ドイツでのアパートの探し方#2 ~アパートの種類と賃貸契約の種類~

ドイツでのアパート探しは、日本とは異なる独特の難しさがあります。
特に、都市部でのアパート探しは非常に競争が激しく、外国人や移住者にとってはさらに難易度が高く感じられることが少なくありません。

ドイツでのアパート探しにおいては、自分に合ったアパートの種類や賃貸契約の内容を理解することが非常に重要です。
物件の条件や契約形態によって、生活の快適さや予算に大きな影響を及ぼすため、慎重な検討が必要です。

本ブログでは、ドイツでのアパート探しにおける主要な問題点、必要書類、アパートの種類、賃貸契約の種類、有用なウェブサイト、内見リクエスト送信時に使えるテンプレートについて、全3回に分けて詳しく解説しています。
今回は、第2回目として、ドイツのアパートの種類と賃貸契約のバリエーションについて詳しく解説します。
特に初めての方に向けて、選び方のポイントを紹介します。

この記事は、こんな人におすすめ!

・現在、ドイツでのアパートを探し中の方
・ドイツのアパート事情に興味のある方

目次

アパートの種類

ドイツには、複数の種類の賃貸アパートがあります。
そのため、それぞれの特徴やメリット、デメリットをしっかり理解することが大切です。

以下は、ドイツでよく見られる主要なアパートの種類についての詳しい説明です。

シェアハウス(WG / Wohngemeinschaft)

WG(ヴェーゲー)は、特に学生や若者に人気のある住居形式で、数人が一つのアパートをシェアして生活します。
WGでは、各住人がそれぞれ自分の部屋を持ち、キッチンやバスルーム、リビングルームなどの共用スペースを共有します。

ドイツの大学生や新卒者がよく選ぶ住居形式で、家賃が比較的安く、生活費を抑えられるのが最大のメリットです。

メリット1:家賃が安い。
メリット2:共用スペースを通じて他の住人と交流できるため、ドイツ語の練習や文化交流にも最適。

デメリット1:プライバシーが少ない。
デメリット2:共用スペースの掃除や利用方法が問題になることがある。
デメリット3:住人同士の相性が悪い場合、各種トラブルの原因になることも。

WGでは、住人全員がメインの契約者として家賃を支払う「Hauptmieter」のケースと、誰か一人が契約者で他の人がその人から部屋を借りる「Untermieter(サブテナント)」のケースがあり、後者は契約上の責任が軽減されます。
HauptmieterとUntermieterについてシェアハウスは、この記事の後半でさらに詳しく紹介しています!

WG1

家具付きアパート(möbliertes Apartment)

ドイツでは、家具付きアパートも多く提供されています。

家具付きアパートは、基本的な家具がアパート内に既に揃っており、すぐに生活をスタートできる点が魅力です。
主に短期滞在者や家具を購入する余裕がない人に人気です。

ドイツ博士

ただし、前居住者からの家具の買い取りが入居条件になっている場合もあるから要確認だよ!

特に都市部では、出張者や学生、インターンシップなどのために短期間だけ滞在する人々に多く利用されています。

メリット1:初期費用が少ない。新生活をスタートするためのコストが抑えられる。
メリット2:入居してすぐに生活を始められる。

デメリット1:家賃が家具無しのアパートよりも高くなることが多い。
デメリット2:家具の選択ができないため、部屋のデザインやレイアウトにこだわりたい人には向いていない。
デメリット3:場合によっては、前居住者から家具の買い取りをさせられることがある。

家具付きのアパートには、ベッド、机、椅子、クローゼットなどの基本的な家具が設置されているのが一般的です。
しかし、必ずしもすべての家具が揃っているわけではないため、事前にどの家具が含まれているか確認することが大切です。

家具付きアパート1

ビジネスアパート

ビジネスアパートは、家具付きのアパートに加え、いくつかのサービスが含まれている物件です。

サービスの内容は物件によって異なり、コンシェルジュ、インターネット、クリーニングなどがあります。
物件によっては、居住者専用のフィットネスルームなどがあることもあります!

ビジネスアパートは、短期的にその都市に滞在するビジネスマンや専門職の人々をターゲットにしており、比較的高級な物件が多いです。
企業の出張者向けに手配されることも多いが、個人でも契約が可能です。

また、ドイツでのアパート探しの難易度が非常に高いことから、目的の都市にあるビジネスアパートに一旦入居して、そこに住みながら、家賃がより安い普通のアパートを探すという人もいます。

疑問ちゃん

一旦ビジネスアパートを利用するなどして目的の都市に数ヶ月以上滞在することができれば、アパートの内見にも迅速に対応できるようになって、アパート探しがはかどるね!

ドイツ博士

でも、ビジネスアパートも満室になりやすいから、できるだけ早く問い合わせることが重要だよ!

