留学、ワーキングホリデー、就労など、ドイツに滞在する目的はそれぞれだとしても、ドイツで生活するためには、住む場所が必要です。
そのため、ドイツに渡る日がある程度決まり次第、ドイツのアパートを探す必要があります。
しかし、ドイツでアパートを探す際には、一つ注意しなければならないことがあります。
それは…
ドイツのアパートにはキッチンがないことが多い!
ということです。
今回は、ドイツでアパートを借りたらキッチンがなかったという筆者の体験談を皆さんにお伝えしたいと思います。
・現在、ドイツのアパートを探し中の方
・近々ドイツに引っ越す予定の方
・ドイツのアパート事情に興味のある方
アパートを見つけても油断大敵!?
ワーキングホリデー用にドイツでアパートを長らく探していたんだけど、最近やっと見つかったよ!
おめでとう!
ドイツでアパートを見つけるのは大変だから、無事に見つかって良かった!
ちなみに、そのアパートにキッチンは付いているの?
えっ?アパートなんだから、キッチンぐらい最初からあるでしょ?
いや、ドイツでは、キッチンが備え付けられていないアパートも多くあるよ!
うそっ!?
私が借りるアパートの詳細を確認したら、確かにキッチンがないらしい!!
どうしよう…。
ドイツでは、このような状況が実際に起こり得ますので注意が必要です!
日本では、借りたアパートにキッチンがないということは、ほぼないでしょう。
稀にコンロが付属していないということはありますが、キッチンの台やシンク等は最初から備え付けられているはずです。
しかし、ドイツのアパートは、キッチンがないのが基本形です!
水道管や排気口が来ているキッチン用の部屋が用意されているだけで、シンクもなければ、作業台等も一切ありません!
このままでは、調理はおろか、食器を収納することもできませんし、キッチンで飲み水を汲むことすらできない状態です。
(洗面所やシャワーの水を利用するという方法はありますが…)
すなわち、自分でキッチンを購入して、取り付ける必要があるというわけです。
これは、非常に手間とお金の掛かる作業です。
キッチンってこんなに高いの!?
まず、キッチンを購入するには、大金が必要になります。
もちろん、キッチンの値段はピンキリであり、品質や素材、サイズ、デザイン、機能などによって大きく異なります。
しかし、最低でも、シンク、コンロ、作業台、そして食器棚は必要でしょう。
それに加えて、(日本のアパートにも備え付けられていないのが基本である)冷蔵庫も購入する必要があるかと思います。
すると、IKEAなどで、本当に最低限のもの、かつ非常に簡易的なものをバラバラに購入したとしても、最低500ユーロ(=約82,000円)は掛かるでしょう。
自分のアパートの間取りに合うシステムキッチンをオーダーメイドして購入する場合、3,000ユーロ(=約50万円)以上掛かることもざらにあります。
筆者が購入したキッチンは、品質が特段高いものではありませんが、キッチンの部屋が若干広めかつ食器洗い機を付けたこともあり、冷蔵庫を抜いても約8,500ユーロ(=約140万円)もしてしまいました!
ドイツに引っ越してきたばかりの人、特に学生やワーキングホリデーの人、そして就労経験の多くない若い人にとって、簡単に出せるような金額ではまったくないわ…
ドイツ人と結婚したり、ドイツで現地採用で就労していたりして、かなり長期に渡ってドイツに滞在する目途が経っている人であれば、キッチンを購入する価値と勇気はあるかもしれません。
しかし、ドイツに引っ越してくる大半の日本人はそうではありません。
留学やワーキングホリデーが目的で、ドイツに最長1年程度しか滞在しない予定の人や、仕事やビザの都合上、いつまでドイツに滞在できるかわからない人も非常に多くいます。
自分自身がいくら努力をしたとしても、いつ企業が倒産するか誰にもわかりませんし、会社の業績等の都合で突然解雇されてしまう可能性もあります。
ドイツでの生活や仕事が自分に合うかわからないけど、失敗を恐れず挑戦するためにドイツに来たという人もいるよね…
そのような超長期滞在できる保障がない人にとって、システムキッチンを購入するのはリスクが高く、なかなか勇気が出ないことでしょう。
また、IKEA等で、総額500ユーロ程度でバラバラに買い揃えた簡易的なキッチンの場合、本当に必要最低限のものしかないため不便に感じることも非常に多くあるでしょう。
キッチンは購入も組み立て・設置も本当に面倒くさい!
