ドイツの大手スーパーマーケットでは、日本ほど種類が豊富ではありませんが、冷凍・冷蔵・缶詰の形でいくつかの種類の魚介類が手に入ります。
この記事では、ドイツの大手スーパーマーケットで購入できる魚介類について、その種類や価格の目安を紹介し、ドイツの食文化との関連についても考察します。
魚介類が身近な生活を送る日本人がドイツで暮らすうえで、何かしらのヒントとなれば幸いです。
・今後ドイツに長期滞在予定の方
・ドイツの魚事情に興味のある方
・ドイツのスーパーマーケットの品揃えに興味のある方
一般的な大手スーパーマーケットで購入できる魚介類
ドイツには、大手スーパーマーケットとして、Lidl、Penny、Netto、REWE、EDEKAなどがあります。
これらの店舗は、郊外だけでなく都市部にも多く出店しているため、ドイツで生活を行ううえで、普段から利用する方も多いと思います。
中には有人の鮮魚コーナーが別途設けられている店舗もありますが、割合的には少なく、例外的な存在です。
有人の鮮魚コーナーが設けられていない大手スーパーマーケットにおいては、主に以下のような魚介類が扱われています。
もちろん、店舗によって品揃えが大きく異なるから、以下に挙げた商品がどの店舗にもあるわけではないよ!
冷凍の魚介類
ドイツでは、冷凍の魚介類が広く普及しています。
長期保存が可能で、簡単に調理できる点が多くの家庭で重宝されています。
※価格は、2024年10月中旬時点のものであり、店舗やブランドによって大きく変わります。
サーモン(Lachs)
価格:100gあたり約2.1ユーロ~
冷凍のサーモンは、ほぼすべてのスーパーマーケットで見かけます。
ムニエルにしたり、白ワイン蒸しにしたり、竜田揚げにしたりと、様々な調理法で気軽に楽しむことができます。
LidlやAldiなどのディスカウントストアでも手に入り、鮮度や味も安定しています。
他の魚に比べてちょっと高いけど、安定して美味しいのよね~。
鮭(Wildlachs)
価格:100gあたり約1.1ユーロ~
冷凍された鮭は、通常のサーモンと比べて風味が豊かで、脂肪分が少ないのが特徴です。
そのため、健康志向の方や、よりナチュラルな味を求める人々に人気があります。
グリルしてソースをかけて食べたり、ホイル焼きにしたり、パスタのソースに使用したりと、鮭(Wildlachs)は使いやすい魚です。
REWEやEDEKAなどの大手スーパーマーケットを中心に購入可能で、品質も安定しています。
また価格はサーモン(Lachs)より安いため、低予算で魚を食べたい人にもおすすめです!
確かに、サーモン(Lachs)と鮭(Wildlachs)では、脂の乗りが大きく違うね!
日本語では、サーモンと鮭を区別しているからややこしいよね!
サーモンは淡水に生息し養殖物が多いアトランティックサーモンを指すことが多くて、鮭は海水に生息し天然物が多い銀鮭や秋鮭を指すことが多いよ!
ホキ(Seelachs)
価格:100gあたり約0.7ユーロ~
サーモンに次いで、ドイツでも割と見かける白身魚であり、フライや蒸し料理に適しています。
パン粉をつけて揚げる「フィッシュアンドチップス」の材料としても人気です。
REWEやEDEKAなどの大手スーパーマーケットを中心に購入可能で、低価格なのも嬉しい点です!
名前に「lachs」が入っているけど、サーモンや鮭ではないから要注意!!
