ドイツには、まだ日本人にはあまり知られていない、魅力あふれる町がたくさんあります。
バイエルン州にある「アンベルク(Amberg)」もそのひとつ。
中世の面影を色濃く残しながらも、活気ある街並みと温かな雰囲気が魅力のこの町は、訪れる人をまるでタイムスリップしたかのような気分にさせてくれます。
今回は、そんなアンベルクの見どころをたっぷりご紹介します。
歴史好きの方も、のんびり街歩きを楽しみたい方も、きっとワクワクするはずです。
・アンベルク、もしくはミュンヘンやニュルンベルクへの旅行を計画中の方
・ミュンヘンやニュルンベルクからの日帰り旅行を検討している方
・ドイツの観光スポットに興味のある方
Marktplatz(マルクトプラッツ)
アンベルク観光の拠点にぴったりなのが、町の中心に位置する「Marktplatz(マルクトプラッツ)」です。

ここにはカフェやレストランが並び、地元の人たちの憩いの場となっています。
石畳の広場を囲む色とりどりの建物は、まるで絵本の世界のよう。
毎週開催される市場では、地元の新鮮な野菜やチーズ、手作りの雑貨などが並び、散策するだけでも楽しい気分に。
クリスマスシーズンには、美しいクリスマスマーケットが開かれ、広場全体が幻想的な雰囲気に包まれます!
Basilika St. Martin(聖マルティン大聖堂)
アンベルクの象徴ともいえる「Basilika St. Martin(聖マルティン大聖堂)」は、圧倒的な存在感を放つゴシック様式の美しい教会です。
15世紀に建てられたこの大聖堂は、バイエルン地方でも特に重要な宗教建築のひとつとされています。
目を引くのは、93メートルもの高さを誇る尖塔。
遠くからでもその姿を見つけることができ、町のシンボルとなっています。

内部に足を踏み入れると、静寂の中に響く足音とともに、荘厳な空気に包まれます。
ステンドグラスから差し込む光が、石造りの壁を美しく染め上げる様子は、まさに幻想的。
そのステンドグラスや繊細な装飾品は必見です!



また、大聖堂の前のMarktplatz(マルクトプラッツ)では、イベントや市場が開かれることも多く、観光客と地元の人々が交流する温かい雰囲気が漂います。
Rathaus Amberg(アンベルク市庁舎)
Marktplatz(マルクトプラッツ)に面して建つ「Rathaus Amberg(アンベルク市庁舎)」は、14世紀に建設された歴史ある建物です。

美しいゴシック様式のファサードが印象的で、まるでおとぎ話に登場するお城のような佇まいをしています。
現在も市庁舎として使われており、地元の政治や行政の中心的存在です。
建物の中央には、精巧に装飾された時計があり、時間になると鐘の音が町中に響き渡ります。

夏の時期には、市庁舎前の広場にテラス席が並ぶカフェがオープンし、美しい建物を眺めながらのんびりと過ごすのもおすすめです。
さらに、市庁舎内では歴史的な展示が行われていることもあるようなので、運が良ければその内部を見学できるかもしれません。
Stadtbrille(シュタットブリレ)
アンベルクで最もユニークなスポットのひとつが、「Stadtbrille(シュタットブリレ)」です。
直訳すると「街のメガネ」という意味ですが、その名の通り、まるで巨大なメガネのような形をした石造りの橋が川に架かっています。

建設された年代についてははっきりしていないようであり、14世紀後半から15世紀前半にかけて建設されたと考えられています。
中央にある2つの大きなアーチが、水面に映ると見事な「メガネ」の形になることから、このユニークな名前がつけられました。
写真映えするスポットとしても人気があり、川沿いの散策ついでに立ち寄るのがおすすめです。
特に朝や夕方の光が差し込む時間帯には、幻想的な景色が広がります。
Schiffgasse(シフガッセ)
「Schiffgasse(シフガッセ)」は、アンベルク旧市街を流れる小川沿いに続く、風情ある小道です。
その名の通り、かつてはこの小川を船が行き交っていたことから名付けられました。

現在では、穏やかな水面を眺めながら散策を楽しめる静かな場所となっており、地元の人々にも人気の散歩コースになっています。
小道沿いにはカフェやレストランも点在しており、のんびりと歩きながらお気に入りのお店を見つけるのも楽しいひととき。
春や夏には、花々が咲き誇り、さらにロマンティックな雰囲気を演出してくれます。
St. Georg(聖ゲオルク教会)
アンベルクの歴史的な建造物のひとつであるSt. Georg(聖ゲオルク教会)は、その美しさと荘厳さで訪れる人々を魅了します。

この教会はゴシック様式の特徴を持ち、14世紀から15世紀にかけて建てられました。
外観はシンプルながらも力強く、内部に一歩足を踏み入れると、精巧なかつ色鮮やかな彫刻や装飾品が目を引きます。
特に祭壇周りの装飾や聖人像の細やかな作りには、職人たちの技術の高さが感じられるでしょう。
また、教会の雰囲気はどこか温かく、静かに座っているだけで心が落ち着くような空間です。