キッチンを購入するのは、非常に手間の掛かる作業でもあります。
キッチンがアパートにないからと言って、1日や2日でキッチン設置まで終えることは通常不可能です。
システムキッチンを購入する場合、基本的にまずは、キッチン部屋の間取り図を持って、システムキッチンを販売するお店(例えば、Küchen Aktuell、Küchen Schaffrath、POCOなど)に自ら出向く必要があります。
間取り図がなければ、自分で作成する必要があります。
間取り図には、窓やコンセントの位置、水道管や排気口の位置、ドアの開き方なども必ずメモしておいてね!
お店に着いたら、予算を基準に店員に相談しつつ、メーカーやデザイン、素材等を選択し、キッチン部屋に対してどのように設置するかを決めます。
また、どのメーカーのどの家電をどの位置に組み込むのかを決めたり、作業台の高さを決めます。
さらには、棚や換気扇についても検討する必要があるでしょう。
このように、システムキッチンを購入する際には、決めなければならないことが山のようにあります!
そして、見積もりを出してもらいます。
組み立てや設置を自分で実施する場合を除いて、その費用が含まれているかも確認します。
それで問題が無ければ、次は、そのお店を通じて係の人を自分のアパートに派遣してもらい、キッチン部屋の採寸や調査を行ってもらいます。
購入予定のキッチンが、問題なく収まり設置できることを確認してもらうためです。
それが、購入契約をしてから1週間から2週間後になることが多いかと思います。
その採寸および調査で問題ないことが確認できたら、組み立ておよび設置の工程に進みます。
しかし、それは、さらに1ヶ月から3ヶ月ぐらい後に行われることが多いです。
つまり、システムキッチンの購入契約をしてから、1ヶ月半から3ヶ月程度経ってようやく納品されるということです!
ずいぶん長い間、キッチンのない生活になってしまうね…。
IKEAでシンク、卓上コンロ、作業台、そして食器棚を別々に購入する場合は、在庫さえあればすぐに手に入るかもしれません。
しかし、サイズと重さゆえに、大きめの車をレンタルしたり配送してもらったりしない限りは、運ぶことが非常に困難です。
配送サービスを利用する場合、最短でも数日後のお届けとなるでしょう。
また、届いた後も組み立てや設置をする必要があります。
設置サービスを利用する場合、数週間待たされる可能性がある上、追加料金も発生します。
IKEAとかで買い揃えても、結局しばらくはキッチンのない生活になってしまうのね…。
この問題を回避するためには?
このような「キッチンがない問題」を回避するためにはどのようにしたら良いのでしょうか。
それは、キッチンがあるアパートを探すしかありません!
アパートにキッチンがないのが基本形とお伝えしましたが、中にはキッチンのあるアパートもあります。
留学生寮やWG(シェアハウス)にキッチンがあるのはもちろんのこと、1年未満の滞在者をターゲットとしたビジネスアパートのようにキッチン・家具付きの物件もあります。
また、大家さんがキッチンを設置してから貸し出している通常アパートもあります。
さらには、前の入居者からキッチンを買い取らなければならないケースも、ドイツでは多くあります!
その場合は、引っ越し当日からキッチンを使えるので便利ではありますが、キッチンの買い取りに支払う金額(例えば1,500ユーロなど)が別途発生します。
いずれにしても、アパートを探す際に、備え付けのキッチンが用意されているのか、またはキッチンを前の入居者から買い取る必要があるのか等、入念にチェックする必要があります!
まとめ
- ドイツのアパートには、キッチンがないことが多い
- システムキッチンを購入する場合は、3,000ユーロ(=約50万円)以上掛かることが多い
- キッチンの購入は、非常に手間の掛かる作業でもあり、納品までに3ヶ月近く待たされることも!
- システムキッチンを購入する場合は、決めなければならないことが非常に多い
- この問題を回避するには、WG(シェアハウス)やビジネスアパートのようなキッチン付きの物件を探したり、前の入居者からキッチンを買い取ったりする方法がある
- アパートを探す際に、備え付けのキッチンが用意されているのか、またはキッチンを前の入居者から買い取る必要があるのか等、入念にチェック!
この「ドイツのアパートにキッチンがない問題」は、日本人だけでなく、欧米人にとっても悩みの種です。
これが、多くの人にとって、ドイツで受けるカルチャーショックだったりもします。
キッチンはサイズも非常に大きく、サイズも変更困難なため、引っ越しの際には大変困ることでしょう。
運ぶことも難しく、運べたとしても新居でピッタリ収まることもめったになく、また売却することも容易ではないでしょう。
ドイツでも、キッチン付きのアパートがもっと普及すれば良いのになと思うばかりです。
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