ドイツ流クリスマスの楽しみ方!家族と過ごす特別な時間

ドイツの12月といえば、一年で最も特別な季節「クリスマス」です。
この時期になると街はキラキラと輝き、いたるところでクリスマスの装飾や温かい灯りに彩られます。

ドイツのクリスマスは、日本と比べて非常に伝統的で家族との時間を大切にする行事です。
街中に広がるクリスマスマーケット、手作りのクリスマスクッキー、そして美しいクリスマスツリーなど、すべてがこの季節ならではの魅力に満ちています。

この記事では、ドイツでのクリスマスの過ごし方をいくつかのテーマに分けて詳しくご紹介します。
ドイツならではのクリスマス文化を知りたい方や、次の旅行先としてクリスマスシーズンのドイツを検討している方に、少しでも雰囲気をお伝えできれば幸いです。

この記事は、こんな人におすすめ!

・ドイツに最近引っ越してきた方、もしくは近々引っ越す予定の方
・11月下旬もしくは12月にドイツを訪れる予定のある方
・ドイツのクリスマスシーズンの過ごし方に興味のある方

目次

クリスマスマーケットについて

ドイツのクリスマスマーケット(Weihnachtsmarkt)は、冬の風物詩として知られています。

全国各地で11月末から12月23日頃までの期間限定で開催され、地元の人々や観光客で賑わいます。
多くの屋台が立ち並び、クリスマスオーナメントや手工芸品、伝統的なお菓子などが販売されるほか、グリューワイン(ホットワイン)や焼きソーセージなどの屋台も人気です。
その香りや雰囲気が、人々を和やかな気持ちにさせます。

ただし、今回この記事では、クリスマスマーケットについての詳細な紹介は省略します。
以前、別の記事でミュンヘンのクリスマスマーケットについてご紹介しましたので、興味のある方はそちらをご覧ください。

ドイツでは、大都市だけでなく小さな町や村でも個性的なクリスマスマーケットが開催され、それぞれの土地柄や文化を感じられるのが魅力です。
例えば、エルツ地方では木製オーナメントが豊富に並び、ニュルンベルクではジンジャーブレッドが定番商品です。

クリスマスマーケットは単なる買い物の場ではなく、地元の人々にとっては友人や家族と一緒に訪れて冬を楽しむための大切な場所です。
その賑わいとともに、世界各地から訪れる観光客が加わることで、国際色豊かな交流の場にもなっています。

Plätzchen(クリスマスクッキー)について

ドイツのクリスマスシーズンには、Plätzchen(プレッツヘェン)と呼ばれるクッキーが欠かせません
12月に入ると、多くの家庭でクッキー作りが始まり、特に子どもたちはこのイベントを心待ちにしています。
生地を型抜きし、焼き上げたクッキーにチョコレートや砂糖でデコレーションを施すのは、家族全員で楽しめる伝統的な習慣でもあります。

Plätzchenには多種多様な種類がありますが、代表的なのは以下のようなものです。

  1. バニラキプフェル(Vanillekipferl)
    バニラ風味の三日月型クッキーで、口の中でほろほろと溶ける食感が特徴です。粉砂糖をまぶして仕上げます。
  2. シナモンスター(Zimtsterne)
    星形のシナモン風味の強いクッキーで、アーモンド粉を使用した香ばしい味わいが魅力です。白いアイシングで表面がコーティングされるのが一般的です。
  3. シュプルィツゲベック(Spritzgebäck)
    絞り袋で形作られるクッキーで、サクサクとした食感とバターの香りが楽しめます。クッキーの一部にチョコレートを付けて仕上げることも多くあります。

Plätzchenはスーパーマーケットやパン屋でも販売されていますが、家庭で手作りすることで、クリスマスらしい温かみのある時間を過ごすことができます。
ドイツでは、このPlätzchenをクリスマスまでの間に少しずつ楽しみながら食べ、家族や友人と共有するのが一般的です。

また、Plätzchenは、クリスマスパーティーや訪問先への手土産としても大活躍します。
日本でいう年末年始の「おせち料理」や「年越しそば」のように、ドイツのクリスマスには欠かせない一部になっています。
このクッキー文化を体験すると、ドイツのクリスマスがより特別に感じられることでしょう!

