ドイツ料理と聞くと、多くの人がまず思い浮かべるのは「ソーセージとビール」ではないでしょうか?
私自身も、2014年にドイツで1年間交換留学をするまでは、その程度のイメージしか持っていませんでした。
しかし、実際にドイツで暮らしてみると、地域や季節によって異なる様々な料理があり、素朴ながらも深い味わいがあることに気が付かされました。
この記事では、ドイツ在住歴6年以上の私が「ぜひ一度は食べてみてほしい」と思うおすすめドイツ料理をご紹介します。
- ドイツ料理に興味のある方
- 近々ドイツへ引っ越す予定の方、またはドイツへ旅行する予定の方
ドイツ料理の魅力とは?
ドイツ料理の魅力は、まず「地域ごとの個性の強さ」にあります。
南部のバイエルンでは肉料理やビールとの相性を重視した重厚な味わいの料理が多く、ライン川流域ではフルーティーなソースが印象的な煮込み料理が親しまれています。
北ドイツでは魚を使った料理も多く、「ドイツ料理」とひとくくりにしづらいほど、実はバラエティに富んでいます。
ドイツ博士まあ、とはいっても、日本ほどの地域差はないんだけどね(笑)
また、季節感を大切にした料理も意外に多く、例えば冬になると赤キャベツの甘酢煮(Rotkohl)やジャガイモ団子(Klöße)が家庭やレストランの定番に。
クリスマス前にはスパイスの効いた焼き菓子や温かい飲み物が並び、春には白アスパラガス(Spargel)を使った特別メニューが登場します。
全体的に味付けはシンプルですが、濃厚な味付けの料理が多い一方で食材本来の味を活かす調理法も多く、じわじわとクセになるのがドイツ料理の面白いところ。
ドイツへ旅行で来た方だけでなく、ドイツに長く住んでいる日本人でも、食べれば食べるほど新しい発見があります。


ドイツ在住者おすすめ!試してほしいドイツ料理8選
Sauerbraten(ザウアーブラーテン)
ドイツ版のローストビーフとも言える煮込み料理で、牛肉をお酢や赤ワイン、香辛料で数日間マリネした後に、じっくりと煮込んで仕上げます。
甘酸っぱいグレイビーソースが特徴で、赤キャベツ(Rotkohl)やジャガイモ団子(Klöße)と一緒に食べるのが定番。
ラインラント地方が本場とされますが、地域ごとにソースのレシピが異なるのも魅力です。
口の中でほろりと崩れる肉の柔らかさと、複雑な酸味がクセになります。


Weißwurst(ヴァイスヴルスト)
白くてふわふわとしたソーセージで、バイエルン地方の伝統料理です。
子牛肉と香辛料(パセリやレモンなど)で作られており、温めたお湯の中で提供されます。
朝食やブランチで食べるのが一般的で、正午を過ぎてから食べるのは「野暮」とされることも。
ヴァイスヴルストを正午までしか提供しないレストランも珍しくありません。
甘いマスタード(Süßer Senf)を付け、プレッツェル(Brezn)と一緒に食べるのが定番のスタイルです。


Schweinshaxe(シュヴァインスハクセ)
豚のすね肉をじっくりローストした、外はパリパリ中はトロトロの一品。
見た目のインパクトもさることながら、噛むほどに溢れる肉汁と香ばしい皮の風味に感動します。
こちらもバイエルン地方の名物料理で、ビールと一緒に楽しむのが王道。
観光客にも人気で、ミュンヘンのビアホールでは定番メニューです。


Käsespätzle(ケーゼシュペッツレ)
卵を多く使ったドイツ風の手打ちパスタにチーズをたっぷり絡め、フライドオニオンをトッピングした、アルゴイ地方(バイエルン州の一部およびバーデン=ヴュルテンベルク州の一部)発祥の郷土料理。
見た目はシンプルながら、チーズの濃厚さとモチモチの食感が後を引く味わいです。
ベジタリアンにも人気が高く、レストランでも家庭でもよく登場します。
特に寒い冬の日にぴったりの一皿です。


