ポスター、広告など)
→ 頻出する略語が自然に身につきます。
・SNSやチャットのやり取りに触れてみる
→ WhatsAppやXなどでのやり取りを観察して、実際の使い方を知る。
・分からなければ辞書やネットで検索を習慣に
→「Abkürzung + 略語」で調べると意味が出てきます。
また、公式文書などフォーマルな場では、略語の意味をわからないままにしておくと重要な情報を見逃すこともあるので、最低限の略語は押さえておくと安心です。
略語はドイツ語のスピード感や文化の一部です。
最初は戸惑うかもしれませんが、一度覚えてしまえば読み書きも会話もグッと楽になります。
ドイツ語の略語は、「知っているか知らないか」で情報処理のスピードが全然違ってくるので、今回紹介したものをきっかけに、ぜひ少しずつでも覚えていってくださいね!

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