クリスマスツリーについて

ドイツの家庭には、クリスマスツリー(Tannenbaum)が高確率で飾られます。

特に特徴的なのは、多くの家庭が本物のモミの木を使用することです。
12月中旬になると、スーパーや街角の専門店でクリスマスツリー用のモミの木が販売され、多くの人々が家族で選びに行く光景が見られます。
購入した木は家に持ち帰り、ツリースタンドに立て、水を与えながら飾り付けを行います。

ツリーの装飾には、ガラス製のオーナメントや電飾、星形のトップスターが使われます。
これらの装飾品は家庭で代々受け継がれることが多く、特にガラス製オーナメントは職人技が光る一品として知られています。
最近では環境保護に対する意識の高まりから、リサイクル可能な素材やLED電球を使用する家庭も増えてきました。

さらに、ドイツではクリスマスツリーを1月6日の「公現祭」まで飾る家庭が多いのが特徴です。
この日はキリスト教の重要な祝日であり、クリスマスシーズンの締めくくりとして、ツリーを片付けます。

本物の木を使い、約1か月間大切に扱うこの習慣は、ドイツのクリスマス文化の象徴とも言えます。
木の香りが部屋全体に広がることで、視覚だけでなく嗅覚でもクリスマスの雰囲気を感じることができるのが魅力です。

Adventについて

ドイツのクリスマスシーズンは、11月末または12月初めの日曜日にある1回目の「Advent(待降節)」から本格的に始まります。

Adventはキリスト教の伝統で、クリスマスの約4週間前の日曜日からスタートし、4回の日曜日(Advent)を迎えることでイエス・キリストの降誕を待つ期間を意味します。
この期間は静かで厳かな雰囲気に包まれ、心の準備をする大切な時間とされています。

Adventの象徴的なアイテムとして、「Adventskranz(アドベントリース)」があります。
アドベントリースは、緑の植物や松の枝で作られた輪に4本のろうそくを立てたもので、家のリビングルームやダイニングテーブルに飾られます。
クリスマスの約4週間前にある1回目のAdvent以降、毎週日曜日に1本ずつろうそくに火をともしていき、クリスマス直前の最後の日曜日にはすべてのろうそくが灯ります。

この光は、希望や平和を象徴するとともに、クリスマスへの期待感を高めます。
家族でリースのろうそくをともしながら過ごす時間は、心温まるドイツの伝統です。

もう一つ、Adventに欠かせないのが「Adventskalender(アドベントカレンダー)」です。
これは12月1日から24日まで、カレンダー形式で毎日1つずつ窓や小さな箱を開けていくものです。

中にはチョコレートやキャンディー、小さなギフトが入っており、子どもたちはもちろん、大人も楽しみにしています。
スーパーマーケットや雑貨店で購入できる既製品のカレンダーも人気ですが、家庭で手作りすることもあるようです。

近年では、スイーツだけでなく、ティーバッグや入浴剤やビール、スキンケア商品など、様々な種類のAdventカレンダーが登場しており、大人も十分に楽しめるアイテムとして進化を遂げています。
このような日々の小さな喜びを通して、Adventは家族や友人とクリスマスの到来を待つ大切な時間となります。

クリスマス休暇について

ドイツでは、クリスマスは家族と過ごす大切な祝日として認識されています。

毎年12月25日と26日は祝日であり、多くの企業やお店は基本的にお休みです。
これらの日は「Erster Weihnachtstag(クリスマス第1日目)」と「Zweiter Weihnachtstag(クリスマス第2日目)」と呼ばれ、家族や親しい人々との集まりに使われます。

一方、クリスマスイブにあたる12月24日は公式には祝日ではありませんが、多くの企業では午前中のみ勤務を行い、午後から休暇となることが一般的です。
また、クリスマス前後に有給休暇を取得して長期休暇を取る人も多く、年末年始までまとまった休みを確保することで、家族とゆっくり過ごす時間を大切にする文化が根付いています。

ドイツ博士

だから、実際には12月24日の午前中も働く人は少ないよ!

