春が近づくと、ドイツの街にもやわらかなピンク色が彩りを添えます。
そう、ドイツでも桜が楽しめるのです。
遠く離れたヨーロッパの地で見る桜は、日本のものとはまた違った美しさがあります。
今回は、ドイツで見られる桜の種類や開花時期、そしておすすめの桜スポットをご紹介します。
春の散策がもっと楽しくなる情報をお届けします。
・ドイツへ引っ越して間もない方、もしくはドイツへの引っ越しを検討中の方
・ドイツの桜に興味のある方
ドイツで見られる桜の種類
ドイツで見かける桜は、観賞用として植えられた日本原産や交配種が多く、そのほとんどがソメイヨシノではなく「八重桜」、特に「カンザン(関山)」と呼ばれる品種です。
カンザンは濃いピンク色で花びらがふっくらとしており、開花時には木全体が非常に華やかに彩られます。
また、ソメイヨシノに比べて見頃の時期が長く、ソメイヨシノが散った後の季節に見頃となるのも特徴です。

ドイツではこの桜が主流で、「Zierkirsche(観賞用桜)」として親しまれています。
また、ドイツにおいて桜の木は、日本ほど本数が多くないものの、街路樹として植えられていることも多く、道沿いや公園、川沿いなどに並木のように咲き誇る姿を見ることもできます。
日本のような「お花見」という文化は一般的ではないものの、桜の季節になると多くの人々が桜並木周辺で散歩を楽しんだり、写真を撮ったりする光景が見られます。
また、最近は、ドイツやヨーロッパでの日本文化への関心の高さが影響して、公園などでお花見をする人も見かけるようになりました。
一方、日本で広く親しまれているソメイヨシノは、ドイツの寒さには弱いためあまり見られません。
その代わり、ドイツの桜は耐寒性に優れた種類が多く、花期も比較的長いのが特徴です。
満開の桜並木は、ヨーロッパの建築とも調和して、日本とはまた違った魅力を見せてくれます。

ドイツで桜が見られる時期
ドイツで桜が咲く時期は地域や年によって異なりますが、一般的には3月中旬から4月中旬に見頃を迎えることが多いです。
例えば、デュッセルドルフでは、筆者が暮らしていた2022年から2024年は、3月中旬から下旬にかけて開花して満開になっていました。
また、ミュンヘンでは、筆者は2015年や2020年、2025年などに桜の時期を迎えたことがありますが、3月下旬から4月中旬に開花して見頃を迎えていました。
やはり地域や年によって差はありますが、首都圏や京阪神の桜の時期よりも若干遅く、ゆったりと春の訪れを感じさせてくれます。

ドイツの桜の名所
ドイツには、在独日本人にも現地人にも人気の桜の名所がいくつかあります。
代表的なのがボン(Bonn)の旧市街にある桜のトンネルです。
ここでは、4月中旬頃になると濃いピンク色の八重桜がトンネルを作り、まるで絵本の世界のような風景が広がります。

ベルリンでは、市西部のGärten der Weltや市中心部北側のMauerpark周辺に桜の名所があり、春になると多くの人で賑わいます。
また、ハンブルクのAlster湖周辺や、フランクフルトのMain川沿いでも、桜並木が美しく咲き誇ります。
さらに、デュッセルドルフのNordparkやBarbarossaplatz、ミュンヘンのOlympiapark西部などもおすすめです。
どこもドイツの景色と桜のコントラストが絶妙で、日本とはまた違った風情が楽しめます。

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