ドイツでの生活を始めると、文化や習慣だけでなく、日常的なコミュニケーション方法にも違いを感じることが多いでしょう。
特に驚くのが、スマホでの連絡手段です。
日本で当たり前に使われているLINEが、ドイツ人にはまったく通じないことも珍しくありません。
では、ドイツでは人々はどのように連絡を取り合っているのでしょうか?
この記事では、ドイツで一般的に使われている連絡手段や、日本人にとって意外なドイツ人のコミュニケーション習慣について詳しく解説します。
・近々ドイツに引っ越す予定の方、またはドイツへの引っ越しを検討中の方
・ドイツに引っ越して間もない方
・ドイツ人の連絡手段に興味のある方
LINEはドイツでは使われていない!?
まず、日本人にとっては驚きかもしれませんが、ドイツではLINEはほとんど使われていません。
筆者のドイツ歴が短かった頃、新しくできたドイツ人の友人にLINEの存在を説明したところ、「名前は聞いたことあるけど、使ったことはない」とか「名前すら聞いたことがない」という人がほとんどでした。
LINEの代わりに、ドイツで圧倒的なシェアを誇っているのが「WhatsApp(ワッツアップ)」です。
これは日本でいうところのLINEにあたるもので、テキストチャット、写真・動画の送受信、通話、グループチャットなどほぼ同様の機能を持っています。

WhatsAppとは?
WhatsAppは、Meta(旧Facebook)が提供する無料のチャットアプリです。
電話番号をベースにアカウントを作成し、スマートフォンに連絡先が登録されていれば、自動的にその相手とチャットができるようになります。

つまり、WhatsApp上で誰かとつながりたい場合には、電話番号を交換する必要があるよ!
以下は、WhatsAppのアプリを使用してできることの一覧です。
- テキストメッセージ:通常のチャットと同様に文字でのやり取りが可能
- 通話・ビデオ通話:インターネット回線を利用して無料通話ができる
- 音声メッセージ:ボタンを長押しすることで、自分の声を録音して送信
- 写真や動画の送信:スマホ内のメディアファイルをすぐに共有
- グループチャット機能:友人グループ、職場、学校のクラスなどでの連絡に便利
このように多機能で使いやすいことから、ドイツでは老若男女問わず利用されています。
プライベートでも仕事でも、まずWhatsAppが第一選択肢になることが多いです。


他に使われているアプリ
ドイツでは、WhatsAppが最も主流ではありますが、他にも以下のようなアプリが使われています:
- Instagramのチャット機能:相手の顔と名前、好みをまとめて覚えやすいという理由から、若い世代を中心にInstagramでお互いをフォローし合い、そのチャット機能を利用して連絡を取るスタイルが定着。
- Facebook Messenger:ドイツでも最近使われなくなりつつあるものの、昔からの知り合いとの連絡や、Facebook Messengerが主要連絡手段の国(北欧や中欧など)の人との連絡に使われます。
- Telegram:特定のコミュニティやチャンネルをフォローする際に使われることが多い。
- Signal:セキュリティを重視する人には人気。政府関係者やジャーナリストの間でも使用例あり。
ドイツ人はチャットよりも通話が好き!?
ドイツでの連絡手段において日本人が戸惑うポイントとして、ドイツ人が「通話」や「ボイスメッセージ」を非常によく使う点が挙げられます。
日本では「いきなり電話するのは失礼」「事前にLINEで一言送ってから」という考え方が一般的ですが、ドイツではそれとは真逆。
いきなり電話がかかってくるのは日常茶飯事です!



私は、相手の都合なんてどうでもいいと言わんばかりのドイツ人の通話好きには、なかなか慣れないわ…。
さらに、WhatsAppではボイスメッセージ(Sprachnachricht)を送るのも非常に一般的です。
確かに、ボイスメッセージ機能を使用すれば、より短い時間で多くのことを相手に伝えられることが多いです。
移動中や手が離せないときでも、ボイスメッセージを使えばより簡単に相手に伝えたいことを共有できます。
しかし、音声が不明瞭だったり滑舌が悪かったりすると、相手は「えっ、何て言った?」と聞き返さなければいけません。
また、ボイスメッセージの場合は、視覚化されて送られてくるチャットとは違い、わからない単語を辞書で引いたり、翻訳機能を使うのも受信者にとって容易ではありません。
さらに、外出先でイヤホンを持っていない場合には、再生を躊躇することもあるでしょう。



1分のボイスメッセージが届いたのに、中身は「えーっと」とか「うーんと」が大半を占めていることもよくあるわ(笑)
通話文化のメリットとデメリット
ドイツ人が通話を好む背景には、「早く、正確に、効率的に情報を伝えたい」という合理性があります。
テキストで誤解が生まれたり、レスポンスに時間がかかるよりも、直接話す方が確実だと考えるのです。
ただし、日本人にとっては少しプレッシャーを感じる文化かもしれません。
通話は突然相手の時間を奪うことにもつながりますし、その場で即座の判断を求められる場面も多く、ストレスに感じる人もいるでしょう。
特に、気心の知れない相手からの突然の通話は、日本人にとっては、ストレスに感じることも多いのではないでしょうか。
まとめ
・ドイツではLINEは一般的ではなく、WhatsAppが主流
・WhatsAppはテキスト、通話、音声メッセージなど多機能な無料アプリ
・InstagramやFacebook Messengerなども補助的に使われる
・チャットよりも通話やボイスメッセージを好む文化
・通話やボイスメッセージは効率的だが、慣れない日本人にとってはストレスになる場合も
ドイツでスムーズに人間関係を築くためにも、現地の連絡スタイルには早めに慣れておくと安心です。
「なぜいきなり電話が?」と戸惑うこともあるかもしれませんが、それもまた異文化の一つ。
柔軟に受け入れて、ドイツ生活を楽しんでください!
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