歴史あるアンベルクの街並みを背景に佇むSt. Georg(聖ゲオルク教会)は、訪れる人にとって忘れられない場所となること間違いなしです!
Schulkirche(シュールキルヒェ)
Schulkirche(シュールキルヒェ)は、アンベルクの旧市街にひっそりと佇む美しいバロック様式の教会です。
その名前の通り、もともとは学校に付属していた教会で、学生たちが祈りを捧げる場所として使われていました。
現在では、静かな佇まいが心を落ち着かせてくれる隠れた名所のひとつです。
内部には優雅な装飾や繊細なフレスコ画が施されており、小さな教会ながらも見応え十分!
祭壇に近づくことはできませんが、観光客も少ないため、落ち着いた雰囲気の中でゆっくりと見学できる穴場スポットです。


Paulanerkirche(パウラーナー教会)
Paulanerkirche(パウラーナー教会)は、17世紀末から18世紀に建てられた教会で、すっきりとしつつも細やかな装飾と壮麗な建築美が見どころです。

かつては修道院に併設されていたこの教会は、今でもその重厚な雰囲気を残しており、内部に入るとまるで別世界に迷い込んだかのような感覚に包まれます。
黄金に輝く祭壇や細やかな装飾が施された壁、そしてステンドグラスは必見です!


街の中心部に程近い静かな場所にあるため、散策の途中で立ち寄るのにぴったりのスポットです。
Nabburger Tor(ナブブルガー門)
Nabburger Tor(ナブブルガー門)は、アンベルク旧市街の南東側に位置する堂々とした城門です。
14世紀に建設されたこの門は、かつてアンベルクへの主要な出入り口のひとつでした。

赤い屋根と白い壁のコントラストが美しく、今でもその威厳を保ち続けています。
門の上部には小さな塔があり、まるでおとぎ話の世界に入り込んだような気分にさせてくれるでしょう。
門をくぐると、そこから広がる旧市街の景色が一層ワクワク感を引き立ててくれるはずです。
Ziegeltor(ツィーゲル門)
Ziegeltor(ツィーゲル門)は、アンベルクにある歴史的な門のひとつで、赤レンガ造りの特徴的な外観が印象的です。
かつて防御の要として機能していたこの門は、現在でも当時の姿をしっかりと残しており、城壁の一部として街を守るように佇んでいます。

周囲の緑とのコントラストが美しく、写真映えするスポットでもあります。
Vilstor(フィルス門)
Vilstor(フィルス門)は、アンベルクの北側に位置する門で、フィルス川に程近い位置にあります。
旧市街側から門を抜けると、その先には緑が豊富な公園が広がります。

かつてこの門を行き交った商人たちの姿を思い浮かべながら、歴史に思いを馳せてみるのも面白いかもしれません。
Wallfahrtskirche Maria Hilf(巡礼教会マリア・ヒルフ)
アンベルクを訪れるなら、ぜひ足を延ばしてほしいのがWallfahrtskirche Maria Hilf(巡礼教会マリア・ヒルフ)です。

街の中心部から小高い丘を登った先にあるこの教会は、17世紀に建てられた巡礼地として、多くの人々に親しまれてきました。
丘の上からはアンベルクの街並みを一望でき、非常に美しい景色が広がります。
教会自体もバロック様式の優雅なデザインが特徴的で、内部に入ると静寂と厳かな空気に包まれる特別な場所です。
マリア様に祈りを捧げる巡礼者たちの思いが感じられるこの教会は、心に残るスポットとなるでしょう。


おまけ
世界一小さなホテル「Hotel Eh’häusl」
アンベルクには、「世界一小さなホテル」として知られる「Hotel Eh’häusl」 があります。
建物の幅はわずか2.5メートル、ギネス記録にも認定されたユニークな宿泊施設です。

このホテルには面白い歴史があり、18世紀のアンベルクでは結婚するために「家を持っていること」が条件とされていました。
そこで、ある商人が狭い土地の隙間に小さな家を建て、それをカップルに売り、結婚後に買い戻すという仕組みを考案しました。
この家は「結婚用の家」=「Eh’häusl」(ドイツ語で「小さな結婚の家」)と呼ばれるようになり、多くのカップルがこの家のおかげで無事に結婚できたのです。

現在では、モダンで豪華に改装されており、1日1組限定で宿泊できるロマンチックなホテルとして人気を集めています。
歴史とロマンスが詰まった、まさに特別な場所です。
牢獄を改装したホテル「Hotel Fronfeste “Rast im Knast“」
アンベルクにはもう一つユニークなホテル、「Hotel Fronfeste “Rast im Knast”」があります。
こちらは、かつての牢獄を改装して作られた、まさに「監獄体験」ができるホテルです。

「Fronfeste」という名前は、もともと刑務所や拘留施設を意味します。
この建物は1699年に建てられ、実際に300年以上も刑務所として使われていました。
2013年に改装され、ユニークな宿泊施設として生まれ変わりました。
ホテル内は、あえて監獄の雰囲気を残したデザインになっており、鉄格子付きの窓や簡素なベッドが再現されています。
ただし、実際にはモダンな設備も整っていて、快適に過ごせるのでご安心を!
部屋の名前も「Zelle」(独房)や「Wärterzimmer」(看守室)など、遊び心満載です。
「Rast im Knast」(牢獄でひと休み)という名前の通り、普段とは違った刺激的な体験ができるこのホテル。
アンベルクを訪れるなら、一度泊まってみるのもアリです!
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