タラ(Kabeljau)
価格:100gあたり約1.3ユーロ~
冷凍のタラは、その白くて柔らかい身と、さっぱりとした味わいで知られています。
フライやグリル、スープに適しており、健康的な低カロリー食材としても人気です。
脂肪分が少なく、特にダイエットや健康志向の方に最適な魚です。
REWEやNettoなどドイツ国内の大手スーパーマーケットで購入でき、調理が簡単で幅広い料理に利用できます。
ニジマス(Regenbogenforellen)
価格:100gあたり約0.8ユーロ~
ニジマスは、淡白な味わいと繊細な食感が特徴で、焼き物や蒸し料理に最適です。
特にヘルシー志向の方に支持されており、オメガ3脂肪酸が豊富で、心血管の健康にも良いとされています。
筆者は、REWEとNettoでこのニジマスを見かけたことがあります。
パンガシウス(Pangasius)
価格:100gあたり約0.6ユーロ~
パンガシウスは、その淡白な味とリーズナブルな価格で、特にフライやフィッシュカレーに使われることが多いです。
脂肪分が比較的が少なく、柔らかい食感が特徴で、幅広い調理方法に対応可能です。
また、特有の生臭さが少ないため、魚が苦手な方にも食べやすいのが特徴です。
エビ(Garnelen)
価格:100gあたり約1.3ユーロ~
冷凍のエビも、ドイツの大手スーパーマーケットで比較的簡単に手に入ります。
ただし、味付き、殻付き、殻なし、調理済みなど、様々なバリエーションがあるため、購入の際には注意が必要です。また、複数の種類のエビがあり、大きさや値段も様々です。
もちろん、冷凍のエビは保存が効くため、とりあえず買っておきいざという時にすぐに使える便利な食材です。
蓮根とエビのはさみ揚げは、我が家の定番料理だよ!
冷蔵の魚介類
冷蔵された魚介類には、冷凍品とは少し違ったバリエーションがあるとともに、より新鮮な味わいを楽しむことができます。
※価格は、2024年10月中旬時点のものであり、店舗やブランドによって大きく変わります。
サーモン(Lachs)
価格:100gあたり約1.9ユーロ~
新鮮なサーモンは、グリルやオーブン焼きなどで人気があります。
味が付いていないサーモンもありますが、味が付いたものも多くあり、例えばレモンやハーブ、パプリカなどで下味が付いた商品が売られています。
味の付いたサーモンは、手軽にそのまま加熱調理して美味しく食べられる他、サンドイッチやサラダに使うのもおすすめです。
しかし、ドイツの冷蔵サーモンは、刺身として食べるのには向いていません!
通常のスーパーマーケットで販売されているサーモンは、刺身用としての品質管理(特に寄生虫対策のための冷凍処理)がなされていないためです。
刺身で食べられないのは残念。。。
スモークサーモン(Räucherlachs)
価格:100gあたり約2.3ユーロ~
スモークサーモンは、冷蔵状態で真空パックに入って販売されることが一般的です。
ドイツにおいてスモークサーモンは、レモンやディルと一緒に提供されることが多く、特にサンドイッチの具、サラダの具、前菜として非常に人気があります。
スモークされているため、生のサーモンとは異なり、保存期間が長い点も魅力です。
また、ほぼすべての大手スーパーマーケットで購入可能であり、入手も簡単です。
冷蔵のニシンの酢漬け(Matjes)
価格:100gあたり約0.6ユーロ~
冷蔵のニシンの酢漬けは、その爽やかな酸味が特徴で、特にサンドイッチの具として人気があります。
伝統的にマリネされたニシンは、軽くコショウやハーブで味を整え、サワークリームやディルを添えて楽しむことも多いです。
特に北ドイツで人気があるよ!
小エビ(Eismeer Garnelen)
価格:100gあたり約1.9ユーロ~
冷蔵の小エビ(Eismeer Garnelen)は、そのプリッとした食感と甘みのある風味で人気があります。
サラダやパスタ、寿司、タパスなど、さまざまな料理に幅広く利用できる便利な食材です。
冷蔵状態での販売なので、鮮度が高く、そのままサラダに使ったり、軽くソテーしたりするだけで美味しくいただけます。
通常塩気が強いため、その小エビ単体で食べるのはあまりおすすめしません。
健康的なタンパク源としても非常に優れた選択肢です。
アンチョビ(Anchovis)
価格:100gあたり約3.4ユーロ~
冷蔵のアンチョビは、その濃厚な風味と塩味で知られ、ピザやパスタ、サラダに少量加えることで、料理に深い旨味をプラスします。
特にケーパーやオリーブと合わせることで、地中海風の味わいを引き立てます。
小さな容器で販売されており、保存も簡単で、料理のアクセントとして家庭で幅広く活用されています。
EDEKAやREWE、Aldiなどのスーパーマーケットで手に入ります。
日本よりだいぶ安く買えるよ!