メリット1:付加サービスによりさらなる快適さが提供され、家事や雑務の時間が多少節約できる。
メリット2:居住者宛の荷物すべてを受付で一旦受領してくれるケースが多いため、再配達によるリスクや手間を避けられる。また、日曜日や夜中でも荷物を受け取れることがある。

デメリット1:家賃が高めに設定されており、長期滞在には向いていない。
デメリット2:自分で生活空間をカスタマイズする余地が少なく、家具の選択もできない
デメリット3:基本的には長期での滞在を目的にしていないため、部屋が狭かったり、キッチンが狭かったりすることも多い。

ビジネスアパートは主に都市部に集中しており、数ヶ月から1年程度の短期的な利用に非常に適しています。
特に、家具や家電の購入・調達をしたくない人や、サービスを希望する人に人気です。

ビジネスアパート1

キッチン付き・無しアパート

ドイツでは、驚くことにキッチンが付いていないアパートが多く見られます。

ドイツの賃貸物件には「Einbauküche(備え付けキッチン)」が付いていないことがあり、その場合は自分でキッチンを購入して設置する必要があります。
これは日本ではあまり一般的ではないため、ドイツで物件を探す際には、特に注意が必要です。

キッチン付きアパートのメリット・デメリット:

メリット1:入居後すぐに自炊を始められる。
メリット2:キッチンを設置する際に発生する莫大な手間や費用が掛からない。

デメリット1:キッチンがある分家賃が高くなったり、キッチンを前の居住者から買い取る必要があったりする。
デメリット2:キッチンが自分の好みのデザインであるとは限らない。

キッチン無しアパートのメリット・デメリット:

メリット1:自分の好みのデザインのキッチンを購入して設置できる。

デメリット1:キッチンの購入にあたり、入居時に莫大な手間と費用が発生する。
デメリット2:キッチンの設置には時間が掛かる(通常1~3ヶ月程度)ため、すぐに自炊を始めることが難しい場合が多い。

キッチンの有無は物件の家賃に影響することが多く、キッチンが付いている物件はその分家賃が高く設定されていることがよくあります

また、入居時に前の居住者からキッチンを買い取る場合も多くあります
その場合は、キッチンをいくらで買い取る必要があるのか確認することが重要です。

また、キッチンの設置に関しては、賃貸契約の条件により退去時に撤去しなければならない場合もあるため、事前に確認することが重要です。

疑問ちゃん

キッチンぐらい最初から備え付けておいてほしいよね…。

家具無しアパート

家具無しアパートは、長期的に住む予定の人や、自分の家具を使いたい人に向いています。

ドイツでは、新しいアパートを借りる際に、自分で家具をすべて揃える必要があることが一般的です。
初期費用が掛かりますが、自分の好みに合わせたインテリアを楽しむことができるというメリットがあります。

メリット1:自分のスタイルに合わせて部屋をデザインできる。
メリット2:長期的に住む場合、初期費用は掛かるものの、総合的にはコストパフォーマンスが良い。

デメリット1:入居時に家具を揃えるための費用や手間がかかる。
デメリット2:特に初めて引っ越し人やドイツに来たばかりの人にとっては、家具購入のプロセスが大変に感じることがある。

ドイツでの家具購入は、日本と異なり「IKEA」や「XXXLutz」などの大手家具店が主な選択肢となります。
インターネットでの注文や配達サービスも充実しているものの、配送されるまでに時間が掛かることがあるため、計画的に準備することが重要です。

家具無しアパート1

賃貸契約の種類

ドイツでの賃貸契約には、いくつかの形態があります。
契約の形態によって、住居の使用条件や期間が異なるため、物件探しの前にどの形態が自分に適しているのかを把握しておくことが重要です。

Hauptmieter(メインテナント)

借主が大家と直接契約を結び、全ての賃貸責任を負う形式です。

契約期間は無期限もしくは長期であることが一般的で、しっかりと腰を据えて住む予定がある場合に適しています。
Hauptmieterになる場合は、通常、家賃や公共料金の全額を支払う義務があります。

ドイツ博士

ポイントは、借主が大家と直接契約を結ぶ点だよ!

Zwischenmieter(短期間の賃貸借契約)

短期間だけアパートを貸し借りする場合に多い契約です。
例えば、Hauptmieterが留学や長期出張で家を空ける間、代わりに住むというケースです。
そのため、一般的にはHauptmieterからの又借りとなります。

この形式では、契約期間が明確に定められており、通常は数ヶ月から半年程度の短期間に限られます。
特に語学学校に通う方や短期留学生、出張者に向いています。

ドイツ博士

ポイントは、短期間の賃貸契約だよ!

Untermieter(サブテナント)

一般的には、Hauptmieter(メインテナント)からアパートの一部を又借りする形式です。

特に、WG(シェアハウス)でよく見られ、Hauptmieterが一部屋または数部屋を他の人に貸すことが一般的です。
家賃や公共料金の負担が軽くなる場合が多いため、短期滞在や予算を抑えたい人に適しています。

また、最近は、アパート探しの難易度の高さや家賃の高騰から、Hauptmieter自身が借りているアパートの全部を無期限で貸し出す場合も稀にあります。
例えば、Hauptmieterが同棲を始めるなどの理由でそのアパートが一旦不要になった場合に、Hauptmieterが万が一の事態に備えてそのアパートに再度居住する権利を持ち続けたいと考えるケースです。
その場合、先程ご紹介したZwischenmieterの無期限版として、Hauptmieterからアパートの全部を又借りすることになります。

ドイツ博士

ポイントは、又借り契約だよ!

ゆとり
ドイツ生活5年目のゆとりです。デュッセルドルフで2年半働き、現在は再度ミュンヘンで働いています。過去にミュンヘンで交換留学およびワーホリも体験しました。
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