バイエルン州の南端、アルプスの麓に佇むフュッセン(Füssen)は、美しい自然と歴史が交差する魅力あふれる街です。
ロマンティック街道の終点としても知られ、ノイシュヴァンシュタイン城への玄関口として訪れる人も多いですが、実は街自体にも見逃せない見どころがたくさんあります。
今回は、そんなフュッセンの旧市街や歴史的建築、そして自然スポットをじっくり巡る旅をご紹介します。
・フュッセンもしくはミュンヘンへの旅行を計画中の方
・ミュンヘンからの日帰り旅行を検討している方
・ドイツの観光スポットに興味のある方
フュッセン旧市街
フュッセンの旧市街は、カラフルな建物が並ぶ石畳の街並みが広がり、歩くだけでまるで中世にタイムスリップしたかのような気分を味わえます。

石畳の路地を歩けば、色とりどりの建物やかわいらしいカフェが並び、どこを切り取っても絵になる風景。
Lech川(レッヒ川)沿いを歩くと、川や山の緑と旧市街の建物の鮮やかな色が美しいコントラストを描き、写真映えも抜群です。

また、Stadtbrunnenと呼ばれる噴水の周辺には、歴史ある建物が数多く立ち並び、その中には商店やレストラン、カフェなどが入っています。

さらに、旧市街にある建物の中には、だまし絵が壁面に描かれたものもあります。
フュッセンならではの優雅な雰囲気を楽しみながら、気の向くままに街歩きを満喫しましょう!

Hohes Schloss(ホーエス城)
旧市街を見下ろす丘の上にそびえるのが、フュッセンの象徴ともいえるHohes Schloss(ホーエス城)です。
この城は、かつてアウクスブルクの司教たちの夏の宮殿として使われていました。

外観の特徴は、壁に描かれた「Illusionsmalerei(だまし絵)」の装飾。
窓や柱の絵が立体的に見える工夫が施されており、思わず本物と見間違えるほど精巧です。

城内には、バイエルン州立美術館の分館があり、ルネサンスやゴシック時代の宗教画や彫刻が展示されています。
また、塔に登ることもでき、そこからの眺めは絶景。
アルプスの山々や旧市街が一望できるので、ぜひカメラを持って訪れてみてください。

Benediktinerkloster St. Mang(ザンクト・マンク修道院 )
フュッセンの歴史を語る上で欠かせないのが、Benediktinerkloster St. Mang(ザンクト・マンク修道院)です。

8世紀に設立され、現在の建物は18世紀にバロック様式で建て直されたもの。
内部は豪華なフレスコ画や彫刻が施されており、まるで美術館のような美しさを誇ります。


特に見どころとされているのが、「死の舞踏(Totentanz)」という壁画。
14世紀のペスト流行を背景に、人間が死とともに踊る様子が描かれており、当時の人々の死生観を垣間見ることができます。

この壁画は、修道院内に併設されているMuseum der Stadt Füssen(フュッセン博物館)で見ることができます。
この博物館では、フュッセンの街の成り立ちや文化を深く知ることができます。
Heilig-Geist-Spitalkirche(聖霊病院教会)
フュッセン旧市街の中心に佇むHeilig-Geist-Spitalkirche(聖霊病院教会)は、その鮮やかなファサードがひときわ目を引く小さな宝石のような存在です。

18世紀のロココ様式で建てられたこの教会は、繊細な装飾と色彩豊かなフレスコ画が印象的。


外観の愛らしさに惹かれて中へ足を踏み入れると、静かで厳かな空間が広がります。
賑やかな街歩きの途中に、ほっと一息つける心のオアシスです。
Franziskanerkloster(フランシスコ会修道院)
レッヒ川のほとりに静かに佇むFranziskanerkloster(フランシスコ会修道院)は、13世紀まで時代を遡ることのできる歴史ある修道院で、フュッセンの精神的な拠り所でもあります。
落ち着いた雰囲気の中庭やバロック様式の教会は、今でも祈りの場として人々に大切にされています。

訪れると、時間がゆっくりと流れているかのような穏やかさに包まれ、まるで別世界にいるような感覚になります。

修道院の裏手からは、美しい山並みと街を一望できる絶景スポットもあり、観光の合間に静かなひとときを過ごしたい方にぴったりの場所です。

Lechfall(レッヒ滝)
フュッセンの自然を感じるなら、街の外れにあるLechfall(レッヒ滝)は外せません。

レッヒ川が流れ落ちる迫力満点の滝で、川のエメラルドグリーンの水が泡立ちながら流れる様子は、まさに絶景。
滝のすぐ近くには、ルートヴィヒ2世の記念碑も建てられており、彼がこの場所を愛していたことが伺えます。

滝を見下ろす橋からの眺めも素晴らしく、特に晴れた日には水面がキラキラと輝いて、心地よい風を感じながらの散策が楽しめます。
市街地から徒歩でも行ける距離なので、自然のパワーを感じたい方にはぜひ立ち寄ってほしいスポットです。

Walderlebniszentrum Ziegelwies(森の冒険センター ツィーゲルヴィース)
最後にご紹介するのは、フュッセンのすぐ南、オーストリアとの国境近くにあるWalderlebniszentrum Ziegelwies(森の冒険センター ツィーゲルヴィース)。
ここでは、自然を満喫しながら学ぶことができる体験型の施設です。

子供連れの家族には特におすすめで、Baumkronenwegという木々の間を歩く空中遊歩道や、川沿いを散策できるトレイルなど、自然の中で思い切り体を動かせるアクティビティがたくさん。
森の生態系や環境について学べる展示もあり、大人も楽しめる工夫が詰まっています。

ドイツとオーストリアをまたぐ散策路を歩くと、国境を越える体験もできるのがちょっとユニーク。
フュッセン観光の締めくくりに、リフレッシュしながら自然を満喫するには最適なスポットです。
コメント