ドイツ国内の引っ越しでやるべきNachsendeauftrag(郵便転送手続き)とは?

ドイツ国内で引っ越しを予定している方にとって、住所変更の手続きは欠かせないタスクの一つです。
中でも見落としがちなのが、旧住所に届く郵便物への対処です。

Nachsendeauftrag(転送依頼)というサービスを利用すれば、旧住所宛ての郵便物を新居へ自動で転送してくれます。

この記事では、その仕組みから申し込み方法、注意点まで詳しくご紹介します。

この記事は、こんな人におすすめ!

・ドイツ国内での引っ越しを予定している方

目次

Nachsendeauftragとは?

Nachsendeauftrag(ナハゼンデアウフトラーク)とは、旧住所宛に届いた郵便物を新住所に自動的に転送してくれるサービスです。
ドイツの郵便会社であるDeutsche Post(ドイチェ・ポスト)が提供しており、引っ越しの際にはとても便利です。

このサービスを利用すれば、転居後にまだ旧住所宛てに届く手紙や書類を、逃すことなく受け取ることができます。
例えば、銀行からの通知、保険会社からの書類、公的機関からの重要な手紙などを見逃すリスクが減ります。

転送の対象となるのは主に「手紙」や「はがき」といった通常の郵便物です。
DHLを含む小包(Paket)の転送は含まれないため、注意が必要です。
また、新聞や雑誌の定期購読や広告チラシなども一般的には対象外となります。

申し込み方法と費用

Nachsendeauftragの申し込みは、オンラインまたは郵便局の窓口で可能です。

オンライン申込

Deutsche Postの公式サイト(https://www.deutschepost.de)にアクセスし、Nachsendeauftragの申込ページから手続きを進めます。
フォームに旧住所・新住所・希望する転送期間などを入力し、支払いを済ませれば完了です。
操作は比較的シンプルで、数分で申し込めます。

店舗での申込

最寄りの郵便局(Postfiliale)でも申請可能です。
必要事項を記入した申込用紙を提出し、その場で支払いを行います。

転送サービスの期間は6ヶ月間のみで、費用は2025年5月時点で28.90ユーロです。

疑問ちゃん

日本では1年間無料でやってくれるのに、ドイツでは期間も短いうえに有料なの!?

申込時には、本人確認(ID提示)を求められる場合があります。
特に同居人や家族の郵便もまとめて転送したい場合は、それぞれの名前も申し込み時にきちんと登録しておく必要があります。

いつから・どのくらい前に申し込めばいい?

Nachsendeauftragは、できれば引っ越しの1〜2週間前までには申し込むのが理想です。
公式には、希望する転送開始日の5営業日前までに手続きを完了しておくよう推奨されていますが、余裕を持って準備しておくことで安心です。

もし、明日の分から転送をしたいなど、転送開始希望日の直前に申し込む場合は、10ユーロ(2025年5月時点)追加で払うことで対応してくれます。

申し込み時に「転送開始日」を自由に設定できるため、早めに申し込みをし、引っ越し直後から確実に郵便物を受け取りたい場合は、転居日当日もしくはその前日を設定しておくと良いでしょう。
なお、一度申し込むと、期間の延長や転送先の変更は原則できないため、引っ越しが確定してから申し込むようにしてください。

転送されないもの・注意点

Nachsendeauftragは便利なサービスですが、すべての郵便物が転送されるわけではありません
以下のようなものには注意が必要です。

小包・宅配便(Paket):DHLの小包であるかに関わらず、2024年7月1日から小包は転送対象外になってしまいました。以前は、追加料金を支払うことで、小包の転送も対象にすることができました。
新聞・雑誌の定期購読:一般的にはNachsendeauftragが適用されないようです。別途、出版社に住所変更の届け出が必要です。
銀行カードやPINなどのセキュリティ郵便:一部の銀行や行政機関からの重要書類は、転送不可で「本人限定郵便」扱いとなることがあります。

そのため、Nachsendeauftragを申し込むと同時に、重要な差出人には個別に住所変更の連絡をすることをおすすめします。
特に銀行、保険会社、学校、役所などには忘れずに通知しましょう。

住所変更との違いと併用のすすめ

よく混同されがちなのが、住所変更(Ummeldung)とNachsendeauftragの違いです。

Ummeldung:住民登録をする市役所に届け出る義務のある手続き。ドイツ国内での引っ越し時には、基本的に入居日から2週間以内に届け出る必要があります。
Nachsendeauftrag:郵便物の転送手続きであり、住民登録とは無関係な民間のサービスです。

つまり、Nachsendeauftragはあくまで一時的な「郵便物の転送」であり、住所そのものの変更手続きではないということです。

したがって、両者は必ず併用することが重要です。
Nachsendeauftragは、新居での生活が始まってすぐに郵便物を受け取るための「保険」のような役割を果たします。

まとめ

引っ越しは新生活の第一歩ですが、手続きが多くてつい郵便物のことは後回しにしてしまいがち。
Nachsendeauftragを利用すれば、見落としや紛失のリスクをぐっと減らすことができます。

日本と違い費用が掛かりますが、オンラインで手軽に申し込めるため利用しておくと安心です。
大切な書類を確実に受け取り、ストレスのない新生活をスタートさせましょう。

ゆとり
ドイツ生活6年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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