ムール貝(Miesmuscheln)
価格:100gあたり約0.3ユーロ~
冷蔵のムール貝は、海の香りが豊かで、特に蒸したり、スープに加えたりするのに最適な食材です。
新鮮な状態で販売されているため、シンプルな調理でその甘みや独特の食感を楽しめます。
特に白ワインやガーリックで軽く蒸す「ムール貝のワイン蒸し」が代表的な調理法です。
ムール貝は低カロリーでタンパク質を多く含むため、ヘルシーな食材としても人気があります。
大手スーパーマーケットでは、筆者はこれまでにLidlでしか見たことがありません。
缶詰の魚介類
缶詰はドイツの食卓でも定番で、特に長期保存が可能な点から重宝されています。
※価格は、2024年10月中旬時点のものであり、店舗やブランドによって大きく変わります。
ツナ缶(Thunfisch)
価格:100gあたり約0.7ユーロ~
ツナ缶は、ドイツのどのスーパーマーケットでも取り扱っているうえ、使い勝手も大変良いです。
ヒマワリ油漬けやオリーブオイル漬け、水煮など、いくつかのバリエーションがあります。
サラダやパスタに使わことができる他、我が家では白菜と煮たり、お好み焼きの具として使ったり、卵スープに入れたりして使っています。
我が家では、ツナマヨおにぎりを作る際にも大活躍しているよ!
サーディン缶(Sardinen)
価格:100gあたり約0.8ユーロ~
缶詰のサーディン(イワシ)は、オリーブオイルやトマトソースで漬け込まれており、そのまま食べるのはもちろん、クラッカーやパンに乗せたり、パスタに加えることで、手軽に豊かな風味を楽しむことができます。
骨ごと食べられるため、カルシウム補給にも優れた選択肢です。
長期間保存できるので、常備食材として多くの家庭で使われています。
ニシン缶(Hering)
価格:100gあたり約0.5ユーロ~
缶詰のニシンは、長期保存が可能で、酢漬けやトマトソース入りなど、様々な味付けが楽しめます。
もちろん、そのまま食べることもできますが、サンドイッチの具材やサラダに手軽に加えられる点が魅力です。
また、ニシンはオメガ3脂肪酸が豊富で、特に心臓の健康に良いとされています。
ほぼすべての大手スーパーマーケットで手に入れることができ、手軽に栄養を摂取できる優れた食材です。
ドイツのスーパーマーケットで魚介類の取り扱いが少ない理由
ドイツのスーパーマーケットにおいて日本より魚介類の取り扱いが少ない理由は、主に食文化に起因しています。
ドイツ(特に南ドイツ)では、魚を食べる文化があまり発展していません。
これは地理的な要因も大きく、特に南ドイツは海から遠いため、歴史的に海産物が新鮮な状態で入手しづらかったという背景があります。
また、ドイツ料理は肉料理が主流で、豚肉やソーセージ、牛肉を使った料理が日常的に食べられています。
特に南ドイツでは、伝統的に魚よりも肉料理が好まれています。
例えば、バイエルン地方では「Weißwurst(白ソーセージ)」や「Schweinshaxe(シュバイネハクセ)」といった肉料理が人気メニューの一つとなっており、魚料理の存在感は薄いです。
一方、北ドイツでは海に近い地域も多く、魚料理がもっと日常的に食べられています。
特に、ハンブルクやブレーメンなどの港町では、ニシンやタラ、カレイなどが昔から好まれていますが、それでもまだ魚介類の消費量は控えめです。
ちなみに、ドイツでは冷凍や缶詰の商品が好まれる傾向があります。
これも、長期間保存できるという利点から生鮮魚介類よりも一般的に利用されている要因です。
まとめ
・ドイツでは魚介類を食べる文化があまり発達していないため、日本に比べて魚介類のバリエーションが少ない。
・日本で販売されているような魚介類を見つけることは容易ではないが、冷凍品や缶詰の魚介類を利用することで、家庭でもある程度の魚料理を取り入れることができる。
ドイツの大手スーパーマーケットには、稀に、有人の鮮魚コーナーが設けられていることがあります。
特にREWEやEDEKAの大型店舗にそのようなコーナーが設けられていることがあり、一段階上のクオリティの生鮮魚介類を購入できます。
そこでは、刺身用のサーモンが販売されていることもありますよ!
コメント