この期間は、日本のような商業的な慌ただしさとは異なり、街は比較的静かになります
12月24日の午後以降は多くの施設や店が閉まり、公共交通機関の運行も制限されるため、クリスマスの準備は事前に済ませる必要があります。
スーパーやパン屋は、その直前の12月23日に大混雑することもあるため、地元の人々は早めの買い物計画を立てていることが多いです。

疑問ちゃん

つまり、12月24日から26日の間は、ドイツ旅行には適さないということね!

クリスマスイブや当日の過ごし方

ドイツでは、クリスマスイブ(12月24日)は家族にとって特別な一日です。
この日は「Heiligabend(聖なる夜)」と呼ばれ、多くの家庭で家族と集まり、静かに過ごします。

イブの夜、家族はクリスマスツリーの前で集まり、プレゼントの交換を行います。
ドイツではサンタクロース(Weihnachtsmann)ではなく、Christkind(幼子イエス)がプレゼントを運んでくるという伝統があり、特に南部地域ではこの考えが根強く残っています。
プレゼントの開封は、食事の後に行うことが一般的です。

夕食には家庭ごとに様々な料理が登場しますが、伝統的な食事の一例として「ソーセージとポテトサラダ」が挙げられます。
この簡素な料理は、かつての宗教的な習慣に由来し、クリスマス当日(25日)の豪華なディナーのために胃を休めておくという意味があります。
一方、最近ではローストガチョウ(Weihnachtsgans)や魚料理を楽しむ家庭も増えており、地域や家庭の文化によって違いがあります。

12月25日と26日には、家族の集まりが本格化します。
親戚や友人を招いたり訪問したりして、特別な食事を楽しむのが習わしです。
この期間のメニューはかなり豪華で、ローストポークやラム、魚料理などがテーブルを飾ります。
また、ワインやデザートもふんだんに用意され、家族全員で長時間かけて食事を楽しむのが特徴です。

さらに、多くの家庭では教会のミサに参加することも大切な行事です。
特に24日の夜には「Mitternachtsmesse(深夜ミサ)」が行われ、厳かな雰囲気の中でクリスマスの本来の意味を振り返ります。
教会の鐘の音や合唱隊の歌声が街中に響き、宗教的な静けさを感じられる時間です。

家族や友人との時間を大切にするドイツのクリスマスは、日本とは異なる温かみのある伝統文化にあふれています。

まとめ

・11月末からドイツ全国でクリスマスマーケットが始まり、多くの屋台が立ち並ぶ。
・ドイツのクリスマスシーズンには、Plätzchen(プレッツヘェン)と呼ばれるクッキーが欠かせない。
・ドイツでは、本物のモミの木を使用したクリスマスツリーを1月6日まで飾ることが一般的である。
・ドイツのクリスマスシーズンには4回のAdvent(待降節)が含まれ、それに関連してAdventskranz(アドベントリース)やAdventskalender(アドベントカレンダー)がある
・12月24日から26日の間は多くの施設や店が閉まるため、ドイツ旅行には適さない
・12月24日から26日の間は、親戚や友人を招いたり訪問したりして、食事やプレゼント交換などを楽しむ

ドイツのクリスマスは、家族との時間や伝統を大切にする温かい文化が感じられる素晴らしいイベントです。
忙しい日常を少し忘れて、大切な人と特別なひとときを過ごすためのヒントがたくさん詰まっています。

機械があれば、ぜひ一度ドイツのクリスマスを体験してみてください!

ゆとり
ドイツ生活5年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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