Maultaschen(マウルタッシェン)
「ドイツのラビオリ」とも呼ばれる、パスタ生地に肉やほうれん草、玉ねぎなどの具材を包んだ料理。
スープに入れても、焼いてもおいしく、冷凍食品でも手に入るほど市民権を得ています。
シュヴァーベン地方(南ドイツ中央部)の伝統料理で、かつて修道士が断食の際に肉を隠して食べるために発明したというユニークな起源もあります。


Currywurst(カリーヴルスト)
ベルリン発祥とされる庶民派グルメで、焼いたソーセージにケチャップベースのカレーソースをかけたB級グルメの王道。
フライドポテトやパンと一緒に、街角の軽食スタンド(Imbiss)で手軽に楽しめます。
ベルリンだけでなく、ドイツ国内の多くの町で売られており、お店によってソーセージやソースの味に個性があるのも面白いポイントです。
ビールのおつまみにも最適!


Rinderroulade(リンダールラーデ)
(比較的)薄切りの牛肉で、玉ねぎ、ベーコン、マスタード、ピクルスなどを巻き込んで煮込んだ家庭的な煮込み料理。
やや酸味のあるグレイビーソースが特徴で、Sauerbratenと並び、ドイツの冬の定番メニューです。
付け合わせにはやはり赤キャベツ(Rotkohl)とクローセ(Klöße)が鉄板。
日本人の口にも合いやすく、レストランで見かけたらぜひ一度試してみてほしい一品です。


Rotkohl & Klöße(ロートコールとクローセ)
最後は、メイン料理ではありませんが、これまでにも何度も登場した、ドイツ料理を語る上で欠かせない名脇役です。
Rotkohl(赤キャベツの甘酢煮)は、酸味とほんのりとした甘さのバランスが絶妙で、煮込み系の肉料理にぴったり。Klöße(ジャガイモ団子)は、モチモチとした食感でソースとの相性も抜群。
特にクリスマスディナーでは、これらがセットで登場することが多く、ドイツの家庭料理の温かさを象徴する存在です。


日本人の舌に合う?実際に食べてみて思うこと
「ドイツ料理って、日本人の口に合うの?」というのは、私がドイツに来てから何度か日本の友人に聞かれた質問です。
結論から言えば、多くのドイツ料理は、味付けが比較的シンプルでありながらもしっかりとしていることが多いため、濃い味付けやこってりとした料理が好みの人にとってはとても親しみやすいと思います。
特に、煮込み系の料理(Sauerbraten や Rinderroulade)は、ドイツらしい独特の酸味はありますが、肉の柔らかさやコクのあるソースの味が、日本の「おふくろの味」に通じるものがあり、個人的にはとても好きです。
また、Käsespätzle や Maultaschenなど、麺類・パスタ系は日本人にも受け入れられやすいはずです。
チーズの濃厚さや玉ねぎの甘み、ハーブの香りが程よく、どこか「家庭的」で温かみを感じます。
一方で、塩分が強めな料理(例えばプレッツェルやハム類)、酸味のある漬物(ザワークラウトなど)には、最初はやや驚くかもしれません。
ただ、何度か食べてみると不思議と慣れてしまいます。



塩分強めの料理は、健康には良くないけどね…
つまり、「最初から万人受けする味」ではなかったり、「毎日美味しく食べられる料理」ではないかもしれませんが、「じわじわと好きになる味が多い」、それがドイツ料理の魅力です。


まとめ
ドイツ料理を語る上で欠かせないのが、地域性と季節感です。
例えば、北と南では味付けや主要な食材に違いがあり、(日本ほどではないにしても)日本のように旅行をするたびに新しい料理に出会えるのがドイツの面白いところです。
バイエルン州では肉料理とビール、ライン川流域ではワインとよく合う料理、北ドイツでは魚を使った料理が楽しめます。
また、ドイツでは「季節に合わせた料理を楽しむ文化」も根強く残っています。
春になれば白アスパラガス(Spargel)の季節。
秋にはキノコやジビエ、冬には根菜を使った煮込みや焼き菓子が食卓に並びます。
季節ごとに変わるメニューに触れるたび、「今、この季節にしか食べられないものを楽しんでいる」という実感があります。
ドイツ料理は決して派手ではなく、和食のように芸術的でもありません。
でも、その土地で、その季節に食べるからこそおいしい、そんな暮らしに根ざした深みがあります。
日本から訪れる方も、ドイツに住んでいる方も、ぜひその魅力を味わってみてください!


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